【遠州三光祭】ジュビロ磐田、夏の正念場
こんにちは!みやざき潤です。
世間ではお盆休みや夏休みに入った方も多く、各地で夏祭りなどで賑わう中、我らがジュビロ磐田も「遠州三光祭」として盛り上がる夏の一戦へ訪れたため、その様子についてまとめました!
ぜひご覧ください!
遠州三光祭
2024年8月11日(日・祝)に行われたエコパでの一戦。この試合は「~Admiralマッチ~ 遠州三光祭~いざ!エコパを満員にするに!」として、様々なイベントが行われました!
2022年からジュビロ磐田のオフィシャルサプライヤーとなり、この試合の冠も担当していた「Admiral」とジュビロ磐田がコラボした法被が来場者へプレゼントされ、元Whiteberry前田有嬉さんによる「夏祭り」の歌唱、さらには花火もあがるなど夏らしいイベントが盛りだくさんでした!
ナショナルダービーを迎えるまで
これまで「ナショナルダービー」と表現されることも多かった「ジュビロ磐田 vs 鹿島アントラーズ」の一戦。
ナショナルダービーと呼ばれることに関しては下記サイトで書かせていただきましたので、こちらも良かったらぜひご覧ください!
そんな両クラブですが、試合開始前時点での直近の流れも対照的なものとなっています。
鹿島は約1ヶ月前の横浜FM戦にてなかなか調子が上がっていなかった相手にアウェイで先制しながら1-4での敗戦をしてしまったり、中断期間中に行われた日本代表MF三笘薫選手も所属するイングランドの強豪クラブ、ブライトンとの親善試合では世界基準の相手に力の差を見せつけられたものの、その敗戦を引きずることなくリーグ戦では連勝!
順位を2位にあげて、アウェイでの磐田戦へ臨みました。
一方の磐田も約一ヶ月前の湘南戦では残留争いをするライバル相手に序盤での退場もあり完敗。続く京都戦でも湘南同様に残留争いをする相手にホームで痛い逆転負け。「6ポイントマッチ」連戦を連敗と悪い流れのまま中断期間に突入することになりました。
鹿島同様中断期間には、ヨーロッパの強豪クラブとの親善試合を行い、伊東純也選手や中村敬斗選手も所属するスタッド・ランス相手にドロー。逆襲に向けてのきっかけを作りリーグ戦再開を迎えました。
ですが、そのリーグ戦再開初戦の比較的順位の近い新潟戦ではアウェイにて前半終了時点で0-2と中断前のリーグ戦同様悪い流れのまま後半を迎えることになります。しかし、その後半では退場者を出しつつ新加入のFW #55 渡邉りょう選手のアシストもあり2-2のドロー!苦しい中でも勝ち点を持ってかえることに成功しました!
しかし、執念のドローの代償も大きく、その試合で2得点をあげ得点ランキングでも2位となる15得点をあげているエースFW #11 ジャーメイン良選手がイエローカードの累積、そして同試合で退場処分を受けた長身ストライカーFW #99 マテウス・ペイショット選手も出場停止と、チーム合計で32得点中両選手で21得点(※リーグ戦のみ)をあげている得点源2人を欠く中で真夏のホーム戦を迎えることになりました。
※後日、ペイショット選手には2試合の出場停止が言い渡されたため翌節の町田戦も出場停止となります。
好調を維持し2位に浮上した「鹿島」、そしてなんとか負けなかったもののストライカー2人が不在の中降格圏脱出を狙う「磐田」、置かれている状況は異なるものの両クラブの目標へ向け負けられない真夏の決戦が始まります。
立ち上がり、仕掛けたのは…!
