色を歩くを見てきた
絵描きの矢野ミチルさんと知り合ってから早いもので13~14年は経つでしょうか。矢野さんがライブペインティングを担当するバンドで何度となく演奏してきたので、友達というよりバンド仲間という感じ、お互いのことを意外とそんなに知らなかったり、けど矢野さんと矢野さんの絵は身近な存在で。
そんな矢野さんがクラウドファンディングに成功して作った「色を歩く」という絵本の原画展を昨日観てきました。
会場である「Herb Stand サテライトキッチン」もやはりかつてのバンド仲間である小畑くんのカフェで、十月のうちに、晴れた日に会えたらなーと思ってた友達を誘って、連絡せずにふらりと行ってみたのですが、二人と顔を合わせて話ができたことがとても嬉しかったです。元長屋であるカフェの、二階とその隣、さらにご近所のmuumuu coffeeさんまで、狭くてひなびた空間を十二分に活かした展示は、立派なギャラリーよりかえって味わい深く、矢野さんの絵の魅力を引き出していたように思います。SNSでは目にしていた百枚の色とりどりの絵を、改めて生で観ると、より立体的で生き生きとしていて絵の世界に引き込まれそうで、時間があったらいつまでも長居したくなるような素敵な展示でした。あと四日間、明日木曜日から日曜日まで開催されているので、ご興味のある方は行って決して損はないかと思います。(しかもサテキチの美味しい焼き菓子やドリンクも、矢野さんの物販も、PayPayで支払うと後から30%還元されるそうですよ!)土曜の夜はライブイベントも開催されます。もし遠くなければ私もまた足を運びたいくらいです。お世辞じゃなく。
一通り見てまわってからみんなで話してて、仕事辞めて一年経って今実家だからどうにか生きていけてるけど…みたいなことを私が言ったら、小畑くんが「今回のコロナは人によって本当に状況が違うからしょうがないよ」と一点の曇りもない笑顔で言ってくれて、何だかすごくほっとしたし、矢野さんのクラウドファンディングの説明文にもあったけど、矢野さんの作品が以前よりずっと自由になったように感じられて、元バンド仲間がそれぞれに自分を発揮して活動を続けてることが心強く嬉しかったです。そしてそのあと友達と飲みに行ったら「今の自分を引け目に思うことないしもっと表現すればいい」というようなことを言ってくれて…ありがとう。人と会うのって大事だな。
以前、ふえとゆみとばちとえふで(ふえ=私、ゆみ=小畑くん、えふで=矢野さん)というユニットで何回かライブをやったことがあったのですが、茨城のフェリチタというお店でのライブのとき、会場入りしてから開場までに時間的に余裕があって、いい意味で緊張感はありつつリハや準備の合間にメンバーそれぞれと言葉を交わしたり、本番より、むしろあのゆったり過ごした時間のことが不思議と印象に残ってます。自分の中で、永遠、という言葉のイメージに近いトーンの記憶です。まぶしさに目を細める、ような感触の思い出。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?