ウェビナーを5回やっても受注が1件も取れなかった宮津が、200社に選ばれるウェビナー支援会社を築いた方法
「ウェビナーを開催した最初の5回、売上はゼロでした。」
ウェビナーという手法を信じ、すべてを懸けた私が迎えた苦しい現実。
それでも諦めずに続けた結果、今では200社以上の企業に利用されるサービスを提供できるようになりました。この記事では、学生時代に始めた小さな挑戦が、どうやって「セミナーBPO」という形にまとまり、たくさんの企業に成果を届けられるようになったのか、その道のりをお話しします。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ最後まで読んでみてください。
月10万円の売上がメール1本で0円に
関西大学の理工学部に通いはじめた頃、私はお金を稼ぎたいという強い思いから、アフィリエイトに取り組み始めました。授業の合間やアルバイト終わりに深夜までパソコンに向かい、商品を選び、記事を執筆し、試行錯誤を繰り返す日々が続いていました。
単価が高いという理由だけで、自分があまり興味を持てない商品を勧める記事を書き続けるのは、想像以上に大変でした。最初はなんとか取り組んでいたものの、次第に手が止まるようになり、記事作成が思うように進まなくなっていきました。
そんな中、ASP(広告主とメディア運営者を仲介するサービス提供会社)から特別単価をいただいた商材が「クレンジング」でした。でも、男性の私にとってクレンジングは使ったこともなく馴染みのない商品で、その魅力を伝えるのに苦戦する毎日。何を書けば読者に響くのか悩み続け、行き詰まることも多かったです。
だから、専門知識を持つライターに執筆を依頼することにしました。そこで、日本化粧品検定のコスメコンシェルジュの資格を持つライターに記事の執筆をお願いしました。専門家ならではの視点で書かれた記事は、読者にも響きやすく、自分では伝えきれなかった魅力をしっかり伝えることができました。
しかし、ただの大学生だった私は、他人に仕事をお願いする経験が全くなかったため、外注先との連携やマネジメントには想像以上に苦労しました。指示が曖昧だったせいで、依頼した仕事がイメージ通りに仕上がらないことが頻繁にありました。専門家であるライターにお願いした分、単価が高く期待も大きかったのですが、「え、全然意図と違う記事になってる…」と感じることもありました。そのたびに何度も修正依頼を出し、ようやく納得のいく記事が完成することも多く、コミュニケーションにかかる手間やコストの大きさを痛感しました。
マネジメントに関する本を何冊も読み、その学びを実践に取り入れることで、少しずつ外注先とのやり取りがスムーズになっていきました。特に「アルバイトだけでもまわるチームをつくろう」という本は穴が開くほど読み返しました。そこからは試行錯誤の連続でしたが、改善を重ねる中で外注先との信頼関係も築けるようになり、最終的には2〜3人の外注スタッフが継続的に稼働してくれる体制を整えることができました。
アフィリエイトを始めて2年が経ち、「DUO」というクレンジング商品のおかげで、ようやく月10万円の収入を得られるようになりました。1件あたり5,000円の報酬を得ていたので、毎月20件ほど安定して売れており、「やっと1つの商品が安定して売れるようになった」と少し安心していました。
しかし、その矢先に最大の収益源だったDUOの広告が突如ストップされるという想定外の事態が発生しました。「明日から広告が停止します」というメールを見た瞬間、血の気が引く思いでした。
2年間かけて積み上げてきた成果が一瞬でゼロになり、サイトの売上も私の収入もほぼ0円に。それまでの努力が無意味になったように感じ、茫然としました。「またゼロからやり直さないといけないのか…」という絶望感とともに、広告収入は自分でコントロールできないというリスクの大きさを痛感しました。安定した収益を得るには、自分の商材が必要だと、このとき強く感じました。
品質の高い商品を作っても売れない
広告収益に頼らず、自分の商材を作ろうと意気込んでいた頃、同じ大学の学科にいた友人の姿に大きな刺激を受けました。その友人は、かつて彼自身が悩んでいた「コミュ障を克服した経験」をプログラム化し、オンライン研修として販売していたのです。
驚いたのは、大学生でありながら毎月20万円という安定した収入を得ていたこと。まさに自分が目指していた形でした。
