極から極へ。

僕のしている仕事というのは。
ある極から、正反対の極へ、
運河を掘っているようなものである。

ほとんどは暗い地底の中で、
日々を過ごす。孤独に。

それは数年のつもりが、
十年になり、十年を超える。

こんな長いトンネルを掘るのは、
僕一人で十分である。

次から来る人は、もっと短く、
通り抜けることができるように整備し、

知識を広める。思えば先達たちも、
そうやって隘路を掘っていてくれていたのだ。

それはそこを通ろうとするものに意味を持つ。

それが学問であり、芸術であり、
あらゆる分野の積み上げというものである。

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