茨城に思うこと
茨城は今年も魅力度最下位みたいなニュースを見るたびに、ゲンナリする。
茨城県知事も根拠的が薄くデータとしては信用性がないとしてあの魅力度ランキング自体を否定してる。
一部の県民は「最下位は逆においしい」とか「茨城だし変に気張って頑張ることはなくてゆるいのが魅力」とかたまにそんなことを言ってる人がいる。
俺としてはそんな不名誉な称号のままでいいわけないと思い続けてる。
■茨城の社長さんたちの話を聞いて
地元の色んな企業の社長や経営陣と会話する機会が前の仕事で沢山あった。
茨城県北部(以下、県北)は過疎化して寂れててそれを変えたいという意志は誰もが持ってた。
でも、聞いている限りだとみんなこのままじゃダメだと思いつつ誰かが何かを変えてくれるのを待ってるようだった。
地域で盤石な企業でさえ、「何かきっかけがないとね」って言うぐらい実際へのアクションに関しては渋い。「まず自社からだ」と。
地域活性化謳うだけで十分な知名度向上とブランディングになりそうだなと思うけど、バブル崩壊からのリーマンショックまでの厳しい経験がこびりついてて無駄な予算を割くことに厳しい。
みんな地元好きだけど、実際お金出して何かしようって意識がある会社はあんまりない。
地元が一気に賑わいだすような将来の展望を持ってる経営者はほんの一部の人を除いてまずいない。
東京のベッドタウンとなってる茨城県南部の地域と町おこしのために頑張ってる一部の人ぐらい。
こりゃみんな夢も活気もないし街を出たくなるわな~と思った。
■茨城に対する自分自身の感覚
俺自身は元々茨城が好きで、でも東京の経済ダイナミクスに揉まれたいのとやりたい仕事に就きたいと言う理由で上京してその時はそんなにこの茨城がへったくれもない地域であることに気づかなかった。
なんなら極端に人が減り始めたのは自分が茨城を去ってからすぐだったのかもしれない。
いずれにせよ、外から茨城を客観的に見れて本当に良かったと思う。
茨城が大好きなところから茨城を一度嫌いになってまた好きになってきて、自分としては茨城の何がダメで何が良いのかがかなりクリアになった。
ここまでダメな地域のようなレッテルを貼られると自分の巣穴がめちゃレビュー評価低いみたいでめちゃくちゃどうにかしたくなる。
強みというかポテンシャルは沢山あると思う。
かなり昔の話ではあるものの、茨城は日立製作所とかJX金属とかケーズデンキも生まれた工業・電機の町でもある。
農業も日本生産一位の品目がたくさんある。
原子力発電の研究所本陣JIEAや最先端の核融合実験施設、日本の日本の宇宙開発拠点JAXAもある。
実際見たら微妙すぎてなんとも言えないけど、日本三大庭園の偕楽園、日本三大名爆の袋田の滝もある。
徳川御三家水戸藩の治めた土地でもある。
あと全国の鹿島神社の総本山があったりする。
こういう要素がいくらでもある。これだけあってなぜ魅力度ランキングになのかと思えるレベル。
これはまさしく県民性からくる特徴と思うけど、アピールと演出がことごとく苦手なことが関係してるかもしれない。
閉鎖的で内部で固まりがちな村文化の性質がおそらく関係してる。
調べてたら江戸時代水戸藩からその気質は来てるんじゃないかみたいな説もあって、水戸藩領地周辺は川と山で囲まれてて、水戸藩が守りを固めてたり、領地内の武士が多かったりでよそ者を寄せ付けない文化があったり無口な人が多いみたいな。
そういうのが今まで巡り巡って村文化につながっている可能性はあるらしい。
単純に田舎なのが悪いのかもしれない。
この村気質は地域マーケティングに大いに関係してくる。
もうみんな内側で満足してるせいで、外側の人から見た課題に向き合ったり、外側から流入してくる人への満足を上げようとする意識が相当鈍ってるんじゃないかと思える。
その点、水戸黄門は茨城の視点で見ると徳川家ブランドと莫大な資金力を使って神マーケティングを行った人物だったのかもしれない。
俺は上京するまでは、茨城は自由で最高と思ってた。
だけども、実際に外から見る茨城はかなり保守的で閉鎖的で刺激が少ない田舎だったし、人が歩いてないせいか他人に興味ありすぎな人が多くてヤンキーが駅前ですぐ話しかけてきたり、すれ違う人がああだこうだ言ってたり、噂話がすぐ広まったり狭い世界だったと思うことが多かった。
こんなんは東京の人間砂漠じゃ考えられない話だと思う。
とはいえ、茨城に戻ってきてからは車があれば意外に不便は少ない。親世代の昭和から続いてたヤンキーブームがほぼ瀕死状態になるほど衰退して人が歩いてないからか、自分が歳を取ったからか、チンピラに理解不能な因縁つけられたりとかはなくなった。
あとは山、海、川全て揃ってるから釣り、サーフィン、ゴルフ、パラグライダー、キャンプ、登山、BBQ何でもレジャーに困ることはない。
若い時に憧れていた都会のハイセンスな要素はあまりないけど、大人になってからの方がむしろ楽しい要素は結構ある気がする。
それが今の茨城に対する俺の感覚だ。
もちろん都心に住み続けてたらその場合はその場合で、東京はなんていいところなんだと思い続けてたとは思う(今でも東京は面白いところだとは思うけど)。
■茨城への希望
ひとまず今思うのは茨城県が第二の日本の都市にしたいと思えるぐらい活気ある街に変えられたらいいのになと思う。
1960年代の話ではあるものの、東京への一極集中を食い止めるために東京から茨城県のつくば市に研究施設が集約されたこともある。
みんな基本自分を取り巻く環境にしかあまり興味はないから、茨城で町おこしを叫んだとしても特に自分に関わる話ではないから県外の人は興味を示さない可能性がある(大洗のガルパンとか信者に寄り添った施作は別として)
だから、もう第二の都市として国が考えちゃうくらい茨城を盛り上げますよということにしちゃえば、日本全国、少なくとも関東は意識せざる得ない存在になると思う。
そうしたら少しはアピールしたときに興味を持つ人も増えるのではないかと思う。
熊本は今半導体の次の中心地になれる可能性があるからすごい盛り上がってるようで、あれは外部からの材料だけど、あんなふうに何か起爆剤があればいいということなんじゃないかと思う。
茨城を第二の商業都市にするなんてことを掲げたら確実にそれは内部からの材料でしかないけど、茨城の枠に収まらずに日本全体を巻き込んでいけたらいいんじゃないかと思う。
少しは地方回帰の動きがあってもいい。