「どうやってコンテンツを作るのか?」と友人に相談すると、親身になって教えてくれました。ポイントは、自分が夜も眠れないほど悩み、苦しみ、そして乗り越えた経験をコンテンツ化することだというのです。その経験は、過去の自分が「顧客のペルソナ」になるため、自然と顧客に寄り添った対応や営業ができるというものでした。
そこで、自分の経験を改めて振り返ると、外注マネジメントに苦労しながらも、最終的には2~3人が継続して稼働する体制を作り上げたことが浮かび上がりました。この経験は、外注や業務委託のマネジメントに悩む法人や個人事業主に役立つはずだと確信しました。
大学生というキャリアの浅さに不安もありましたが、「自分の知見が誰かの助けになる」と信じて、外注マネジメント研修の制作に踏み切ることを決意しました。
コンテンツの制作は、これまでの自分の経験をプログラムに落とし込むだけだったため、大きな困難は感じませんでした。むしろ、自分が悩みを克服してきたプロセスを整理し、誰にでもわかりやすく伝えられる形にすることは、やりがいを感じる作業でした。アフィリエイトの時は単価が高いという理由だけで興味のないクレンジングを扱っていたため苦痛も多かったのですが、今回は自分自身の経験がベースになっており、資料作成やスクリプトの工夫にも楽しさを見出していました。そして2ヶ月ほどで単価40万円の研修が完成しました。
しかし、いざ完成した研修を「売る」段階に進むと、まったく新しい課題に直面しました。アフィリエイトでは、SEOで上位表示さえできれば売上につながることが多かったのですが、外注や業務委託のマネジメント研修は検索ボリュームが非常に少なく、上位表示したところでニーズを持つ人がほとんどいないことがわかりました。この発見は大きな衝撃でしたが、研修を誰かに知ってもらわなければ意味がないため、別の方法を模索する必要がありました。
新規開拓営業に大苦戦
広告出稿
まずはサービスのランディングページ(LP)を作成し、Google広告を利用することにしました。幸い、Google広告では「3万円出稿すると次の3万円が無料になる」というキャンペーンがあったため、実質6万円分の広告を出稿できる条件でした。広告にはすべてで6万円を使いましたが、無料体験への申し込みはゼロ。期待していた反応が全くなく、「何が悪かったのか」と途方に暮れました。
次に、ホワイトペーパーを作成し、それをダウンロードしてもらう形でリードを獲得することにしました。Facebook広告を活用し、ターゲットを絞り込んで出稿。5万円の広告費をかけた結果、13件のリードを獲得することができました。
しかし、その13件に送ったメールの返信はわずか1件だけでした。その1件も同業他社からの連絡で、具体的な成果にはつながらず、単なる情報交換で終わってしまいました。ただ、その情報交換の中で「営業にビジネスマッチングアプリを活用するのが良いよ!」というアドバイスをいただきました。
ビジネスマッチングアプリ
その助言をもとに、「yenta」や「COLABO」というビジネスマッチングアプリを使ってみることにしました。このアプリでは、マッチングした相手とオンライン商談ができるため、自社サービスを売り込む場として期待していました。しかし、実際に試してみると、マッチング相手の多くが情報交換を目的としており、自社サービスに興味を持つ人はほとんどいませんでした。その中で営業代行会社の社長とマッチングしました。
営業代行会社
その会社はラフメーカーという会社で、「年間30万円で月4件、ターゲットとなる決裁者を紹介する」BEST SHIPというサービスを提供していました。その魅力的な提案に惹かれ、月4件の商談が設定されるという期待を胸に契約しました。しかし、実際の仕組みは、約1,000社の会員同士をマッチングし、お互いに営業し合うというもので、直接的な営業活動を代行してもらえるわけではありませんでした。結果的に1年間サービスを利用したものの、期待した成果は得られず、最終的に赤字で終わってしまいました。
※確かに会員の中には相性の良い企業もあったかもしれませんが、私の提供するサービスとは相性が良くなかったのだと思います。また、私自身の営業力にも課題があったと感じています。
成果報酬制の営業代行会社
ラフメーカーを利用し始めて1ヶ月ほど経った時点で、新規顧客を獲得できないことに強い危機感を覚えました。そこで、コストを抑えられる成果報酬型の営業代行会社を探すことにしました。その中で目に留まったのが、コミットメント株式会社が提供する「シグマ」という営業代行サービスでした。「月2社限定で完全成果報酬制、クロージングまで代行可能」という内容に惹かれ、商談を受けることにしました。
