数十年ぶりに読んだ『瞬きもせず』。若かりし日とは違うテーマが、胸に沁みる。
昨日、いつものようにLINEを見ていたら、「LINEマンガ」で『瞬きもせず』の1巻と2巻が無料で読めると書いてあった。
常々、漫画をオンラインで、できれば無料で読みたいと思っていたので、これはいい機会だと「LINEマンガ」に登録?して、読み始めると……
1ページ目から、懐かしくて胸がいっぱいになってしまった。
かよ子と紺野くんのあれこれが切なくてまどろっこしくて、でも赤べこのようにぐわんぐわんと首を縦に振ってしまうくらいわかるわかると思ったことが、ものすごい勢いで私の内側のどこかから押し寄せてきた。
中学時代から、幾度となく読み、読み込んできた『瞬きもせず』。隅から隅まで覚えているのも当然だよねと思っていた。
なのに、アラフィフになった今の私の胸に沁みたのは、甘く切ないまどろっこしさ周りのあれこれではなく、かよ子のお父さんの思いや、かよ子が家族のことも大切に思っているということだった。
え、こんなストーリーあったっけ?
えーー、そりゃ、お父さん、切ないよね。
などなど、まるで初めて読んだようなあれこれを発見する。
正直、当時読んでいたころは、酔っ払いのお父さんなんてどうでもいいじゃんかよ子、っていうか、そんなストーリー要らないんじゃないですか、くらいに思っていました、すみません。
それが、いまや、どうですか。
これ、かなり必要なストーリーよねーとじんわりしているんです。
多分この先、紺野くんのお父さんのメモ「妻と子のために」(たしか出てくるのは、最終巻あたり)がどーんと胸に刺さるんだろうなと、今からもう心は涙目。
それにしても、紡木たくって、いったい何歳のときに『瞬きもせず』を描いたんだろう、と思い、検索。すると、23歳のころにスタートさせていることが判明。
23歳。それで、この物語が書けるとは。
恋に悩む中高生だけでなく、家族をしっとりと思うようになった中年(私です)の心にもこんなに沁みいるものを描いているとは。
彼女が山口県出身(というか、在住なのかと思っていた)の人ではなかったことにも驚いた。
横浜出身です。全然、田舎の人じゃなかった。
さて、とりあえず1巻を読み終えたわけで、多分、続きも全部読んじゃうだろうなあ。
ああ、読みたいマンガがある、この焦燥感のようなわくわく感があるって、しあわせだわ~。