《色名#2》滅紫
▽けしむらさき・めっし
灰がかった暗い紫。
紫草の根で染める紫根染において、高温で染めることにより鮮やかさが失われ、色みの落ちたくすんだ色になる。
『延喜式』には「深滅紫・中滅紫・浅滅紫」という染め方の記載がある。
『正倉院文書』にもその名のある古い色名。
紫(むらさき)
鮮やかな紫色。
紫根染において低温で染める。
推古11(603)年に制定された冠位十二階において最高位の色と定められた。
紫草(むらさき)
小さな白い花を咲かせるムラサキ科の多年草。
古来より各地に自生し、万葉集にも詠まれている。
その根、紫根は染料のほか、生薬としても用いられる。
現在は絶滅危惧種に指定。