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宮田大樹
2022年8月29日 00:29
あるところに、“下手の横好き”という言葉が似合う、絵を描くことが大好きな女の子がいました。幼いころからところかまわず落書きをしては、母親に怒鳴られます。「またこんなところに落書きして!いいかげんにしなさい!」 それでも懲りずに絵を書き続けますが、絵がうまくなることはありませんでした。 そんな女の子も成長して、中学3年生になり、高校受験が迫っていました。しかし、女の子は勉強するどころか
2022年8月29日 00:27
ある夜、フランツ・カフカの『変身』を読み終えると、ベッドのなかで身を震わせているじぶんに気がついた。 連休の終わりのこの日、明日から仕事だと思うと気が滅入ってしまい、なかなか寝つけないでいた。そのとき、友人から感想を求められていた本があったことを思い出し、気晴らしに手に取ったのが、午後10時。今 時計の短針はわずかに右に傾いている。 『変身』は、販売員をしている青年がある朝突然、巨大な虫