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映画

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作品単体の映画の感想あるいはまつわる何か
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#コラム

2020映画ベスト

配信含め230本弱から。見た順。順位なし。なぜか9本。 基準は「思い出すだけで私が満たされる」です。 今年は世情的に配信が増えてしまったけど、来年はどうなるだろうか。 ・『さよならテレビ』 ・『1917 命をかけた伝令』 ・『37セカンズ』 ・『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』 ・『スウィングキッズ』 ・『レ・ミゼラブル』 ・『はりぼて』 ・『行き止まりの世界に生まれて』 ・『おもかげ』 ★特別枠 ・『恋するけだもの』 ・『the believers ビリーバーズ』 こ

日々のこと0929 KYOTOGRAPHIE、恋する惑星

思い出すだけで幸せに満たされてフワフワ浮き足立ってしまう日が、またひとつ増えてしまった。はー嬉しい。 「KYOTOGRAPHIE 2020」と、映画『恋する惑星』の話をしますね。 ウォン・カーウァイの元専属スチールカメラマンで香港の写真家、ウィン・シャが「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」に出展している。日本での展示機会は多くないらしい。その名も「一光諸影」 One Lights,Different Reflections.  良いタイトル…(うっとり)。 京都で

日々のこと 0408 東京の映画館が閉館した日

とうとう東京じゅうの映画館が休館してしまった。やむを得ないこととはいえ、ありえん。信じられない。 先日書いた「ミニシアター、今どうしてますか?」という記事。 思いがけずたくさんの方に読まれ、広くシェアしていただいた。初めてやった「有料」記事もいまだ購入が途切れず続いている。私が一番ビックリしている。映画界の皆さま、映画ファン、劇場ファンの皆さま、本当にありがとうございます。 大きな媒体でもなくニュースサイトでもなく、個人のnoteに書いたこの記事は、本当にたくさんシェ

日々のこと 0103 『さよならテレビ』

楽しみにしていた正月映画『さよならテレビ』。今日は見られないはずだったのが、幸運にも土方ディレクターと阿武野プロデューサーの舞台挨拶回で。 2018年に放送された東海テレビドキュメンタリーの劇場版。 「番組の録画が全国の映像関係者に密造酒のように出回った」という宣伝文句は本当である。放送圏に住む私も、何人もの東京の知人から問い合わせを受けた。悲しいことに録画予約に失敗し、自分すら途中までしか見られていなかったのだが、のちに知人が貸してくれた。しかしなんとそれもラストが切れて

2019映画ベスト10

基準は「この後も、きっとずっと覚えている」です。 見た順です。 ・『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ』 ・『運び屋』 ・『オアシス デジタルリマスター版』 ・『未知との遭遇 ファイナルカット版』 ・『旅のおわり世界のはじまり』 ・『町田くんの世界』 ・『工作 黒金星と呼ばれた男』 ・『パラサイト 半地下の家族』 ・『音楽』 ・『劇場版 さよならあいち』 次点: 『メランコリック』 『東京干潟』 『男はつらいよ お帰り寅さん』 230作くらいの鑑賞タイトルを振り返

日々のこと 1011『A Day in the Aichi』

あいちトリエンナーレ・映像プログラム新作委嘱作、カンパニー松尾監督の『A Day In The Aichi』を見てきた。 不思議な映画だった。なんとも心地よい時間だった。4時間超(!)の長い映画なのだが、8時間でも大丈夫。ダレずに見られるのはすごいことだと思う。 上映は4回きり、見た人はせいぜい500~600人か。すでに上映は終了しており、コレを読んでもらっても見る機会は当分ない。 最初にいってしまうと、私はこの映画にいつのまにかチラリと出演してしまっており、客観視できな

日々のこと 0815 『天気の子』

窓を暴風雨が揺らしている。 こんな台風の夜になんなんですが、『天気の子』の話を。 感想を書こう書こうと思いながら、ずいぶん時間が過ぎてしまった。 とても面白かった。ボロボロ泣いて、ボーッと眺めていたエンドロール。 2回見に行った。 何が良かったのか。美しい映像、情感あふれる東京の雨の風景もさることながら、一言でいうなら「若い子が自分の思うがままにめちゃくちゃに暴走するのがうれしかった」ってことだと思う。 映画を見る数日前、たまたま出会った大学生の男の子と飲む機会があ

