自分史上最高傑作!
こんにちは、ゆーきです。
今日は前回のサッカーのコーチ繋がりで、何年か前に卒業文集の原稿を依頼された際に提供した文章が自分史上最高のできの文章になったので、なくなってしまわないように載せておきたいと思います。
ちなみにですが、内容に出てくる「1万時間の法則」は、初の民間人校長として話題になった藤原一博さんのお話を、西野さんが解説していたことを後から思い出しました。そんな粗さもある史上最高傑作ですが、暖かく読んでいただければ幸いです。
藤原一博さんの本も面白かったなー面白かった本についてもいつか書きたいですね…書きたいことがどんどん出てくるのが困るところです。
贅沢な悩みですね。
それでは、どうぞ!
1.数字で見る、君たちの可能性論~卒業に寄せて~
まずはご卒業、おめでとうございます。毎年この季節になると、卒業生の姿を見ながら、「君たちにどれだけのものを残せたのかなぁ、伝えられたのかなぁ」と自問する1ヶ月を過ごすことになります。今年もそれは同じです。まだまだ残せるもの、伝えられること、あったんじゃないかと、例年通り、考えてしまいます。
と、まぁここで嘆いていても仕方がないので、先日、お笑い芸人のキングコング西野さんが主催するイベントに参加してきましたが、そこで出てきた「これからの時代に役に立つ、価値と信用の話」が面白かったので、共有したいと思います。
突然ですが、みんなはどれくらいの時間を小学校のサッカーに費やしてきたか、知っていますか?多分急に聞かれて答えられる人はいないと思うので、ざっくりと計算してみましょう。1回の練習や試合の時間はバラバラなので、1日3時間としましょう。そして、1ヶ月に8回練習があるとすると、1ヶ月で3×8=24時間となります。これを1年にするには24時間×12ヶ月=288時間、これを小学校6年間にすると、288時間×6年間=1,728時間となります。ちなみに、1日5時間として学校での勉強時間を同じように計算してみると、約7,200時間になります。(よくわからない人は、保護者の方と一緒に考えてみてくださいね)この数字を覚えておいてください。
さて、キングコングの西野さん曰く、「1万時間かければ、誰でも100人に一人になれる」んだそうです。ちなみに、僕がサッカーにかけてきた時間(ウイングスのコーチも含め)をざっくり計算すると、多分1万時間くらい。100人に一人に入れるみたいです。やったね。
さてさて、今度は「100人に一人」を考えてみましょう。言葉を聞くと、なんだかすごそうな気がしますよね。でも、日本の人口をもとに100人に一人を考えると、1億2千万人÷100をすればよいので、なんと120万人もいるんです、日本だけでも。あんまりすごくなさそうに聞こえてきましたね。笑
ここで西野さんは、「A(ここではサッカーとすると)を1万時間やって100人に一人になった後、全然違うBを1万時間やって、ここでまた100人に一人になると、1万人に一人になる。そうすると食っていける。大事なのはAとBを全く違うことにすることだ」と言うんです。西野さんにとってのAは「お笑い芸人」、Bは「作家」だそうです。うーん、確かに1万人に一人なら、日本に1万2千人しかいないのか、だいぶレアな気がしてきました。というわけで、今自分の持っている価値を計算してみよう。僕にとってAはサッカーだけど、C級ライセンスをこの間取ったから、もう少し価値はありそう。C級以上のライセンスを持っている人って全国に3万5千人しかいないんですね。これ、すでに1万分の3の数字。さらに、仕事に関して言えば、「宅地建物取引士」という資格を持っています。この資格を持っている人が約100万人だそうで、これが日本の人口の大体100人に一人くらいかな。つまり「サッカーを教えられる宅建士」としてなら100万人に3人なので、食っていけるらしい。やってみようかな、流行るかな。
僕は別にみんなに「1万時間を頑張って100人に一人になれ」なんて言うつもりはありません。みんなにサッカーを通じて何度も伝えましたが、みんながどうなろうが、僕には関係がないからです。正確に言うなら、何とかできるならしてあげたいけど、それはできないからです。死ぬまで横でサポートしてあげることはできないし、ましてや人生を代わりに生きてあげることは絶対にできません。だとしたら、僕がみんなに対して示す必要のある優しさは何か。それは丁寧に優しく教えてあげることじゃない。生きていくのに必要な強さを身に付けさせることなんじゃないか、そのためには突き放すことが必要なんじゃないか。そんなことを考えてきました。伝わっているかはわかりませんが。
さて、最後にもう一つだけ時間の問題を。みんなに「ある」時間はどれくらいなんでしょうか、ということ。おそらく大学くらいまでは保護者の方が面倒を見てくれるんじゃないかと勝手に仮定します。そうすると、中学高校大学を合わせて、10年間はあります。これを時間に直すと、86,400時間になります。ただ、寝ない、ご飯食べない、お風呂入らない、学校行かない、というわけにいかないので、毎日19時に家に帰り、20時~23時までの3時間を自由に使える時間とすると、中・高・大で自由に使える時間は、10年間で10,800時間になるんです。ちょうど100人に一人になれる時間です。この自由時間、約1万時間を使い切ると、みんなは社会に出て、働かなくてはいけない歳になるんです。
この話を聞いてどう思うか、何をするかは、君達次第。これからの10年、1万時間を捧げて、社会に出る前に「食える特技」を1つ作る。そんなことを求めるのではありません。
でも、してほしいことが一つだけある。それは、自分のやりたいこと、楽しいことを見つけてほしいということ、それに対して自分の時間を捧げて一所懸命取り組んで欲しい、ということです。これからの10年間で、大好きになって一所懸命取り組んだ経験は、将来「1万時間をかけて100人に一人になる」を何度も経験して自分の価値を高めていく過程で、必ず糧になります。ウイングスでサッカーを教えてきたコーチの立場としては、その経験をサッカーでしたいな、と、今思っていてくれると非常に嬉しいですが、そこは何でも良いと思います。正解はないので、自分で選び、その道を正解にしてください。
僕は君たちより13年も長く生きていて、さっきの計算によれば1万時間以上の自由な時間を既に使ってしまいました。過ぎてしまった時間のことを言っていても仕方がないので、まだまだ自分の価値をあげられるように、これから来る時間を使って、やってみたいことにはとことん挑戦してみるつもりでいます。こんなメンタリティーになれたのも、これまでの25年間の時間の使い方の積み重ねだと実感しています。その中には当然、君達と出逢ったこの1年間も含まれています。ありがとう。
君たちにはまだまだ無限の可能性がある。それは君達に「ある」時間が保証してくれています。自分で限界を決めることなく、やりたいことには挑戦して、楽しく生きてほしい。そんな言葉を君達に送り、卒業のお祝いの言葉とさせていただきます。
ご卒業、おめでとうございます。
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