男2人生活日記⑫〜溢れ出る〜
11月末から、第三子出産のために始めている長男との男二人生活。
年末年始には、2人で里帰りし、折り返しとして、実家で過ごした。
息子は、久しぶりの母親・妹との再会となり、従兄弟と遊び、無事に新しい妹とも出会えた。
あっという間の年末年始、島に戻ってくる当日、車で駅まで送ってもらうが、母親とは家の前でお別れした。
皆が賑わう車中で、息子の後ろの席に座っていた僕は、息子が静かに涙を拭っているのが見えた。気づかれないように、静かに涙を流している。僕も気づかないふりをした。
所用があり、新大阪で途中下車をする。
降りる際には、また、涙が流れてきたようだ。
今度は、声も出しながら泣いている。我慢ができず、溢れ出てきてしまったようだ。
この日の夜は、とても元気のない様子だった。
翌日、島に帰ると息子は、「静岡の方がよかったな。」と呟きながら、また日常へと帰ってきた。
夜には、僕には見えないように母親にメールで「おかあちゃん、さびしい。あかちゃん(はやくあいたいな。がんばってね!だいすき♡スタンプ)」を送っていたようだ。
みんなに分からないように泣いたり、僕には気づかれないようにメールを送る彼は、きっと心配かけないようにしようとする気遣いなのだと思う。
折り返しまでの一ヶ月、一度も寂しいと泣いたことはない。
いろんな人に会っては「お母さんいなくて寂しい?」と聞かれ、「うん、まぁ。」という感じで応えていた。僕も何度か聞いたことがあるが、同じような反応だ。
彼の我慢の限界を超え、ついに溢れ出た涙を見て、
「そりゃぁそうだよな。そりゃぁ母ちゃんだもんな、寂しいよなぁ。」
とつくづく思った。
あと一ヶ月、僕は彼に何をしてあげられるかなー、と考える。