フローラ一択
※この記事はドラクエVにおける「花嫁論争」についての概略を心得ていることを前提としています。
※本文はあくまで一個人の感想であり、決して特定の立場の意見を否定するものではありません。
はじめに
私はフローラ派です。ゲーム攻略の観点ではありません。仮に性能やルドマンの支援をすべて統一したとしても、100回中100回フローラを選びます。
本文では、そんなフローラを愛してやまないこの私が、フローラを選ぶべき理由をアツく語ろうと思います。
あなたがこの文章を読み終わる頃には、フローラを選んでもう一度ドラクエVをプレイしてみたくなっているでしょう。
Ⅰ.ビアンカの問題点
①責任感
たしかに、ビアンカは魅力的な女性です。彼女の性格をポジティブに表すのであれば「正義感の強い天真爛漫なお姉さん」となると思います。
なるほど、世の男性が虜になるわけです。嫌味がなく、敵を作らない性格であるといえます。
しかし、彼女にはフローラほどの責任感の強さはありません。
レヌール城攻略後のイベントが良い例です。もともと、レヌール城に行く羽目になったのは彼女がいじめっ子からの交換条件に乗って猫(以下「ゲレゲレ」)を助けようとしたからです。その正義感自体は素晴らしいと思います。
ところが、無事にゲレゲレを救出すると、彼女は突如「母が動物アレルギーだからあなたが引き取って!」と主人公にゲレゲレを押し付けます(※DS版のみ存在するシーン)。
最初からそうするつもりでいたのならば、事前に「私は飼うことはできないけど……どうしても助けたいの!」等、ゲレゲレ救出後の処置までは対応できない旨を事前に伝えておくべきではないでしょうか。(もし主人公の母も猫アレルギーだった場合はどうするつもりだったのでしょうか……)
また、問題のセリフが存在しないバージョンにしても、自分が言い出しっぺにも関わらず、なんの説明もなく他人に後始末をさせるのにはやはり疑念が残ります。「子供だからしょうがない」という反論があるかもしれませんが、後述の通り、彼女のこの性質は成長してからも如実に現れています。
この一件から、ビアンカの言動からは責任感の強さが感じられず、そういうところは雑な人なんだなといった印象を受けました。
②人命に対する感覚
私はこのレヌール城のイベントで何回か死にました。死ぬとどうなるのかというと、ビアンカはなんの躊躇もなく主人公を「引きずって」連れて帰ります。
「ちょっと雑すぎやしないか」とツッコみたくなりますが、状況的に厳しそうなので、そこはまだいいでしょう。
そしていざ宿屋に着くと、さっきまで粛々と死にかけの児童を引きずっていたビアンカが口を開きます。
よく考えてみてください。主人公は今にも死にそうなんです。それにもかかわらず、彼女は眠いだのまた明日やるだのと呑気なことを言っており、瀕死の主人公を気に掛ける様子はこれっぽっちもありません。
自分から(半強制的に)冒険に誘い、そこで魔物に襲われて2つ下の友人を瀕死状態に晒しておきながら、1ミリも自責の念を抱いていないのです。やはり責任感が欠如しているとしか思えません。というかサイコパスです
このことから、8歳にして人命に対する感覚があまりにも冒険者じみていると感じました。
③超あざとい
これが最大の問題点です。
青年期に入って再会すると、水のリングを入手すればフローラと結婚できることを知ったビアンカはリング探しを手伝ってくれるのですが、このときの彼女はかなりあざといです。
水のリング獲得後、ビアンカは何かを言いかけて引っ込めます。
ここでは前後で結婚についての言及があり、話の流れ的に何を言いたいのかは明白です。そこで、彼女はあえて引っ込めることで「思わせぶり」を仕掛けてきます。やってますね。
また、その直後、ルドマン邸にリング回収を報告しに訪れたとき、彼女は当然のようにルドマン邸に上がり込みます。
よく考えてください。主人公は縁談をしようとしているのです。そこへ「主人公といかにも仲の良さそうな女性」が着いていくのです。