2人のストライカー不在。そんな逆境の中で磐田は前節からスタメンを大きく変更します。前節の新潟戦では出場停止となっていたDF #4 松原后選手が左SBでスタメンへ復帰し、注目のトップには夏に加入したばかりのFW #55 渡邉りょう選手が入りました。渡邉選手は加入後初スタメンとなりました。
ですが磐田のテコ入れはそれだけに留まりません。上述のメンバー以外にもここまでリーグ戦全試合スタメン出場を果たしていたMF #7 上原力也選手がメンバー外となるなど過半数を超える6名のメンバーを水曜日の試合から入れ替えて臨みました。
鹿島も出場停止明けとなったFW #13 知念慶選手(※今季はボランチとして覚醒中のため出場時のポジションはMF)が復帰するなど万全な状態で首位追走となる勝利を目指します。
そして、立ち上がりのリズムを掴んだのはスタメンを大幅に入れ替えた磐田でした。
キックオフ直後にMF #14 松本昌也選手が左足でミドルシュートを放ち、鹿島ゴールを早速脅かすなどチャンスを作ります。
その直後のコーナーキックでも6月以来のスタメン復帰をしたMF #37 平川怜選手のキックから、夏の加入後初出場初スタメンとなったDF #32 ハッサン ヒル選手がシュートを放ちホームの磐田が上位相手に上々の立ち上がりを迎えます。
しかしそこで崩れないのが上位たる所以。
鹿島もその後、DF #55 植田直通選手、#5 関川郁万選手を中止とした守備陣が失点を許さず、サイドバックながら早くもここまで7得点をあげている大型ルーキーDF #32 濃野公人選手、2桁得点ストライカーで前回対戦時でもPKを沈めたFW #40 鈴木優磨選手など得点力の高さを活かした攻撃陣が磐田ゴールに迫ります。
ですが磐田も負けていません。夏に育成型期限付き移籍から復帰したGK #51 中島佳太郎選手、2種登録の#47 飯田恵然選手を除くGK4選手が全員リーグ戦で出場するなど総力戦で今シーズンを戦う中、GK陣の中では最古参となるリーグ戦3試合連続スタメン出場となったGK #21 三浦龍輝選手、オリンピアンとなったDF #15 鈴木海音選手がチャンスを作らせません。
そして徐々に立ち上がりを凌いだ鹿島がペースを掴み始めると34分、かつて磐田への加入内定が決定していたものの補強禁止処分により急遽鹿島へ加入し試合前の選手紹介ではエコパに駆けつけた磐田サポーターから拍手も巻き起こっていたFW #36 師岡柊生選手がエリア内で倒されてPKを獲得します。
前回対戦同様決定機は与えていなかった中でVARも介入する形で与えられた前半30分台のPK。そのPKを前回対戦時同様に鹿島のエース鈴木選手が真ん中に蹴り込み鹿島が先制に成功します。
そこまでは前回対戦時と同じ流れになっている中、0-1で完封負けした過去からの脱却へ前半のうちに追いつきたかった磐田でしたが前半終了間際にはコーナーキックの流れから鹿島の知念選手が決定機を迎えますが、前回対戦時には不在だった磐田GKの三浦選手がビッグセーブ!
同点弾は生まれずも追加点は許さず後半へ繋げます。
総合力で逆転へ
元Whiteberryボーカルの前田有嬉さんが「夏祭り」を疲労し、花火も上がったハーフタイムを終え、両クラブ共にメンバー変更はなく迎えた後半。
後半も前半同様にチャンスを掴んだのは磐田でした。
48分に右サイドから松本選手がクロスをあげるとエリア内で鹿島DFがハンドの判定。後半開始早々に同点のチャンスが訪れたかに思えましたが、この判定はVARの結果取り消しに。それでも加入後初スタメンを飾った渡邉選手が真夏の試合にも関わらず前線からのハードなプレスで鹿島のビルドアップの選択肢を減らし、いざ蹴り込まれたロングボールもヒル選手と鈴木選手の両CBが跳ね返してピンチを作らせません。
良がいなくてもりょうがいる。
ジャーメイン選手、ペイショット選手の両ストライカーを欠く絶体絶命の中で新エース候補に名乗り出た渡邉選手。前節のアウェイでのアシストデビューに続き得点にこそ直接は関わらなかったものの、チームの危機を救うポテンシャルを見せるホームデビュー戦になりました。
すると磐田が先に動きます。65分にドリブルのスペシャリストMF #31 古川陽介選手、そして渡邉選手同様夏にC大阪から加入した強烈な左足を武器にするMF #23 ジョルディ クルークス選手がピッチへ送り込まれ、さらに76分に前回対戦時には負傷の影響もあり不在だったMF #10 山田大記も交代出場をします。
鹿島も交代枠を使う中、交代策が実ったのはホームの磐田でした!
