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ストレート果汁100%

墨田区京島で矢野さんの展示を観てから、とりあえず歩きながらどこへ行こうか友人とのんびり相談し、京成曳舟駅から浅草へと向かい、缶ビール買って寺で飲み始めて川沿いへ移動して夕景を並んで眺めてあれこれしゃべって日が暮れてから飲み屋の軒先の外テーブルでさらに飲んで、すっかり酔って終電を逃して友人のうちに泊めてもらうことになり、寝巻も貸してもらっていい匂いでふんわり心地いい布団で熟睡、朝五時前にぱっちり目が覚めたので空いてる電車で帰ろうと友人宅を後にした。夜が明けつつある駅のホームで、肌にも肺にもひんやりと清潔な感じの早朝の空気、こういうのコロナ前は珍しくなかったけど考えてみればちょっと久しぶりかもと感慨にふけりつつ、電車が来るまで時間があったのでコーヒー飲もうかなと自販機を見てまわってたら「青森りんごストレート果汁100%」の派手なうたい文句が目に留まり、値段はちょっとだけ高かったけど思わず買って一気に飲み干した。弘前産のトキという品種、やや甘かったけど美味しかった。弘前に行ったのは去年の11月、盛岡の友人を訪ねた帰りの交通手段を調べたら盛岡~弘前、弘前~上野の長距離バスがあるとわかったので、何のあてもなく弘前の安いホステルに一人で三泊してあちこち歩いてまわるうちに弘前がとても好きになった。夕方のバスで弘前駅前に到着して宿に荷物を預け、観光案内図とiPhoneを手にちょっと緊張しながら初めての街を夜うろうろしてて、最初に撮った写真が色とりどりのりんごがずらりと並んでるお店で。三日目の雨の夜、ゆぱんきの店主さんに教えてもらって足を運んだASYLUMというバーでは、常連のタクシー運転手さんが自分のうちで採れたというりんごをお店に差し入れてて、わたしも一切れご相伴に預かり、さらに、帰り際に店主さんが丸ごと一つ持たせてくれた。忘れがたい夜の素敵な思い出。去年の旅行のことで文章にしたかったこといくつもあったのに殆ど書いてなくて、写真は残ってるから、時系列にこだわらずにぽつぽつ書いてみてもいいかも、という気が今ちょっとしてます。

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