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【感想】ショック・オブ・ダリ ― サルバドール・ダリと日本の前衛/「写真の都」物語 ―名古屋写真運動史:1911-1972―【展覧会】


まずは名古屋市美術館で28日まで開催の『「写真の都」物語 ―名古屋写真運動史:1911-1972―』へ。

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ピクトリアリズム(絵画主義的写真)から始まる近代名古屋の写真表現の歴史。その一端を知ることができる写真展です。

新興写真から前衛写真へ。まだまだ時代的に絵画からの影響を受け(引きずり)、特にシュルレアリスムがもたらしたモノというのは、次に観に行った『ショック・オブ・ダリ』との関連性を考えると非常に面白かった。

というか、単純に「ダリってすげぇな」って(笑)

さてさて話を写真に戻すと、ポスターやチケットなど、キービジュアルに使われている東松 照明(とうまつ しょうめい)さん、知ってます?

写真家の名前です。ストロボや照明関連の会社名じゃなくってよ(笑)

写真をやっている人間にとっては常識のビッグネームである土門拳や木村伊兵衛、、、奈良原一高や細江英公、そして森山大道、、、などなど連綿と続く写真界の大きなピースの一つである東松照明は名古屋出身。大事なことは二回書くけど、名古屋出身なんです。ナゴヤ、すげぇ。

10年前くらいに亡くなられたのですが、沖縄、広島、長崎、、、様々な日本の姿を遺してくれた、名古屋が生んだ偉大なる写真家です。

知らない方は是非ぜひ、検索してみて下さい。


さてお次は、三重県立美術館で同じく28日まで開催の『ショック・オブ・ダリ ― サルバドール・ダリと日本の前衛』へ。

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絵画の世界への影響は当然のこと、前述通り写真界へも分かりやすく影響を与えていたダリ。絵画のことをよく知らなくても、ダリやダリの絵画は知っているでしょう。

時代とともに様々な技法や手法をこなしていて、どれもこれも上手い。若き日から充分に上手いんだけど、それに加えて圧倒的な量・数を描いている。

イチローもそうなんでしょうけど、努力できる才能の持ち主には誰も勝ち目がない(笑)

絵画に関しては学校の授業くらいしかやっていないので多くは語ることは出来ないけど、凡人の僕も高校の美術の授業では凡人らしく「ダリって面白れぇ!」って感じの軽いノリで模写したような。

たぶん、、、時計がうねってるだけの、砂漠から何かニョキっと生えただけの、小さな人だか何だか分からないナニカが立っているだけの、何か「それっぽい」絵になっただけのような記憶です。

もちろん、人のマネが悪い訳じゃなくて、一度は誰かのマネしなきゃならないし、絵画も写真も模写は通らなきゃならない道だと思ってます。

しかし、圧倒的な量・数をこなした力がなければ何の説得力も生まれない。これは写真にもモチロン通ずる部分。

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レタッチやフィルタで上っ面を華美に整えただけの写真って、所詮、ただそれだけのモノ。やっぱり、「写真そのもの」を追っかけないとね。

追いかけるというのは、もうただただ撮るしかなくて、小手先の技術はもっと後、ずっと後。100万枚くらい撮った後でも遅くない。


そういえば、そのダリを撮った写真家が実は身近に居て繋がっているというスバラシイ奇跡。忘れたころに宣伝(笑)。拙著『ナゴヤ愛』にもご登場頂いた土井弘介さん。

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ドアップでバリっとカメラ目線で決めたある意味で見慣れたダリではなく、あまり見たことのないちょっと気の抜けた普段の姿のダリとガラ。これは明らかに写真家の腕と人柄。

上っ面の技術だけじゃこうはいかない。人柄だけでもこうはいかない。

こういった、写真に現れる被写体との関係性。ガラはちょっと嫌がってるけど(笑)。本当に素晴らしいと思うし、写真家としてこうありたいと思う。

そんなスバラシイ写真家も登場しているナゴヤ愛、買ってね!(ダイレクトマーケティング)


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