好きと理由
もうだいぶ前の話ですが、仲間うちで好きな人ができて、わたしが心の調子を崩して一方的に迷惑をかけてその後しばらく気まずい感じになってしまったけど、むしろその方のお姉さんとの交流が細く長く続いていて、去年、旅の途中に、成り行きそしてお姉さんのご好意でご実家に泊めて頂く運びとなりました。ご実家は今はお父さんがお一人で暮らしていて、お姉さんが足繁く通っているそうです。お邪魔したその家には大きな本棚がいくつもあって家中に本がいっぱいで、わたしも読んだことのある本が何冊もあり、聞くと、亡くなられたお母さんは図書館で長く働いてらして、お父さんも本好きだそうです。好きだった期間はごく短かったしそんなこと全然知らなかったけど、変に納得。訳もなく惹かれるときって、無意識のうちに何かしら察するものがあるんでしょうね、やっぱり。長いタイムラグを経ての答え合わせみたいな、不思議な体験でした。ほんの短い間だけど好きだった人のお姉さんの友達としてご実家に泊めてもらって土地のものやお父さんの作ったおでんなど食べながらコタツでだらだら深酒する、なんて滅多にできないことだなあとしみじみ。むしろお父さんの方が好きなタイプかも、とお姉さんにこっそり言ったら、えー!自分には全然わからない!と憤慨していて、身内ってそういうものだよなあ、とこれまたしみじみ。そんな体験ができたのもいい歳して落ち着きなく(お金もなく)ふらふらしてるからで、褒められたことではないにせよ、これも一種の「縁は異なもの」と言えないこともないか(いや単に図々しいだけだ)。鷹揚なご家族の下でのびのび育ったんだなと。ご結婚なさったそうで(よかった!)もう会うこともないかもだけど、どうぞお幸せに。
友だちのお父さんが作ったおでんと、貼っていた新聞の切り抜き(投稿者の住所にこれまたびっくり)。
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