ただし、契約には30万円のデポジットが必要で、営業が成功すればその報酬がデポジットから差し引かれる仕組みでした。商談設定が苦手な私は、営業のプロがクロージングまで代行してくれる点に魅力を感じ、思い切って契約しました。
契約後、営業代行をスムーズに進めるために商材の説明や当時使用していたトークスクリプトなど、必要な資料をすべて共有しました。しかし、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と時間が経っても連絡はなく、不安が募りました。「これ、もしかして詐欺?」という疑念が頭をよぎり、営業代行会社に問い合わせると、「営業マンをまだ探している」という回答が返ってきました。
結局、3ヶ月が過ぎても営業マンは見つからず、その後も半年間同じ状況が続きました。営業は一度も開始されないまま、30万円を支払っただけで終わりました。返金を求めたところ、返金可能とのことで依頼しましたが、戻ってきたのは10万円だけ。「残りの20万円は準備に必要だった」との説明があり、契約書にも記載されていたため納得するしかありませんでした。
とはいえ、営業マンが見つからないという理由で半年も何も進まなかったのは、事実上の詐欺ではないかと感じました。
次に見つけたのは、営業部隊がアポを獲得してくれる成果報酬型の「YZ」というサービスでした。このサービスでは、事前に準備費用として13万円が必要でしたが、「テレアポを活用した積極的なアウトバウンド営業を行う」という説明に期待を込めて依頼することにしました。
実際、この会社は1ヶ月で300件のテレアポを行ってくれましたが、結果としてアポにつながったのはわずか2件。その2件も決裁者ではなく、商談に進むことはできませんでした。その後も進捗報告は定期的にありましたが、結果が出ない理由ばかりが続き、明確な成果を感じられませんでした。最終的に、改善の見込みがないと判断し、こちらからフェードアウトする形で契約を終えることにしました。
交流会などにも参加
交流会やBNIへの参加も試しましたが、大勢の人が集まる場が苦手な私には向いておらず、成果を出すどころか、むしろ苦痛を感じるだけでした。さらに、FacebookやLinkedInを使って決裁者に直接DMを送る方法にも挑戦しましたが、多くの場合スパム扱いされてしまい、期待した結果にはつながりませんでした。
「どうやったらこの商品って売れるの?」毎日こればかり考えていました。でも答えは見つかりませんでした。
四半期で商談設定数が3倍に!?
苦しい状況が続く中で、私は急成長を遂げていた「識学」に注目しました。サービス内容やターゲットは異なるものの、その売り方やマーケティング手法には学ぶべき点が多いと感じ、識学をベンチマーク先として徹底的に研究することに決めました。
調査を進める中で、「識学が4年で上場したマーケティング戦略」を公開するウェビナーが開催されることを知り、迷わず参加しました。このウェビナーでは多くの戦略が紹介されましたが、特に印象的だったのは、識学がウェビナーを活用し、決裁者との商談設定数を四半期で3倍に伸ばしたという成功事例です。
この話を聞いたとき、まるで暗闇の中で光を見つけたような感覚を覚えました。それまでは、営業の場や商談に至るまでにどうやって信頼関係を築けばいいのか、答えが見つからずに模索していました。しかし、ウェビナーを活用すれば「信頼してくれた相手だけを商談につなげる」という効率的な方法が可能になることに気づき、大きな可能性を感じました。
ウェビナーを始めることを決意
新規顧客を獲得するため、ウェビナーに集中することを決めた私は、まず識学のウェビナー構成を参考にして、自社のメソッドを大幅に公開する形式のウェビナーを準備し始めました。しかし、準備を進める中で、集客、開催、さらに司会進行までを一人でこなすのは現実的に難しいと感じるようになり、これらを代行してくれるサービスを探すことにしました。
そんな中、Facebook広告で目に留まったのが「まるなげセミナー」というサービスでした。興味を持って資料をダウンロードすると、驚くほど迅速に電話がかかってきて、そのわずか10分後には商談が組まれるというスピーディな対応に驚かされました。このサービスは、集客から開催、司会進行までをすべて代行してくれるもので、私自身はコンテンツ制作に専念できる仕組みが整っていました。
まさに理想的なサポートであると感じ、その場で導入を決断しました。6回分のウェビナー開催代行を契約することになりました。
