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おせっかいAIおばさん

なんの映画だったか忘れてしまったが、アメリカ映画で、大学の寮のルームメイトをAIが決めるという場面を見たことがある。

ChatGPTが昨年、話題になって以来、AIは我々一般人の生活と無関係でないという実感が生まれつつある。

AIという言葉は、僕が高校生の時ぐらい(30年以上前)から知っていたような気がするが、そのころはまだ、3歳児程度の知能であるとか、チェスの対戦で人間にはかなわないと言われたりしていた。

iPhoneにsiriが搭載されたり、Googleのアレクサが登場したりして、いよいよ実用的になってきたのかという感じは持ちつつ、まだまだスターウォーズのC3POとかみたいに、人間のように会話できるレベルには達しないだろうと思っていた。

しかし、ChatGPTを触ってみると、いよいよすぐそこまで来ているという感じである。

チェスや将棋はすでに10年ぐらい前から、AIに人間が負けるようになってきている。

僕は触ったことはないが、画像や映像を作る生成AIも一般の人が使えるようになってきている。

建築のパースも、条件を伝えれば、いくつものパターンを提示してくれるらしく、一時、同業者らしき人が、試験的に次々と画像を投稿したりしていた。

それが海外の有名建築家が作ったと思うような出来なのである。

さて、AIの「今できること」は、あっという間に古くなってしまうような情報なのでここまでにする。

AIを活用するにはディープラーニングが必要だという。

それは、人間が学習することに似ている。

言葉を覚えるのには、人間でもかなり時間がかかる。

日本人が、義務教育で英語を勉強しているにも関わらず、日常的に英語を話したり、読み書きしたりできる人が少ないのは、勉強がまだまだ足りないからだ。

学校の授業やテストだけでなく、本を読んだり、文章を書いたり、多くの人と話したり、テレビや映画を見たり(もちろん字幕なしで)、さまざまなアプローチで英語に触れないと、覚えることは出来ない。

AIに学習させるのも、同じような方法らしい。

つまり、たくさんのテキストや画像を見せることによって、AIが自らパターンを抽出して判断できるようになるということだ。

最近のスマホは顔認識でロックを解除することが出来るが、それもAIが無数の人の顔をディープラーニングした結果、違いを認識できるようになったということだろう。

最近、イーロン・マスクの伝記を読んだのだが、テスラはAIによる自動運転の開発を行っているそうだ。

その方法は、すでに販売されたテスラ車に搭載されたカメラの映像をAIに見せて、道路や交差点で運転している人がどのように判断し、操作するか覚えさせる。

人が運転するときは、他の車や歩行者、自転車などがどのように動くか、ある程度予測している。

そのような判断は「こういう時はこうする」という明確な命令を事前に与えておく、従来のプログラムという方法では難しく、たくさんのパターンを見せて、自分で考えさせるということだ。

まるで人間の学習と同じだし、情報量が上回れば、人間よりたくみに運転するAIを作ることも可能のような気がする。

例えば、人間の運転の技術は運転時間に比例すると思われるが、その100倍とか1000倍の動画データを覚えさせれば、人間よりはるかに優れた運転手になるのではないか。

AIとはおよそこのようなものであるらしいが、問題はどのように使うかである。

たとえば建築設計も、すでに有名建築家もかくやというデザインを作り出せるようだし、いずれAIが全て出来るようになると思う。

あらゆる分野の仕事で、AIは活躍することが想像に難くない。

そんな中でも、僕がこう使えばいいのではないかと思ったのは、マッチングアプリである。

言い換えると、昔いたようなお見合いを世話する、おせっかいおばさんの代わりだ。

昔のドラマだか、漫画だかで、100組の男女の結婚を世話したというおばさんが登場していた。

そういうおばさんである。

僕らの世代(団塊Jr)には、こういうおばさんはいなくて、相手は自分で探すしかなかった。

機会があるとすれば、合コンか、婚活パーティーである。

しかし、こういうものにそれなりに参加した経験からすると、これらはどうもカップル成立の確率が低すぎるのだ。

その結果、僕らの世代の未婚率は男性で30%と高い。

さらに晩婚化しているということもある。

団塊ジュニアは、その名の示す通り、団塊の世代の子どもの代なのだが、その結果、団塊ジュニアのさらにジュニアは、団塊になっていない。

原因は不景気や、非正規労働のせいだと言われたりしているが、僕はそうは思っていない。

単に自分に合った相手の探しようがなかっただけではないかと思う。

(そのことについての考察は以前の投稿にもある)https://note.com/miyazaki_archi/n/n0ae2ed30b5f5

やはり昔のように、第3者にマッチングしてもらったほうがいいのではないかと思うのだ。

そこで、AIが活躍するのではないかと考えた。

冒頭にルームメイトのマッチングのことを書いたが、男女のマッチングにもAIは適していると思われる。

すでに結婚しているカップルの性格や顔、経歴などのデータをディープラーニングすれば、最適な相手をマッチングできそうだ。

これは昔、おせっかいおばさんがやっていたことに似ているし、情報量が増えれば、それ以上の成果を上げることもできるだろう。

イーロン・マスクは人類の問題を解決するために、テスラやスペースX、ニューラリンクや、オプティマスなどの会社を作っている。

伝記を読むまで知らなかったのだけど、ChatGPTを作っているOpenAIもイーロン・マスクが初期の立ち上げに関わっていたらしい。

そのイーロン・マスクが、もう一つ懸念しているのが、人口減少である。

人口減少は、ことによると地球温暖化よりも深刻な問題の可能性があると、僕は思う。

AIという新しい技術を、人類の最優先の課題を解決するために使うことは、不合理ではないと思うのだが、どうだろうか?

AI、日本語で愛…そんなダジャレはいいか…

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