デモに行った
先週の日曜日、新宿のデモに参加しました。何年も前に一度だけ国会議事堂まわりのデモに行って以来、人生で二度目でした。シュプレヒコールとか好きじゃないし、ライブでハンドクラップを求められるのも苦痛なくらい、集団行動はできる限り回避したい。人と話したり飲みに行くのも四人以上だとちょっと気がひけてしまいます。けどデモは今のご時世に必要なことだと感じてました。土日祝日に出勤が多かったことを参加しない自分への言い訳にしつつも、違を唱えてくれる人々の存在にかろうじて安心していられたというか。勝手な話ですね。
先月、高校からの付き合いの友人と地元でお昼を食べたあと商店街をのんびり歩いていたら、安倍政権に反対するデモに出くわしました。地元で開催されてることを全く知らなかったので内心びっくりしてたら、友人はああいうの苦手〜と眉をひそめて、いや、私はけっこう賛成よ?と口ごもりつつ、ひっそりしたデモに心の中でエールを送りました。そして、今だったら仕事辞めて時間に余裕あるから行こうと思えばデモにも参加できるんだな、と意識しました。
テレビはほぼ見ないし新聞も読んだり読まなかったりで、世の中への関心が高いとは言えない自分にすら、ここ数年の日本の社会は完全に底の抜けたような状態に感じられて、歯止めがきかないどころかますます加速している、どこまで行けば止まるのかさっぱりわからず、後々への悪影響に気が遠くなりそうです。選挙に行くだけじゃ足りないならせめてもの意思表示はすべきかなと。気は進まないけどもはやそんな悠長なこと言ってる段階じゃないし、とためらいながらも身支度を整え、集合時間にだいぶ遅れて公園に着いたら、かろうじて行列の最後尾に合流できました。なので先頭の様子がどうだったのか直接は知りません。マスクしてたし一度も声も上げず誰とも話さず、一時間半近く黙々と歩きました。もちろんプラカードだって持ってない。けど、せめて参加人数に加算されたらとの思いで。
自分でも意外だったのは、公園に集まってる人たちを見ただけでちょっと泣きそうになってしまったことです。だってこんなん絶対おかしいじゃん?て思ってわざわざ足を運んだ人の存在が自分だけじゃないとわかってほっとしたというか。バーチャルじゃなくて今ここに、同じ場所にいると実際に認識できることは、頭で考えるよりずっと大きいのかもしれません。
見知った新宿の街をデモの行列に加わってだらだら歩くのは不思議な感じでした。デモに参加してる周りの人を見つつ、デモに参加する側から、デモを見る人たちの姿や反応を見るというのは、なんか、簡単に言葉で片づけたくない体験でした。もうちょっと自分の中に寝かせておいて熟成するのを待ちたい気がします(その前に忘れちゃうかもだけど…)。行動せずにあーだこーだ言うより、やっぱり、百聞は一見に如かずだなと。とは言え、頭の中は割とヒマでしかもお腹が空いてたので、コンビニや飲食店が視界に入るたびに(=しょっちゅう)お腹空いた、なんか食べたい、ていうかビールでも飲まなきゃやってられぬ…ちょっと抜けようかな…いやでも…みたいな雑念が思考のおそらく四割くらいを占めていたことは書き記しておかねばなりません。
終点近く、花園神社を過ぎた辺りからだったか、何せ最後尾だったので先にデモを終えた風の方たちがマラソンか何かのように声援をかけて下さる姿が増えてきて、人は人に好意を示されると単純に嬉しいもんだなと実感しました。「あとちょっとだよ頑張れー!」みたいなエールに、いやなんも頑張ってないっす自分と反射的に思う一方で、紋切り型の行動や笑顔に込められたそれぞれの思いや温度の存在を感じてほんのり心が温まりました。ゴールとおぼしき地点からそのまま人の流れに乗って新宿駅東口に直行して地元に戻り慌ただしくスタジオ個人練に一時間入り松屋で腹ごしらえして駅ビルのトイレで化粧してからバイトへと向かって。たかだか一時間半ゆっくり歩いただけのことなのに、働き始めたらけっこうくたびれてる自分が意外でした。ちょうど一週間前の出来事です。主催者側の発表では参加人数は3000人とのことでした。言う程のことは何一つしてない、だからこそ、敢えて文章にしようと思いました。写真ナシ。
あとからこのツイート見かけて、なるほどなって納得しました。
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