グループ5 Sightseeing&Conversation
地域住民と観光客の双方向にとって「価値ある体験」を生み出すにはどんな観光の形が理想なのか?
現代の観光は、地域住民と関わらずに、自分で行きたい場所を探して訪問し観光するというような自己完結型の観光が主流となっていますが、それでは自分の趣味嗜好にあった観光しかできず、新しい学びや発見が得られにくいと考えられます。そういう形ではなく、観光客と地域住民の双方向の関わり、コミュニケーションが生まれる観光を広めることで、観光客は新たな学びや発見を得ることができ、地域住民にとっては新たな関わりが増えることで活力の向上が期待できるというのが両者にとって価値ある観光の形であると考えました。
チーム名「Sightseeing&Conversation」は、チームで価値ある観光ツアーについて話す中で、企画者・参加者・店の人(現地の人)同士の会話が大事だよね、という関係性に気付いたからです。
「宮崎の魅力がぎゅっとつまったツアー」を実施!
最初は、宮崎といえば食、ということから関連して農業、そして農業とは縁が無さそうなテーマを掛け合わせたら面白いのでは?ということで、農業×スポーツで地域住民と観光客の交流を図る「農業スポーツ大会」略して「農スポ」を企画しました。しかし、そもそも自分たちが農業を好きでもなければ、良く知っているわけでもないため、農業について観光客に魅力を伝えることができないなと考え、企画を変更することにしました。
その後、メンバーそれぞれが自分の興味があることや好きなことに関する場所を巡るツアー「宮崎の魅力がぎゅっとつまったツアー」を企画し、100周年記念イベントで実践しました。
チキン南蛮ツアー / フォトスポットツアー / 愛犬とまわる街歩きツアー / 宮崎市100年の歴史ツアーを企画し、そのうち2つチキン南蛮ツアーと愛犬とまわる街歩きツアーを実施しました。
ツアーはこんな様子・・・
〇チキン南蛮ツアー
当日は企画者以外のメンバーがガイド。ツアー内で紹介されるお店に行ってみたり、共有したりすることが不十分だったため、いざ参加者に説明する時に苦戦💦そんなトラブルがあったが、参加者と話していく中で、自分たちが知らなかったチキン南蛮のお店や食レポを知ることができ、新しい発見があった。
〇愛犬とまわる街歩きツアー
参加者と犬以外のこと(日常生活や学校のこと)まで話が発展し、盛り上がった!ツアーの中でとあるペットショップ店に入った時、事前のアポなしにも関わらず、店員の方がお店のことや飼い犬のことなどを話してくれた。また、街中には飼い犬と入れる施設が少ないという実情も聞き、参加者と感想を共有することが出来た。
ツアーの感想
ツアーを行なうにあたって、事前にポスターで呼びかけたり、当日にチラシを配布したりしましたが、参加者がなかなか集まらず大変でした。ツアーの時間配分や時間帯など改善点が多くありました。
ツアー企画者としての難しさを感じた一方で、案内したお店の店員さんの方が話しかけてくださり、地元住民の温かさを感じる体験を参加者と一緒に体験したり、話がはずんだりと、自分たちの思い描く理想のツアーが出来たと感じています。こういたツアーは、参加者だけでなく、自分たち企画側も学ぶことや感動することがあることが分かり、まさに双方向に価値がある観光の形だと思いました。
活動の詳細はこちらからご覧いただけます↓
プロジェクトを通じた変化や自分たちの想い
てんま:
実際にツアーを行なってみて、参加者と日常生活や学校生活のことについて話したり、お店でお話を伺った後に感想を共有したりと、参加者とコミュニケーションを取ることに面白さを感じました。これは、観光でも同じことがいえると考え、観光客と地域住民とでコミュニケーションを取ることで、観光はさらに面白くなるのではないかと思いました。また面白さを生み出すコミュニケーションの重要性を感じたので、観光に限らず、いたるところでコミュニケーションが活発に行われる宮崎になってほしいなと思います。