ルドマン・フローラ視点、縁談というプライバシー性の高い場に悠々と携わることができるビアンカという女性は、どうみても只者ではありません。「よほど主人公と深い関係なのだろう」と思うのが自然でしょう。実際は今さっき久々に再会したばかりのクソビッチです
これはビアンカの計算高さが如実に現れています。彼女はこの行動を取ることで、自身がフローラに対抗し得る存在であることをさり気なくアピールしたのです。
ルドマン側としても、異質な存在である彼女を無視するわけにはいかず、何かしらツッコまざるを得なくなります。その結果として、ビアンカは花嫁候補に浮上することに成功しています。すべてを読み切っていると疑わざるを得ないほどの計算高さです。
他にも挙げたらキリがありませんが、ことあるごとに主人公への白々しいメスアピールが目立ちます。
冗談は顔だけにしておけよ
このビアンカという女性、想像以上にあざといです。
Ⅱ.フローラの魅力
①誠実で賢い
引き続き、先述の「ビアンカがルドマン邸に上がり込み、ルドマンに指輪を渡した」際のワンシーンを見ていきます。
ちなみに、フローラはこの場に居合わせていたものの、未だ会話を交わしておらず、加えて彼女とビアンカとは初対面です。
しかし、すぐに鋭い指摘をします。
一瞬で状況を飲み込む賢さにも驚かされますが、ここで忘れてはいけないことがあります。フローラは主人公に一目惚れしているのです。
それにもかかわらず、ビアンカの立場を想う機転の良さを見せます。
仮に気づいていたとしても、主人公が自分の手中になることが約束されているため、黙っていれば間違いのない展開です。それを自ら引き止めて問い正したのです。カッコよすぎません?
恐らく、フローラは結婚後の生活まで見据えていたのだと思います。結婚したのはいいが、主人公がビアンカに気移りして自分がお飾りの妻になる……となることを危惧したのでしょう。ゆえに、主人公に気持ちをハッキリさせようとしたのです。
私はこのシーンにおける彼女の誠実で聡明な振る舞いを目の当たりにして惚れました。
②"修道女上がりの"お嬢様
「修道女上がりの」お嬢様という属性は特筆に値します。
お嬢様属性が素晴らしいことは疑いようのない反面、「貧者の心を知らない」という弱点があります。それゆえに、どこか庶民離れした感覚を持っていることが多いです。
デボラが良い例です。彼女も魅力的な女性ではありますが、あの奔放さが許されたのは恵まれた環境所以のものでしょう。
しかし、フローラはその弱点を修道女属性で補完しているのです。
修道女は質素な生活を強いられ、弱者に優しくすることが求められます。
つまり、フローラは一般的なお嬢様の「清楚で可憐」なイメージに加え、修道女の「貧者の心を知っている」という性質まで兼ね備えているのです。
③肝が据わっている
主人公が花嫁の選択を迫られた夜、ビアンカは夜風に当たっていました。
その一方で、フローラは寝ていました。
肝が据わっています。
主人公がどのような選択をしたとしても、それを受け入れようという覚悟が現れています。流石は元修道女、タフですね。
同じ状況下において、2人は対照的な態度を示しています。どちらが好みかは人それぞれでしょう。
私は「何事にも動じない、自立した姿」の彼女に惚れました。
④天然でかわいい
一度冷静になってください。ビアンカは別にかわいくありません。
一部の人たちに抹殺されそうですが、ちょっと待ってください。彼女はどちらかというと「美人でカッコいい」という表現の方が似合っていると思います。もちろん、そちらの方が好きな人はビアンカを選べばいいと思います。
一方、フローラは天然でよくわからないノリがあり、めちゃめちゃかわいいんです。個人的に好きなものを抜粋して紹介します。
……うん、クソかわいい。
まとめると、フローラは自分の意見をズバッと言えるカッコよさを持ちながら、お嬢様由来の天然味のあるかわいさも持ち合わせているということです。最強ですね。
