みやまるが選ぶ「シバノソウの10曲」
(初出:旧ブログ2019/06/20)
みやまるがのちのシバノソウである、中3ボルタに出会ったのは彼女が(名前と違って)彼女が中1のころである。第一印象は「背、ちっちゃ!」であった。…しかし現在は押しも押されもせぬ「ビッグ」なアーティストになっているのは言うに及ばずである。デビューから見守ってきたミュージシャンが着実にファンを増やし、みんなから愛され続ける存在になるというのはこれ以上ないファン冥利につきる。
そんなソウちゃんも7月にとうとうハタチになるんだそうで、「ヨソのお子さんは成長が早いワ~」としみじみ思う次第だ。良い機会なので改めてソウちゃんのことを文章というカタチにして、その魅力を改めて確認してみよう。正直「シバノソウ論」なら「ビートたけし論」と同じく一昼夜語り明かすことも出来る自信があるが、流石にキリがないので、今日は彼女のキャリアの中からみやまるが好きな10曲をチョイスしてみた。節目節目にベスト盤を出すアーティストは多いけど、みやまるなりの「ザ・ベリー・ベスト・オブ・シバノソウ」にしたつもりなので、シバノソウ初心者の方も是非この10曲から聴いてみてください。
1.オレの前前前世
ライブで一番盛り上がる曲。仮タイトルも確か『湧き曲』だったはず。アイドルソングチックな曲調に「バカリズム」「生駒里奈」「トランプ」と固有名詞が感情にリアリティを増幅させている。「♫ヲタクはいつでもお金がカツカツ」の部分のポーズが個人的にかなり好きなので、是非ライブでも観ていただきたい。
2.消えるよ
初期のシバノソウに多かったテーマである、「青春の暗部」という感じの1曲。心の晴れない鬱屈した感情を、アンニュイな空気感とともにがっちりと歌いあげるナンバー。爽やかさを表現する際に「透明感」という言葉を使う場合があるが、"消えて無くなってしまいたい"という意味での、切なさでの「透明感」を感じる。
3.海がきこえる
この曲も詞は失恋か、そうでなくとも恋に悩む女の子の曲なのだが、ポップなメロディラインがそれを感じさせない、楽しげかつファンタジックな仕上がりになっている。シバノソウのストレートなキャラクターと、作詞作曲を担当した笹口騒音氏の柔らかい色合いが絶妙にマッチした「ダブル"ソウ"の奇跡」を是非堪能してほしい。気に入った人は『放課後失踪クラブ』のカバーも聴くべし!
▲みやまるも出ちゃってます…
4.スクールフィクション
シバノソウ版『ミッドナイト清純異性交遊』。いや、『15の夜』かもしれない。とにかく、彼女の代表曲であり、混じり気なくど直球に心情を歌ったキラーチューンであり、今後も歌い継がれること間違いなしの伝説の1曲。そんな名曲の初披露かつ、シバノ初ラジオ出演の番組に、みやまるも出ていたのは今なお自慢話の1つである。
5.ai(Prod.the oto factory)
これまでの彼女のイメージを覆し、「ええーっ、ソウちゃん、こういう曲も歌いこなすのかっ!」ってなった曲。それまで、"鬱屈したティーンエイジャーの心情を表現する"というイメージだった彼女が、突然"大人っぽい都会的なラブソング"を歌ったので大いに驚いた。この衝撃は奥田民生がスカパラとのコラボ曲『美しく燃える森』で新しい顔をのぞかせた時に近いかも。
6.オリオン
この曲はもともとthat's all folksさんに提供した曲ということもあり、彼女の曲としては珍しく一人称が「僕」である。でも男性目線の失恋も淡々と歌ってみせる彼女の「懐の深さ」のようなものを感じる、派手さは無いが渋イイ曲である。
7.非日常に生きる彼女
かなり昔(確認できる限り『フェスボルタ ミニ』では既に歌われていたはず)から歌われていたが、意外と音源化が遅かった曲。なので、シバノソウバンドで音源化したときは結構嬉しかった。シバノソウというミュージシャンが凡百の女性アーティストと一線を画すのは、この曲の詞のように「甘さ」が一切無く、ガチガチに厳しい現実と対峙することを書いているところ。とにかく最初聞いたとき「これを10代中盤で書くって…」と才能に驚かされた曲である。
8.カタカナオレラ(feat.ハザマリツシ)
ダブルボーカルのこの曲は言ってみれば「ハザマリツシVSシバノソウ」というマッチメイクだが、名勝負である。特に「♫アジカンのコピーバンド…」のくだりが好きだ。(ソウちゃんの「付き合わないよ~」の一言のなんと可愛いこと!)芯がビシッと通ってる両者はルックスとは裏腹に案外似た者同士なのかもしれない。ソウちゃんがもし男だったら、…ハザマくんみたいだったかもしれないというのは考えすぎか?
9.天国
この曲は彼女のファンはご存知の通り、早逝した古参ファンの男性に向けて作られた曲である。ちあきなおみの『喝采』ではないけれど、シバノソウというミュージシャンとして歌うことで語られる命があるし、彼女もまたそうした覚悟や、宿命のようなものを背負った歌い手なのだということを実感する、重みを持った曲である。
10.信号
もうイントロから好き。さあ、「シバノ女王」、「シバ神」のお出ましだ!と言わんばかりの重厚なサウンドである。未来に向かって突き進む彼女の決意表明のような、歩みを止めることのない彼女の力強さが十二分に光る歌詞に、みやまるは何度も元気をもらいました。「さ、明日も頑張るぞ!ソウちゃんだって頑張ってんだし!」という気持ちになります。
長々と書いてしまったが、これでも足りないよ!『ラブソング』とか『ダメな日記』、『EVER GREEN』あたりも選びたかったんだけど、残念ながら曲数の関係で選外にしました、無念!まあ、書き切れなかった分は、ソウちゃんの"現場"で会った時に語りあいましょう。これからも「シバノって凄いなって 思える瞬間を」共有出来たら良いなと思いますし、ソウちゃんの行く道が長く、高く、苦が少なく、楽が多い道がでありますよーに。ソウちゃんハタチおめでとう!