これからのAIの研究、ゲームのために

ゲーム制作の場合、キャラクターと環境とのインタラクションは、主にユーザーキャラクターを中心に構成される。ノンキャラクタープレイヤーは、最低限のインタラクションへ収束する。環境内のシミュレーションも環境とのインタラクションも、ユーザーエクスペリエンスに反映する部分に限られる。

もうお化け屋敷的なAIは通用しないが、それでもキャラクターの生態も生活もシミュレーションされることはない。それがメインなゲームでない限り。しかしその姿勢がだんだんとゲーム開発を苦しめている。

未来に先回りしたAIの仕事としては、環境とキャラクターを真剣に擦り合わせ、街や森のキャラクターとモンスターの生態と生活を真面目にシミュレーションする方向の研究を進めることだ。さぼらない、ごまかさない。そうすれば研究テーマは山ほどある。

ゲームごとにどこをさぼって、どこをしっかりやるか、みたいな付け刃を作ること自体が、高い開発負荷になっているのであるから、全方位的なシミュレーション技術が母体にあり、そこから取捨選択、アレンジできることが必要なのだ。

これはちょうどグラフィクスのオフラインレンダリングに対応する。負荷は高くてもいい。そこから低負荷のリアルタイムにすることを考えればいい。

グラフィクスだっていきなりリアルタイムレンダリングだけの範囲で研究していては、広がりがない。まず正当な母体となるレンダリング一般の研究が必要なように、

キャラクターと環境を一般的にシミュレーションする研究がこれからのキャラクター製作の母体に必要なのだ。

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