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わたしたちが正しい場所に 花はぜったい咲かない 春になっても
わたしたちが正しい場所に
花はぜったい咲かない
春になっても。
わたしたちが正しい場所は
踏みかためられて かたい
内庭みたいに。
でも、疑問と愛は
世界を掘り起こす
もぐらのように、鋤のように。
そしてささやき声がきこえる
廃墟となった家が かつてたっていた場所に。
ーイェフダ・アミハイ「わたしたちが正しい場所」
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この詩はイスラエルの作家アモス・オズの著書『わたしたちが正しい場所に花は咲かない』の冒頭で紹介される詩だ。イスラエルの極右勢力は自分たちの主張が絶対に正しいという独善的で、狂信的と言える主張を行っている。オズは下のようにも述べているが、現在ガザ地区南端ラファへの攻撃を主導するイスラエルの極右勢力について特に言い得るように思う。
「妥協が死ぬよりつらいとおもうのは狂信者だけだ。だから硬直した狂信思想にはつねに、いたるところで、死の匂いがつきまとっている。それに対して、妥協は本質的に生そのものである。……『汝、生を選ぶべし』。——アモス・オズ
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日本も戦前「わたしたちが正しい」と国の内外に訴え、破滅の道を歩んだ。アジアやアフリカを軍事力で蹂躙していった欧米帝国主義の振る舞いに日本も倣い、他国の領土を支配しようとした日本の主張に正当性はなく、「大東亜共栄圏」「八紘一宇」などのスローガンに訴え、その帝国主義的な政策、戦争を正当化していった。その結果、300万人の日本人が犠牲になり、国民は飢え、国土は荒廃した。日本の戦争で亡くなったアジア・太平洋地域の人々は2000万人に及ぶという見積もりもある。
「人道主義は正義を目的とする。正義は真の意味での平等、自由を欲し、不正義に対する真の審判である。」
これは日本の作家・長与善郎(1881~1961年)の言葉だが、正義から逸脱すれば、人道主義もまったく実現できない。民間人の多数の犠牲をもたらすイスラエルのガザ攻撃には正義も人道主義もないことは明らかだ。
アモス・オズは、現在の極右を含むネタニヤフ政権の構想にあるようなパレスチナ問題の一国家による解決を一貫して否定し、パレスチナ人との共存を訴え、宗教や民族性だけでなく、ヒューマンなユダヤ人の文化によって定義されるイスラエル国家の実現を望んだ。
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科学者のアインシュタインも、ユダヤ人を数千年にわたって結びつけてきたものは民主的な社会正義の考えであり、それは相互扶助と寛容の理念にも基づくものであると主張し、また異教の者たちに対して社会正義、相互扶助、寛容の姿勢で接するべきと1938年に述べている。
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イスラエルはオズやアインシュタインの考えに立って、ラファでの市民への不毛な攻撃や殺戮は断じて止めるべきだ。イスラエルの正しい場所にはイスラエルも含めて花は絶対に咲かないことは、イスラエルが繰り返し繰り返しガザを攻撃してきて、それでもテロが止まないことからも明らかだろう。
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