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グループ6 わしょく
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「わしょく」って・・・?
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これはチーム名で、チームみんなの共通項を探していたときに「和食が好き!」が一致したことが由来です。
「和食」は、見た目といったわかりやすい外面的な部分だけでなく、その中にある、食に関する『習わし』という内面的なところが評価され、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。私たちのチームは、宮崎の「目に見えるシンボル」のようなものではなく、目に見えない『人柄』、『自然』、『気候』、『方言』、『食文化』といったところに、魅力を見出すチームです。その点で、「和食」とニュアンスが似ていると感じています。
宮崎市の日常にある「らしさ」・「空気感」から、 宮崎市ならではの魅力を見いだしたい!
これまでのワークショップの中で、まちなかフィールドワークによるマップづくりや宮崎で活躍する方へのヒアリング、年表作成、街市への出店を行ってきました。特にマップづくりとヒアリングの取り組みは、この問いを考えるきっかけになりました。マップづくりでは、普段気にせずに歩く町並みを意識しながら観察することで、例えば「こんなタイルの模様だったんだ!」「こんなところにお店が!」「オブジェ?」と感じることがたくさんありました。またヒアリングでは、宮崎市で活躍される方のエピソードや誇りに思うことを聞き、市民の宮崎の魅力にまつわるリアルな声を得ました。
そこで、宮崎市ならではの良さが身近に多く存在していることに気づきました。こんなにまじまじと身近なモノを観察したり、ヒアリングに回答してくださった方の温かさを感じたり、いずれも普段の生活からはかけ離れた時間で、無意識に行えるものではないと思いました。そのことから、私たちが実際に行動して気づいた宮崎市の「空気感」というものを、多くの方にも体験して気づいてほしいと思っています。
異なる問いからのスタート
私たちのグループは初めそれぞれ異なる問いから始まりました。
そんな問いを考え始めたきっかけが「街市」への参加です。
以下、3つのチームの街市での取り組みです。
①「宮崎をもっと歩きたくなる街にするには?」を問いとしたチーム
└「自分の好きな道」に関するアンケートとインタビューを実施。
(感想)幅広い年齢層の方が、アンケートとインタビューに協力してくれたことに驚きました。宮崎の自然を好きだという人が多く、自然が豊かな道を挙げていました。結果から宮崎は人と自然が近い距離感にあり、日常に自然があることが宮崎の魅力の1つだと感じました。
➁「宮崎市をずっと関わっていたいと思える街にするには?」を問いとしたチーム
└宮崎市民しか知らないローカルな情報をインタビュー。
そのローカル情報を地図にまとめ、通りすがりの方々にもみてもらえるようにし、宮崎市の隠れた魅力を双方で感じられるような活動でした。
③「街中に人が集まるためにはどうしたらよいか」を問いとしたチーム
└「街市にどのように来たか?」のアンケートを実施。参加したきっかけや当日の移動手段などの質問から、どうしたら街に人が集まるのかを調査しました。
街中はふらっと誰でも立ち寄れる、立ち寄りやすい場所であるために何が必要かを考えました。
しかし、今回の街市でのワークショップを通して、シンボルではないローカルな視点に興味を持った私たちが集まり、この「わしょく」のチームができました。
SMILE MIYAZAKI 100年祭
宮崎市「らしさ」をカタチに✨️
私たちのグループは、宮崎市を感じてもらうためのムービー作成、方言クイズの実施、通りかかった人に宮崎市の好きなところをボードに書いてもらいました。
ムービー作成において、それぞれが撮影した写真のスライドショーと身近な人にインタビューをしている様子を当日のイベントで再生しました。特に、身近な人にインタビューをしている動画では、動画に登場する人のリアルななまりを届けることができたと思います。
また、方言クイズでは、「てげてげでいいっちゃが〜」や「あのぬいぐるみぬぎいね!」のように、活用例を挙げて行いました。幼い子供から高齢者まで幅広い世代の方が参加してくれましたが、思っていた以上に子どもたちが回答できており驚きました。また県外の方も参加され「へ~なるほど~」と興味を持っている様子でした。
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宮崎市の好きなところをボードに書いてもらう取り組みでは、一度立ち止まってボードに書いてもらうことで、ほんの数分ではありますが、これまでの経験を思い出す機会になったのではないでしょうか。さらに、この思い出すきっかけが、当たり前の出来事や存在が魅力であることの再発見につながったと思います。
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実際の作品は、こちらからご覧いただけます👀
プロジェクトを通じた変化や自分たちの想い
ななみ:
私は生まれてからずっと宮崎に住んでいて、「将来は宮崎から出たい!」と思っていましたが、活動をしていく中で宮崎市がこんなに素晴らしい街なんだ!ということを感じることが出来ました。活動の中で県外から来られた方と話す機会が何度かあり、その中で宮崎のいいところをたくさん教えていただきました。その経験から自分が宮崎市民であることに誇りを持つことができ、本当は沢山魅力がある街であるということを、県内外問わず多くの人たちに知ってもらいたいと思いました。宮崎市に住んでいるだけでは気付かないことも多いですが、宮崎市の魅力は私たちの身近にあり、人の暖かさ・空の美しさ・美味しい食べ物がたくさんあることを、多くの市外の人に伝えるとともに、宮崎市民には誇りに思い忘れないようにしてほしいです。