初めてのウェビナーに向けて、私は3ヶ月もの時間をかけて徹底的に準備しました。テーマ選定、構成の見直し、資料作成、そして台本のブラッシュアップを何度も繰り返し、「これ以上はできない」と思えるレベルまで仕上げました。当日はプロの司会者がサポートしてくれたおかげで、参加者とインタラクティブにやり取りしながら進行することができました。初回は14名が参加し、アンケート結果では高評価を得ることができ、参加者からのコメントからも満足度の高さを実感しました。
ウェビナーを5回やっても1件も受注が取れなかった
しかし、ウェビナー終了後の結果は衝撃的でした。無料体験への申し込みはゼロ。自信を持って臨んだだけに、「これだけ準備したのに、なぜ?」と頭が真っ白になり、途方に暮れるばかりでした。それでも立ち止まるわけにはいかないと思い、1ヶ月かけてコンテンツを修正し、2回目のウェビナーに挑戦することにしました。
2回目は集客が増え、21名の参加者を迎えました。アンケート結果でも引き続き高い満足度を得られ、「今回はいけるかもしれない」と期待が膨らみました。そしてついに1件の無料体験申し込みが入りました。その瞬間、ようやく長いトンネルの出口が見えたような気がし、「これが転機になる」と信じて、全力で無料体験の準備を進めました。相手の悩みに寄り添い、有料級の内容を盛り込んだ3時間以上のコンサル形式のセッションを用意しました。
無料体験当日、悩みを解消するための具体的な方法を図解を交えてわかりやすく説明しました。先方の満足度も高く、手応えを感じて、「これなら契約につながるはず」と確信しました。しかし返ってきた言葉は、「悩みが解消できたので満足です。ありがとうございました。」という予想外の一言。驚きと戸惑いで言葉を失い、「なぜ満足しても契約につながらないのか?」と理解できませんでした。
それでも、無料体験への申し込みが得られたという事実を励みに、3回目、4回目、5回目のウェビナーに挑戦しました。しかし結果は厳しいもので、4回目でようやく1件のアポが取れただけで、他はゼロ。唯一取れたアポも「価値は感じるけれど緊急性がない」「30万円は高い」という理由で断られました。参加者には価値を伝えられている実感があったものの、それが契約には結びつかず、悔しさと挫折感で打ちのめされました。
6回のウェビナー開催にかかったコストは120万円。それに対して売上はゼロ。この状況に焦りと絶望が募り、胃が痛くて眠れない日々が続きました。目を覚ますたびに「次の1回で結果を出さなければ破産する」という現実に押しつぶされそうな気持ちで、心が折れそうでした。
普通なら、ここまで失敗が続けば撤退を考えるのが普通かもしれません。でも、私は少しずつ感覚を掴み始めている気がしていましたし、これまでに費やした時間とお金を考えると、諦めるという選択肢はどうしても取れませんでした。「ここでやめたら、全部が無駄になる」と感じてしまい、「ウェビナーで失った分はウェビナーで取り返す」という危険な執着心だけで動いていました。
それでも、心のどこかでは「このまま続けても同じ結果になるんじゃないか」という冷静な自分の声が聞こえていました。その声を無視しながらも、どうすれば結果を出せるのかを考え続けていました。
ウェビナーの研究を繰り返す日々
限界を感じた私は、一度立ち止まることを決めました。焦る気持ちを抑え、「どうすればウェビナーで受注につなげられるか?」をゼロから考え直す必要があると感じたからです。そのために、まず他社のウェビナーを徹底的に研究することにしました。具体的には、100本以上のウェビナーに参加し、講師の話し方、資料の見せ方、参加者を引きつける仕掛け、クロージングの方法などを細かく観察し、分析しました。
さらに、国内だけでは足りないと感じ、視野を海外にも広げました。そこで見つけたのが、海外のマーケティング会社が提供するプレゼンテーション研修でした。このプログラムでは、講演会、ビジネスサミット、カンファレンスなどの舞台で1対多数に向けて効率的にセールスを行う方法が学べるというもので、その内容に強く惹かれました。資金的には厳しい状況でしたが、これが最後のチャンスだと思い、渡航費や受講料をなんとか工面してアメリカまで足を運びました。
研修では、1対多数でセールスを行うためのプレゼンテーション技術を体系的に学ぶことができました。理論だけでなく、成功事例や具体的なテクニックも豊富に紹介され、自分がこれまでどこを間違えていたのかが少しずつ明確になっていきました。そこで得たメソッドを、リアルのカンファレンスではなくウェビナーに応用するために、試行錯誤を繰り返しながら6回目のウェビナーを準備しました。参加者が「これなら自分もできるかもしれない」と思えるような実践的な内容と、興味を引きつけるストーリーテリングを意識しました。また、学んだクロージング手法をウェビナーの最後に盛り込み、自然に次のステップに進んでもらえる流れを作りました。
