感覚と行動をつないで一つの環となす。
人生には二つの罠がある。
一つはすべてを知っていると、思うこと。つまり、知っていることが完全に正しく他にはないと思うこと。これは自分を安心させると同時に、狭い世界に閉じ込める。
もう一つは、今自分ができていることがすべてだと思うこと。行っていることが正しく、それ以上はないと思うこと。これは自分を安心させると同時に、狭い世界に閉じ込める。
感覚と行動の環を形成することは、生き物の性質である。
その環の生成すること、そして、それをより高めて、或いは、深めて行くことが、高度な知性の証拠である。
しかし、この二つの罠が、年齢を経るほど人を閉じ込める。
限界を語るのが、経験と老いの常である。
なおもて、それと突破せんとする愚かさこそが、
最高の知性である。