デジタルゲームの二つの進化軸

デジタルゲームには、二つの進化の方向がある。

一つは巨大化である。現在、アメリカやFPSで進行しているのは、ハリウッド的な巨大でリアルなコンテンツである。オープンワールドの流れもこの中にある。

もう一つはプロシージャル化である。巨大なポリゴンの森が出来たとしても、その葉の形状は何一つ変化しないのが、単なる巨大化である。プロシージャルとは、これまで固定されていたコンテンツが、変化するコンテンツになることである。

自律的に成長する樹木、変化し陥没する地形、形状を変える雲、そして、学習するAI。これまで変化しないコンテンツであったものが、変化・発展するようなものへと移すことが、実は巨大化に対するもう一つのデジタルゲームの進化の軸である。

巨大化と、プロシージャル化は、直交する概念であり、
小型でもプロシージャルによってゲームは進化し、
巨大かつプロシージャルはすざまじいプロセッシング・パワーを必要とする。

これまで、あたりまえだと思っていたデータに躍動が与えられること、
運動が与えられること、それらが既に固定されたものでなくなっているところに、
もう一つの進化の軸があることを知るとき、

単なる巨大化では勝てない米以外のゲーム会社にも勝機がある。

二つの軸のかけ算をせよ。単なる巨大化はコンテンツに空洞化をもたらす。中身を詰めるためには、プロシージャル化が必要だ。

とすれば、自ずからわかるだろう。デジタルゲーム、及び仮想世界におけるキャラクターの学習の困難さは、キャラクターそのものではなく、環境の強さの欠落によるものだ。環境が張りぼての世界で学習は不可能時である。

つまり環境に対するプロシージャル化は、キャラクターの学習能力も密接に結びつく。

環境とキャラクターの強いインタラクションこそが、キャラクターに学習をもたらす。




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