6回目にしてようやく売上につながった
当日、ウェビナーには31名が参加しました。これまで学んだプレゼンテーションの技術を使いながら、参加者の関心を引きつけることに集中しました。特に、参加者が抱えている悩みに共感しながら、具体的な解決策を示すことを意識し、最後には私のサービスを提案しました。
その結果、ウェビナー終了後に3件の商談設定が決まりました。この結果を見て、これまでの努力が少しずつ形になってきたことにホッとしました。
商談では、1件目と2件目がそれぞれ2時間ほどのやり取りを経て受注に至りました。3件目は残念ながら受注にはつながりませんでしたが、それでも初めてウェビナーから2件の受注が取れたことは、自分にとって大きな進歩だと感じました。
今回の結果は、31名の参加者から3件のアポ、2件の受注。成約率は6.45%と高いとは言えませんが、ウェビナーを通じて「信頼してもらえる環境を作れる」という実感が得られたことが、一番の収穫でした。この感覚は、他の営業手法ではなかなか得られなかったもので、次に向けて頑張る力になりました。
この成功体験をきっかけに、まるなげセミナーを活用して7回目以降もウェビナーを継続的に開催しました。試行錯誤を重ねる中で、少しずつ受注数を増やしていくことができました。もちろん、回によって受注数にはばらつきがありましたが、平均すると成約率は11%程度を維持。ウェビナーの強みである「参加者に信頼感を持ってもらえる」という特徴を活かし、継続的に成果を出せるようになりました。
成功事例を掲載したらコンサル依頼が来た
これまでの試行錯誤を経て、まるなげセミナーから成功事例としてインタビューの依頼を受けました。
そして、この事例が掲載されると、事例を見た方から新たな依頼が舞い込みました。
1人目はコーチング事業を行なっている個人事業主の方でした。現状、Meta広告を活用して公式LINEへの登録を促し、ステップメールで教育した後に個別相談を設定し、受注につなげるという流れで集客していました。しかし、この方法では毎回長時間の個別相談が必要となるため、営業効率が課題でした。そこで、ウェビナーを活用して個別相談の手間を減らし、効率的に成果を上げたいという依頼でした。
2人目は組織マネジメント研修事業を行なっている法人の経営者でした。この方は、これまで紹介のみで新規開拓を行っていましたが、事業拡大に向けて新規顧客数をコントロールできないことが課題でした。ウェビナーを活用することで、効率的に新規顧客を獲得し、事業の成長を加速させたいとのご相談をいただきました。
とはいえ、弊社のウェビナー成約率が平均11%程度であることを正直に伝えた上で、コンサル契約を進めました。ここからが本格的な取り組みの始まりです。これまで暗黙知化していたウェビナー構成のノウハウを一般化し、可視化する作業を行いました。1on1の打ち合わせを重ね、3ヶ月をかけてお客様と共に細かく制作を進めていきました。
1回目のウェビナーでは、個人事業主のお客様が12名を集客し、1件の個別相談から1件受注。法人のお客様は31名を集客したものの個別相談はゼロでした。続く2回目では、個人事業主のお客様が15名集客し成果なし、法人のお客様は11名集客し同じく成果なし。これらの結果を受け、さらに構成やクロージングを改善しました。
3回目になると、個人事業主のお客様が11名集客し1件受注、法人のお客様が38名集客し4件の個別相談から4件受注を達成しました。4回目では、個人事業主のお客様が33名集客し6件の個別相談から6件受注、法人のお客様が12名集客し4件の個別相談から3件受注という成果を出すことができました。ここまでで、成約率は個人事業主のお客様が平均11%、法人のお客様が7.6%でした。
お客様はこの結果に満足してくれていましたが、私たちはさらに良い成果を目指して取り組みを続けました。その結果、5回目以降のウェビナーではインハウス化が進み、成約率は安定して18〜25%を維持できるようになりました。さらに、お客様自身が私たちの成約率を上回る成果を出せるようになったのです。この変化は、時間をかけて支援してきたことがしっかり成果につながった証だと思います。