日々のこと 0609

最近は仕事以外の文章を書いてなかった。 私は書くことによってしか物事を考えたり、頭の中が整理できないタイプなので、このところは何も整理してない。それも悪くはない。 でも、瞬間の感覚だけで過ごし続けているのは不安にもなるので、やっぱりたまには書かないとなーと思っている。 --- 『沈没家族』という映画を見に行った。 90年代後半、シングルマザーの穂子さんが「みんなで子育てしたら楽しいんじゃないか」と人を集め、「共同保育」という形で育てた加納土監督によるセルフ・ドキュメンタリ

日々のこと 0126

入らないぞ~、と言い続けたNetflixに、ついに入ってしまった。 キュアロン監督の『ROMA / ローマ』を見るために。 それなりに映画を見るなら、今どきAmazonプライムもHuluもNetflixもなーんも入ってないなんて時代遅れもいいところだと思う。でも入りたくなかった。 WOWOWの番組表を見るたび「あー、見たいやつばっかり。入ってなくて本当によかった」と、いつも思っていた。 一日中、映画なんて見てるわけにはいかないのだ。見なきゃいけないDVDも常に抱えている。結

2018映画ベスト

2018年新作、マイベスト映画です。5本です。 鑑賞数は250本前後だと思います。ただし旧作やAVも込みで。 2017年までは一応「スクリーンで見たもの」から選んでました。 でも昨日やっと書いた「12月分鑑賞記録」でも分かる通り、1年にわたり毎月ソフトやAVも混ぜこぜで書いてしまった。そのため、とうとうベストにもAVがランクイン。まいっか。 毎年、1年分の鑑賞タイトルを前にあーだこーだ悩むのが楽しみでしたが、年末に体調を崩しました。なのでお布団に潜ったままメモは見ず、記憶

日々のこと 1230

昨日の昼間、映画館でジョージ・A・ロメロ監督『ゾンビ』(1978年)を見た。初めて見た。 普段ホラーは全く見ない。誘われても見ない。仕事でも全力で回避。頑張っても避けられなかったものしか見ていない。超怖がりのビビリなのだ。 面白いのもあるのは知ってるし、実際あった。でも基本、無理。エグい映像が無理。脅かしてくる演出が無理。心霊も無理。怖いから。 しかし年の瀬である。特別である。何年も前からずーっと気になってたし、他に見たい映画もなかったし、名作らしいし、せっかくの上映

日々のこと 0824

ああ、いいなと思える映画に出会えて、それを見ている時間って、すごく幸せなわけで。 そういう映画の取材依頼を受けて、準備のためにその映画についてずっと考える。思い起こす。原作を読む。資料を読む。その間も幸せが続く。 作った人にインタビューしてる間も、取材記録をまとめる間も、原稿書く間も編集する間も、ずっとずっとその一本の映画のことを考えています。原稿をアップして、自分の中でようやく映画が終わる。今、そこです。はあ寂しい。 取材があるすべての映画について、毎回どっぷり浸かるわけ

日々のこと 0806

待つのは、わりと平気な方です。待たせるより、待つ方がいい。 でも基本「待ってる相手が必ず来る」のが前提。来るか来ないか分からない人を待つのは、ツライ。 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』という映画を見てから、「待つ」ことについて、なんとなく考えたりしています。 カフェで働く男性が、一人旅に出ちゃった女性をずーっと待ってる。 カフェの男(ジュード・ロウ)は、たまに彼女(ノラ・ジョーンズ)から届くハガキを受け取っては、手当たり次第にそれっぽい場所に電話して消息をつかもうとする。

日々のこと 0613/親切なクムジャさん

ここ最近、まったく仕事する気が起きない。 私にしては珍しい。普段は元気が出ない時も、仕事してればどうにか復帰していくタイプ。 仕事上のトラブルの対処は、例えば人間関係とかのダメージとは全く別の回路が働く。外科と精神内科みたいな違い。仕事の問題は具体的な解決法を考えて対応すればいい。大変だけど、凹まない。それが今回、そのモチベーションがまったく上がらない。集中力ゼロ状態が続いている。 晴れ晴れする映画でも見たいなー、と手持ちの未見映画から手にしたのが、だいぶ前に中古で買っ