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映画『ポライトソサエティ』はキングスマン、怒りのデスロード、バーフバリ級に売れないとおかしい

※トップ画像はGPTs/Master ACG (Anime, Comics/Manga, Game)の画像をPhotoshopで加工して作成

フォーラム仙台で見た。妻も見た。二人ともかなり好みで満足だった。そのせいもあって評価が上振れしているのかもしれない(誰かと映画を見に行って二人とも満足できた体験は何物にも代えがたい)。とはいえ、

こんなに面白い映画、少なくとも『キングスマン』(2014)、『マッドマックス 怒りのデスロード』(2015)、『バーフバリ 王の凱旋』(2017)級の話題にならなければおかしい。


英米でも評論家の評価は得たものの興行収入は振るわなかったということで、「えー! もう自分の感覚何も信じられん!」という気持ちになっている。

wikipedia『ポライト・ソサエティ』20240901

みんな見てほしい。

あらすじ

スタントウーマンを志し、ユーニス・ハサートにあこがれるパキスタン系イギリス人のリア・カーン(プリヤ・カンサラ)。美術大学を休学中の姉リーナ(リトゥ・アリヤ)にアクションを撮影してもらい、ユーニスに映像を送る日々だ。そんなある日、姉の元に見合いの話が!周囲からの評判も上々な32歳の研究医サリム・シャー(アクシャイ・カンナ)に姉が娶られ夢を奪われてしまう…と焦ったユーニスは結婚を阻止する作戦行動に乗り出す

タイトでばかばかしくてサービス満点


本作は5章構成で、上映時間は104分。つまり、めちゃくちゃ展開が早い! 3章まではスラップスティックコメディなのか……と思わせておいて4章からは怒涛のアクションで盛り上がる(なんと3章冒頭では浅川マキの『ちっちゃな時から』が流れる)。

フェミニズム的なメッセージが込められた映画なのかと思いきや、思った以上にばかばかしく、それがやりたかっただけやろ的な展開も含めて、タランティーノっぽさも感じる。

主人公がバカでモラルがなく、いかれた陰謀論者のようにサリムを追い詰めようとするのだが、そこで主人公を行儀のいい枠に押し込めないのはライオットガール的なフェミニズムの思想的背景もあるのかもしれない(とはいえよく知らないのでわからんけど)。

でも、やっぱりこの世界は狂っていて、一見正しそうなしきたりや幸せなんて、実は全部人間を型にはめて家畜化するための陰謀かもしれないのだ。信じられるのは好きなもの、そして自らの心技体だけだ!

という思想に裏打ちされているような気がして、本作はとてもやさしい映画のように思える(俺は狂人や落伍者にやさしい作品を常に求めている)。

とまあ、小難しく考えずともイギリスとヒンドゥの文化が両方盛り込まれた衣装は(心の)目にとってスーパーフード並みの栄養が詰まっているし、それらを身に着けての外連味たっぷりのアクションはアドレナリン全開にさせてくる。

まじで『キングスマン』とか好きだった人には全力でお勧めできる。ニダ・マンズール監督、懲りずに今後も頑張ってくれよ!


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