短期間で成果が見える形でお客様に提供できたのは、自分でウェビナーを成功させたときと同じくらい嬉しい経験でした。これまでやってきた外注や業務委託のマネジメント研修もお客様には喜んでもらえていましたが、目に見える成果が短い期間で出るものではなかったんです。その点、ウェビナー支援はお客様に「役立てた!」と実感できることが多く、手ごたえがありました。そして、これは営業しなくても必要としてもらえる、ニーズのある仕事だと感じました。だからこそ、外注や業務委託マネジメント研修は一区切りつけて、ウェビナー支援に注力することを決めました。
サービス提供の形に限界を感じた
法人の社長は、ウェビナーによる成果に大変満足してくださり、周囲に話を広めてくれました。「こんなに成果を上げられるのは羨ましい」と同業他社から嫉妬されるほどだったそうです。この評判がきっかけで紹介が次々と増え、一気に8社との新規契約が成立。結果として、同時に10社以上のウェビナー支援を行うことになりました。
ウェビナー支援サービスを本格的に提供し始めた当初、私は1on1でお客様にメソッドをお伝えし、それに基づいて宿題としてウェビナー構成を作成していただく形を採用していました。次回のミーティングでは、その宿題に対するフィードバックを行い、また新たな宿題を設定する。このプロセスを繰り返しながら、ウェビナーを完成させていくという形式でした。
しかし、実際に運営してみると、さまざまな課題が浮き彫りになりました。1on1のミーティングで、多くのお客様が「検討違いな構成になっている」「通常業務が忙しくて取り組めていない」といった状況に直面。ウェビナー制作が全く進まないケースも多く、結果として私自身が手を動かして作成を代行することが頻繁にありました。このため、非常に多くの工数がかかる状態に陥りました。
こうした背景もあり、初回ウェビナーの完成までにかかる時間はバラバラでした。契約した8社のうち、1社は2ヶ月で完成したものの、2社は3ヶ月、4社は6ヶ月、さらに1社は8ヶ月もかかる結果に。私自身もクライアントワークに追われる日々となり、お客様も「通常業務の合間に考える時間がない」「ウェビナー制作に時間がかかりすぎる」「自社の商材にメソッドを仕込むのが難しい」など、次々と課題を抱えていました。
当初、紹介を受けた際には、「18〜25%の成約率を目指せるウェビナー制作を支援します」と自信を持ってお伝えしていました。しかし、実際にはウェビナーを完成させるまでの工数が膨大で、開催までに数ヶ月を要し、さらに集客や広告運用といった負担がお客様自身にのしかかる状態となっていました。この結果、当初お伝えした期待値と実際の体験の間にズレが生じているのではないか、と強い不安を感じるようになりました。
もし私が逆の立場なら、こうした状況に不満を感じていただろう、そんな思いが頭をよぎり、このままではいけないと決意しました。この課題を解消し、よりスムーズで負担の少ないサービス提供の形を模索し始めました。そして、たどり着いたのが「登壇以外はプロが代行する」というサービスです。
最終形態「セミナーBPO」の誕生
「お客様の商材をウェビナーでどう売るか」を弊社がすべて代行して考え、ウェビナー制作を行う形式を確立しました。登壇はお客様自身に行っていただくことで、より説得力と信頼感を高めつつ、それ以外の作業はプロが代行する形です。
サービス開始当初は、集客や運営も弊社内で行っていましたが、ウェビナー集客と開催運営はまるなげセミナー(株式会社インデンコンサルティング)と業務提携を実施しました。これにより、各分野の専門家と連携して高品質なサービスを提供できるようになりました。
弊社自身は特にリブランディングや構成設計、受注に特化したウェビナー制作を得意としており、さらに知覚価値の高いデザインや、プレゼンテーションしやすい台本の制作に関してもプロを採用。3階層の品質管理体制を整えることで、常に高いサービス品質を維持しています。
また、サービス品質を確保するため、現状では月間10社までの限定対応とし、徹底的なサポートを行っています。これにより、単なるウェビナー運営代行ではなく、確実に受注に繋がるウェビナーをお客様と共に実現しています。
ウェビナー業界には、受注に特化したサービスがほとんどありません。そのため、業界の負を解消し、ウェビナーを通じてお客様が確実な成果を得られる仕組みを提供するために誕生したのが「セミナーBPO」です。
このサービスを提供する株式会社ENVYの社名は、初期のお客様が「同業他社から嫉妬された」というエピソードからインスピレーションを得ています。「お客様の競合他社から嫉妬されるほどの成果を提供する」。これが私たちの理念であり、活動の原動力です。