Ⅲ.背景事情の議論
①アンディの存在&ビアンカ独身問題
「フローラにアンディという幼馴染がいる」「フローラと結婚するとビアンカが独り身になる」という反論がありますが、これは筋違いではないでしょうか。
結婚とはあくまで個人の問題です。他人を思いやる気持ちは立派ですが、それはゲーム上のイベントだから言えることで、現実で同じ状況に陥った時に果たして同じ選択をできるのでしょうか。
②後ろ盾
フローラと結婚した場合、令嬢ということで後ろ盾がしっかりとしています。父親であるルドマンは気の良い金持ちで、街の人からも信頼されており、ついでに逆玉の輿まで狙えます。
また、主人公の旅の目的は、大魔王を討伐してマーサと世界を救うことです。ルドマンが善人なので、ビアンカと結婚しても盾を貰うことができましたが、これは運が良かったにすぎません。初心を翻し、尊敬する父の最後の願いを投げ出して割り込んできたクソビ……女性と結婚するのは、あまりにも不真面目なのではないでしょうか。
つまり、主人公は「盾」を選ぶわけではなく、話の流れから自然と「後ろ盾」を選ぶのです。盾だけに。
③「偶然の運命」と「必然の運命」
フローラは、主人公がサラボナを訪れる直前まで、8年間(DS版では6年間)も修道院に預けられていました。その理由は表向きには花嫁修業ということになっていますが、幼い頃、占い師から不思議な運命を背負っていることを予言され、心を強くするために修行することを進言されたというのが真実です。つまり、主人公と結婚して波乱万丈な道を歩む運命のために修業していたということなのです。
よくビアンカの「幼なじみとの運命の再会」を強調する人がいますが、フローラはその運命とやらのために何年間も修行していたのです。なんの努力もなしにたまたまチャンスを手に入れた「偶然の女」ではなく、来る運命のために着々と準備を進めてきた「必然の女」が報われるのが理でしょう。
④幼なじみ(笑)
そもそも、本当に深い幼なじみであれば、ウェスターマーク効果と呼ばれる「幼少期に長期間接触した異性には性的感情を抱きづらい」現象が生じる可能性が高いはずです。恐らく、そこまで深い幼なじみだったというわけではなく、たまに遊ぶくらいの仲だったと推測することができます。
実際、彼女とのイベントもレヌール城のものだけです。また、家族ぐるみで再会した際には、パパスが「この娘は……?」と鈍い反応を見せています。
ビアンカは声高らかに主張できるほどの幼なじみではありません。
⑤ルドマンのメンツ
「フローラ派はどの面下げて山奥の村に行くんだ」と批判する人がいるが、よく考えてみてください。ビアンカと結婚した場合、ルドマンのメンツは丸潰れです。娘のために結婚式まで用意しておいて、突然相手の男がどこの馬の骨かもわからない田舎娘と結婚すると言い出したのです。これは体裁を大切にする金持ちからすればたまったものではありません。
ビアンカ派はどの面下げてサラボナに行くんだ。
⑥「アレ」は恐らく建前
そもそも、ビアンカ派は「結婚前日に結婚相手を変える」ということが、どれほどおかしなことなのかをわかっているのでしょうか。
ルドマンが「一日置いて考えてくれ」と言ったのは、ビアンカをあしらう建前であり、「もちろん我が娘を選んでくれるよな」という暗黙の了解である可能性が高いと思います。その建前を本気にしてビアンカを選ぶなど、あまりにもトチ狂っています。
Ⅳ.まとめ
以上より、必然的にフローラ一択です。なぜビアンカが圧倒的マジョリティなのか、私は未だに疑問です。
しかし、忘れないでください。花嫁を選ぶのはあなたです。散々毒を撒き散らしましたが、ビアンカのことも好きです。もちろんデボラもです。誰に何と言われようと、好きな花嫁を選べばよいのです。
ただ、世の中があまりにもビアンカ派や、ルドマンの支援や性能面を主張する”エセ”フローラ派ばかりなので対抗したかっただけなのです。
最後に問うて〆とします。
今、あなたは誰を花嫁にしたいと思いますか?