山田選手の交代直後の77分に右サイドからクルークス選手がクロスをあげ、それに反転ダイレクトボレーで合わせたのはその山田選手!
ファーストタッチでのスーパーゴラッソな同点弾で試合終盤、18位磐田が2位鹿島相手にスコアをタイへ戻します!
ナショナルダービー、ホームでの逆転勝利へ磐田は手を緩めません。同点弾から4分後にデビュー戦ながら流れの中からの失点は許さずコーナーキックから決定機も作ったヒル選手やスタメン復帰を果たした平川選手と交代でロングスローや跳躍力を活かした打点の高いヘディングが得意なDF #26 西久保駿介選手といぶし銀な地元出身のベテランDF #6 伊藤槙人選手が入り、早くも交代枠を使い切ります。
交代枠を使い切り、脳震盪などの特殊な事例がない限り出場の可能性がなくなってしまったFW #17 ウェベルトン選手やGK #24 杉本光希選手がベンチからチームを鼓舞する中、得意の後半終盤に磐田がリズムを掴みます。
そんな姿勢が実ったのは、試合終了間際の89分でした。
スローインにはオフサイドがないことを活かし、西久保選手のロングスローからMF #50 植村洋斗選手が右サイド敵陣深くでボールを受け、グラウンダーでマイナスのクロス。そのクロスにフル出場でスプリントを続けていた渡邉選手が中で鹿島DFとGKを釣り出し、ボールは左サイドへ。そこにフリーで合わせたのは途中出場の古川選手!狭いシュートコースを正確に捉え、サポーターの目の前で貴重な逆転弾を叩き込み、試合日直前に行われていたパリ五輪アメリカ代表選手のセレブレーションでもあった「night night」ポーズを披露し喜びを爆発させます!スタメン出場で上下動し、途中交代したMF #19 ブルーノ ジョゼ選手が試合時ばりのダッシュで駆けつけるなどスタジアムのボルテージが一気にあがります!
そしてVARなどもあった影響で11分あった後半アディショナルタイム(アディショナルタイム中の鹿島GKの手当てもあり、最終的な試合時間は15分)を凌ぎ切って磐田が鹿島相手に2-1で逆転勝利!
残留に向け、2位相手に貴重な勝ち点3を獲得したことに加え、2017年(※中村俊輔さんのゴラッソがあった試合!)以来リーグ戦で勝利のなかった鹿島相手に9試合ぶりの勝利となりました。
残り12試合、残留へー。
花火などもあがり、試合内外で盛り上がりを見せた「~Admiralマッチ~ 遠州三光祭~」。今シーズンクラブ史上最多となる3万3千人近くの観客がエコパへ訪れた中、これから沼る人も増えたのではないか?と期待せずにはいられない逆転劇。暫定ながら残留圏内に順位を上げただけでなく、今後のファン定着に向けても大きな試合になったのではないかと思います。
さらに戦力的な面で見ても、中央のポジションであるセンターライン(GKやCB、CFなど)が安定すると成績も上向くと言われることも多い中、そのセンターラインのGK #1 川島永嗣選手、DF #36 リカルド グラッサ選手、MF #7 上原力也選手、そして出場停止となっていたFW #11 ジャーメイン良選手や#99 マテウス ペイショット選手がメンバー外となる中、上位相手に夏加入の選手や途中出場の選手が得点や最少失点に貢献して掴んだ逆転勝利。
決してこの試合が最後ではない。
それでも一人のファン、一人のサポーターとして今後につながる大きな希望を感じるには十分な試合になったと感じています。
2位鹿島とのホーム戦の後は、1位町田とのアウェイ戦。
史上初のJ1初昇格初優勝を目指して現時点で首位に立ち、夏の補強で日本代表の相馬勇紀選手、同じく日本代表の中山雄太選手の加入まで本日発表され、J屈指の戦力が整う町田との試合は一筋縄ではいかないはずですが、それでもシーズンダブルのチャンスがあるのではないか?
そんな期待が高まる祭りになったように思います。
残り12試合。ここから始まる磐田の反撃、これからも応援しています!
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