365日前
昨日の朝、岩手の友だちから宅急便で荷物が届いた。メールで住所を伝えたのが前日のお昼だったから随分と早い。タイミングがよっぽど良かったんだろう。梅酒と、南部せんべいにさきいかとゴマがふんだんに入った「いかせんべい」(酒のアテに最高なやつ)と、地域おこし協力隊として働く友だちが企画していちから作り上げたブルーベリージャム。コロナ禍で協力隊活動が難しくなった中でやれることを考えてDIYで商品化までこぎつけた経緯を電話で聞いていたので、わたしも実物を手にして、味だけじゃなく感慨までおすそ分けしてもらった気分。パウチ詰めで、取り外しできるラベルがいかにも手作りで素朴でかわいい、に止まらない民藝的なセンス。わかる人には伝わるでしょ、っていう控えめかつパンクな匙加減が彼女らしくて笑う。新幹線で盛岡に向かったのはまさに一年前の今日だった。途中一泊二日で秋田に出かけたとは言え、二週間も泊めてもらって、けど今になって考えるとあの頃わたしは随分と心が閉じていて、11月の岩手で、友だちが仕事で留守のとき古いおうちの中で一人内向きな気分でぼーっと過ごすうち、知らず知らず、視野まで狭まって自閉していくような面があったかも。仕事を辞めて自由になった時間を有意義なことに結びつけなきゃっていう無意識の焦りからあれこれ予定を入れて、その反動で心がくたびれちゃってたようにも思うし、弟が亡くなってちょうど一年だったし。けどもちろん、友だちと一緒に過ごしていろいろなものを観たり食べたり、もし行かなかったら決してできなかった体験は、かけがえのないものとして記憶に鮮明に残ってる。岩手へと向かったあの日から365日を経て、また一歳年を取って、変わらないところは変わらないまま、少しずつ変わって行く人生というそれぞれの旅の途中にわたしたちは今日もいるんだなあ。とそんなようなことを考えるともなく考える朝です。去年より寒いそうだけど、あのきれいで清々しい空気を胸いっぱいに吸い込みたいな。またいつか必ず。
着いた日の夜に連れていってもらった、友だちの行きつけのお店での新米おむすびときのこづくしの御膳。今年も食べたとインスタに写真あげてた。
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