まいこ:
実際にツアーを行なうまで自分自身もあまり知らない場所で、上手く紹介できるか不安に感じていました。しかし参加者の方とのコミュニケーションによって、自分だけでは気づくことができなかった視点からの需要や魅力に気づくことが出来ました。自分自身も普段住んでいる宮崎や好きなものについて、新たに知ることや交流する機会がなかなかないので、とても貴重な経験になりました。宮崎は何もないと答える人も多いと感じますが、自分とは異なる視点を持った人との交流が、宮崎の魅力をより知る機会にも繋がるのではないかと考えます。
ももか:
「観光」と聞いて想像するのは地元住民と関わる機会がほとんど無い、いわゆる自己完結型の観光で、ツアーを企画するまでは、地元住民と観光客の双方に価値がある観光の形と言われても全く想像が付きませんでした。私はツアーの当日お休みしてしまいましたが、企画者と参加者が共通の好みや興味をもっていたことで、その話題で盛り上がり親しくお話ができたと聞きました。今後、観光客が宮崎の住民の温かい人柄に触れながら、宮崎の魅力を感じられるような観光が増えていくと良いなと感じました。
こうじろう:
プロジェクトを通して、地域の歴史や魅力を再認識する機会を得るとともに、地域の繋がりや次世代に伝えたい価値を共有できたと感じました。
また、過去から現在、そして未来へと続く歩みを大切にしながら、どうすれば誰もが宮崎を身近に感じることができるかを考えることができました。
このプロジェクトで培った経験や繋がりを活かし、今後も宮崎のさらなる発展に貢献していきたいと考えます。
まさき:
今回の企画を通じて、観光とは何か、という問いの答えについて自分なりに深く考えることができました。観光とはすでにある名所な名産物を観光客がひとりよがりに楽しむというものではなく、観光客はその地域がどうなればよりよい発展ができるかの意見を出し、それをもとに地域住民も行動し、発展させるという外との繋がりによって、地域の利益を追求することなのだと思いました。これからは、宮崎の人柄や自然の良さを残しながら、交通の便など改善すると便利なところは変化していくといいなと思いました。
100年後のミライ
今回のツアーは当初、企画者と参加者の双方に価値ある観光の形を目指し企画しましたが、下の図のようにお店の人も加わった三角関係という予想していなかったコミュニケーションが生まれました。このような観光の中の小さなコミュニティ形成が宮崎への観光をリピートしてもらえるきっかけになったり、それぞれが宮崎に愛着を持つことにつながると思います。
今回ツアーを行ってみて体感した宮崎人の温かさやおおらかさが100年後も残っていてほしいと思いました。そして、観光客がそのような宮崎人の人柄に触れながら、市民と観光客双方からのコミュニケーションが生まれる観光が日常的に行われている宮崎市になってほしいです。
しかし、旅行者の減少や地域の担い手不足、自己完結になりやすい観光の形により、コミュニケーションが生まれるような観光を行うのは難しいのではないかと考えられます。
そのため、まず農業体験、焼酎造り体験、チキン南蛮食べ比べなど、宮崎ならではかつ観光客と市民のコミュニケーションが生まれる観光コンテンツが必要になります。
それに加えて、近い将来に観光客が観光したい地域の住民等と話せる観光マッチングサイトがあれば、観光客と地域住民等のきっかけづくりの場をつくり、双方が納得できる観光商品が作れるのではないかと考えました。
さらに、マッチングサイトの中に、地域住民は自分のおすすめの場所や好きな場所、面白かったことなどを、そして観光客は宮崎市に行ってみて楽しかったことや印象に残っていることなど思い出などを書き込むことができ、日々情報がアップデートされていく掲示板のようなサイトを作ることで、宮崎に親しみを感じてくれる人が増えると期待できます。