現実とは。
現実の対義語を追ってみる。
僕の子供の頃(昭和)では、
現実と理想であり、
次の世代では、
現実と夢であり、
さらに、
現実とネットであり、
今は、
現実と仮想である。
かつて、現実と対峙していたものは、現実に取り込まれ、発展するアウフヘーベンのように、新しい対立を生み出す。
本当の現実は自と他の境界にしかない。
メディアは人をまずスポイルする。文字も、新聞も、ラジオも、テレビも、ゲームも、ネットも、SNSも、VRも、ARも、まず人を魅了して取り込んでしまう。しかし、その度ごとに、人はそれを己のものとして取り込んで、新しい現実に向かって行く。
メディアはまず人をスポイルする罪を犯すが、人はそれを乗り越えることで、新しい現実を手に入れる。そうやってメディアは人の現実を高めて行く。そして、振り返ってみれば、長い年月のスポイルとその乗り越えは、人に新しく高い現実を与え続けたのだ。