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もういいじゃないか、母との関係

なんでか、私と母は昔から気が合わなかった。

それをはっきりと感じるようになったのは、
私が高校生になった頃だった。

入りたかった部活について母に相談した時、
母は首を横に振りながら、
「頼むから勉強をしてくれませんか。」と
私に言ってきた。

確かにその当時の私は
まともに勉強をしていなかったから
母がそう言うのも無理はなかったけど。

でも我が家では昔から、
母の無言の首振りほど冷酷で恐怖を感じることってなかったと思う。

これは兄弟共通の母に対しての印象なのだけど、
母が「NO」のサインを出すときは必ず
目を閉じて、無言で首を横に振ってきた。

私が部活の相談をした時は
無言ではなかったけれど、
同じような恐怖を感じたのを今でも忘れられないほどだ。

そうして私は高校生活で趣味を勉強に切り替えた。

成績が上がった代わりに、
あの時自分の意思を突き通さなかった代償なのか、
やりたいことに集中して突き進むことができなくなってしまった。

20代になると、私は目的もなく実家を出たほど母が怖かった。

20代の頃の私はやりたいこともなく、生きる気力もなく、
でも、それでも目標としていたのは
「何者かになる」ことだった。

母に認められる、「何者かに」。

30代で結婚した後は自分の生活環境も変わったりして、
母とのわだかまりも溶けて、
母と過ごす時間も以前より増えてきた。

そして妊娠、出産を経験した私は、
母への感謝の気持ちしか持たなくなった。

怖かった母も70代になり、もちろん孫をとても可愛がってくれている。
そしてたまにメールもくれる。

長かった母への苦手意識も、過去の母との色々な出来事への執着も
今では自分の中で解消されている。

夫や子供が助けてくれているのかも知れない。

今では、
母との楽しい時間も、苦しかった時間も全部が私の人生を作ってくれていて、そして大切な出来事だったなと思えるようになった。

まだまだ様々なことが起きるのだろうけど・・・。

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