「国内回帰」と地方経済の密接な関係

製造業の国内回帰の流れが、逆転しつつあります。その理由は、円高になったからです。では何故、円高に転じたかというと、日本の金融緩和の勢いが落ちているからだと思います。物価上昇率が目標の2%に遠く及ばないので、本来は日銀が緩和の勢いを落とす局面ではないんですが、現実に落としているので仕方ありません。

心配なのは、国内回帰に伴う新規工場立地が、主に地方だということです。最近の人手不足が主要都市部のみならず地方圏にも及んでいるのは、国内回帰が地方経済に及ぼしたプラスの影響だと思われます。円高になると、その流れが逆回転しかねません。

国内回帰と関係ありませんが、近年の訪日外国人観光客の急増も、円安に影響された面が大きいです。日本人が円高で海外旅行に行くのと、逆のメカニズムですね。訪日客の増加が地方の観光業に相当なプラスの効果を及ぼしていることは明らかです。

このように円安は、地方経済の活性化に大きく貢献してきました。円高のリスクは決して、輸出企業の収益悪化だけではないことに留意する必要があります。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29920280X20C18A4SHA000/

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宮嵜 浩
お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。