脱出ゲームと人工知能。

「チェス、将棋、囲碁、人狼と来て、次のAIはどこにフォーカスするんですかね、三宅さん」
「脱出ゲームだよ」
「は?」
「脱出ゲームを自動的に解くAIだよ!」
「さすがにそれは無理なんじゃ。。。」
「最初はどのゲームでも無理だと言われた!」
「はあ。つまり、それはロボットですよね」
「そうだ。脱出ゲームなんだから、クッションとか、ツボとか、ひっくり返してヒントを集めるんだ」
「無理でしょ」
「なんでだ?」
「だって、脱出ゲームって、人とコミュニケーションを取らなくちゃならないじゃないですか」
「そういうのは、人狼知能が鍛えてくれるよ」
「なるほど。できる気がして来ました」
「でも、無理なんだよ」
「は?」
「脱出ゲームの問題というのは、人工知能にな解けないんだよ」
「なんで?」
「パズルとか数式とかな、そういうのは解けるさ。でも、ほとんどの脱出ゲームの問題は、それがどんな問題かに気付くという種類の問題なんだ。つまりメタ問題だな。」
「メタ問題は、人工知能には解けないのですか?」
「ああ。なぜなら、それはその問題のフレームを探し当てる逆問題だからだ。人工知能はフレームを与えられて機能するので、それがない状態からフレームを逆に探し当てるのは、一番苦手なことだ。」
「ディープラーニングとかは?」
「あれも、暗にフレームを人間が想定している」
「無理なんですか?」
「脱出ゲームの人工知能って、そもそも誰が注文するんだい?」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?