あやか:
プロジェクトが始まった当初は、宮崎市に「こんなものがあったらいいのに」など、宮崎に今「ないもの」に焦点をあてて、宮崎の未来について考えていました。しかし数々のフィールドリサーチを経て、宮崎だけにある魅力はなんだろう、身近すぎて自分たちが気づいていない宮崎のいいところは?など、すでに「あるもの」に焦点を当てて考えていくようになりました。それを長所にして、最大限に生かすことで宮崎の未来を考える、という視点を得ることができました。その中で宮崎の魅力をたくさん見つけることができ、自分の生まれ育った宮崎がもっと好きになりました。
また多くの宮崎市民の方と関わって、たくさんの方が「宮崎のここが好き!」と笑顔で個々の詳しい話を踏まえて教えてくださったことが印象に残っています。私も今回見つけた地元宮崎の魅力を、これから先出会う人に伝え、たくさんの人に宮崎の魅力を発信したいと思います。
たいせい:
人々が「〇〇に行きたい」と思うときには、その土地に魅力があるのが普通だと思います。仮に自分が宮崎県外の人間だとしたときに、宮崎に行きたいと思うような理由はどのようなものがあるのか考えてみました。しかしすぐに思いつかないのが実情でした。
それはなぜかと考えると「宮崎には、他県のようなわかりやすいシンボルがない」というのが私なりの答えでした。そこで「わかりやすいシンボル以外の宮崎の魅力をさがす」というおもしろい問いに取り組むことになりました。はじめは「そんなものあるのかな」感じていましたが、「街市」や「SMILE MIYAZAKI 100年祭」で市民の皆さんに話を聞いていく中で、「宮崎にしかない魅力がある」、「魅力は意外と身近にある」といったことに気づくことができました。イベントやワークショップを通して、自分にはなかった、宮崎に対する「思い」や「考え方」を知ることができて、それらを深く考えることによって「宮崎もまだまだいいところがある!」と思えるようになってきました。たとえそれが目に見えない、伝わりづらいことであったとしても、それが100年後も残っていればいいなと心から思います。
しゅんと:
他県と比べて、何か物足りないと感じても「宮崎だしね」で納得していた日常がプロジェクトを通じてそんなことはない!と実感しました。今回のプロジェクト参加に伴い、様々な視点から宮崎を見たり聞いたりするようになったのが、自分の中での最大の変化です。普段なんとなく見ていた路地裏や小道にも今までの宮崎の道のりがある事に気づき、城下町でもない宮崎がどんな発展を遂げ今に至るのか考える機会になりました。ヒアリングでは2人の方にお話を聞き、宮崎の若者の大切さやその”若者の力”を考える機会もいただきました。私はまだ高校1年生で、まだ将来の進路のイメージも湧かないひよっこですが、どんな場所でも宮崎はいいところだと話せるように、今よりも宮崎が盛り上がるようにこのプロジェクト以外でも知らせられるようにしていきたいです。
さた:
私たちのグループは、私以外は高校生であったため、それぞれの視点で意見交換ができたと思います。私が高校生の時は、このような活動に参加したり、深く考えたりすることはなかったため、地方創生やまちづくりに興味を持つ学生・若者も少しずつ増えてきていると実感しました。これまでのワークショップの中で印象に残っている出来事は、日常の撮影とポスター制作です。「私は、宮崎が大好きです。」ですが、「なんで?」と聞かれても「なんとなく」としか答えられませんでした。しかし、今回のワークショップを通じて「なんとなく」に隠れている「あたりまえの日常」が正解のように感じました。また、今回参加したワークショップは、多くの方が私たち若者に期待を寄せていると実感しました。大人が若者に期待を寄せているという現状は、私たち若者にとって大きなモチベーションであり、将来への導きになっていると思います。今後は、大人の期待に応えつつ、今回の経験を活かして若者らしく宮崎を盛り上げていきたいです。
100年後のミライ
100年後のミライは、宮崎弁が飛び交っているのでしょうか?登下校の夕日は見れるのでしょうか?朝起きた時の外の風がなびく音が聞こえるのでしょうか?まったくイメージは尽きませんが、このあたりまえの日常が、100年後も続いてほしいと思っています。
しかし、このあたりまえの日常が宮崎市の魅力であると気づく瞬間というのは、意識しなければ存在しないのではと考えました。
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そこで私たちは、宮崎市民と移住者が交流するパーティーの実施を提案します。ただただパーティーをするのではありません。宮崎市民は移住者に対して普段の生活やエピソードを話し、移住者は宮崎市民に対して移住する前のエピソードや移住した後の面白かった話などを提供します。その結果、宮崎市民は、当たり前の日常が魅力であることに気づき、移住者は新しい魅力を知ることが出来るのです。また、宮崎市民の意識せずでてくる宮崎弁の影響で、宮崎弁を話す移住者が表れてくるのではないでしょうか。
海外からの移住者でも同じことが言えます。宮崎市は外国人労働者が多い市です。宮崎市民と外国人が話すことによって、宮崎弁がグローバルな話題になるかもしれません!
今回は、具体的に方言の例を挙げましたが、この宮崎市民と移住者が交流するパーティーの実施を通して、宮崎の食、自然、方言、気候のあたりまえな存在に潜む魅力発見、そしてこの環境から形成される温かい人柄の宮崎市民が100年後もあり続けてほしいです。