2014年の写真と戻らない仲
Googleフォトに2014年の写真が残っていた。
当時中学生だった頃の写真がバーっと画面に表示されて恥ずかしくなる。今なら保存しないであろうネットのふざけた画像を何枚も残していた。
動画もいくつか残っていて、おそるおそる1つの動画を再生してみる。
声が猿のように高い。言葉選びも話し方も全国模範的中学生選手権があれば、優勝できるほど中学生っぽい。
もう少しスクロールすると、中2になって仲違いしてしまう友人との動画があった。彼とは幼稚園からの中だった。
私は手が止まった。止めなくてはいけなかった。
友人は、フードを目深に被りながら自転車にまたがり、パズドラの画面を眺めていた。
フードの下から顔を撮影しようと試みる私とそれをあしらう友人。
近所の小さな神社で撮った動画だった。
すっかり忘れていた思い出に、涙が出そうだった。
仲違いしたのは、私がきっかけだった。
同じ部活だった私と友人、ある日先輩から「お前ら俺らの悪口言ったろ!」と言われた。
そんなことは二人とも言ってない。
でも、私は先輩が怖くて友人に「お前が言ったんだろ!」と突き放してしまった。
それから少しずつ距離が生まれ、修復なんて絶対できないほどの溝ができていた。
友人は転部し、私は元の部活を続けた。
その頃にはもう友人とは呼べなかった。
成人式に、少し姿をみた。彼は少しだけ顔を出すと逃げるように帰ってしまった。
彼は昔から内向的だった。でも、それ以上に私が彼をそうさせてしまったのではないかと、24歳になった今も時折思い出す。
動画に映る二人は楽しそうに走り回っていた。