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自創作に狂って文庫本(物理)(カバーイラスト自作)を作った話

概要

 みなさん初めまして。みやまです。
 この記事はタイトル通り「自創作に狂って文庫本を出した」私の備忘録です。なんと文庫400ぺージ弱+光沢カバー付き。びっくりですね。
 初めて本を作るにあたり、たくさん諸先輩方の足跡を参考させていただきました。私自身も諸先輩方のようにこれから一次・二次創作本を出版しようとしている方の一助になれば……との思いで記します。
 参考にした記事もこのNote内で紹介させていただきます。


利用した印刷所

 私はシメケンプリントさんで印刷しました。
 ここの印刷所さんに決めた理由は、「とにかく初心者にわかりやすい・1冊から印刷可能・カバー付けられるオプションがある」からです。趣味で創作やってる人間には助かります。原稿チェックも無料でしていただけるので、入稿前に不備がないかチェックしてもらえます(誤字脱字のチェックではなく、入稿に問題がないかどうかの仕様チェックです)。なんなら本文を所定欄に入れるとPDFを生成してくれるメーカーがあります。便利なことこの上ないです!!


まず本を作るにあたって

 必要なものはいろいろありますが、とにかくめげない心を忘れないでください。くじけたら本は出ません……(私自身、泣き言を叫びながら編集していました)。こんちくしょうめ、絶対に本を出してやるワ!とまずは決意しましょう。

本の構成に必要なもの

 初心者、ここがたぶん分かりにくいかと思います。かく言う私も「???」状態で作業していました。
 まず必要なのは”””本文”””です。これがなければ始まりません。何せ小説ですから……という当たり前のことはさておき、大まかにリストアップすると以下の通りです。

  • 表紙1、表紙4

  • 目次

  • 本文

  • 奥付

  • カバー(あってもなくてもよい)

 これを作っておけばとりあえず「本」ができます。
 「表紙1」は本の表紙(タイトルや表紙絵があったりするところ)、「表紙4」は本の後ろの表紙(文庫だと出版社マークとかが書いてあります)です。
 「扉」は本を開いて一番初めにばばーん!とタイトルが書いてあるページ、「奥付」は一番後ろにある出版社や発行年月日が書いてあるアレです。
 カバーはお好みでつけましょう。私?本作りど素人のくせにカバーイラスト描きましたよ!

 

作業環境

 私はほとんどPCで作業しました。iPadで縦式を使おうとしたんですが、向いていなくて……。
 もともとNolaユーザーでしたが、原稿作りはすべてWordでやりました。校正はiPadのSlideBooksです。表紙はシメケンプリントさんのメーカーを使用、カバーイラストは後述しますがアイビスペイントで描きました。

原稿メイキング

 ここでは実際にどのように原稿を作ったのか紹介します。あくまで一例ですのでご参考までに!
 私はこの方のNoteをガン見しながら制作しました。

扉・目次・本文・奥付

 とにかく書きましょう。書いていればいつの間にか数万字になってます。
 本文ができた後、実際どういう風に原稿をつくったのか?という話をしましょう。
 私が使ったのは先述の通りWordくんです。
 Wordなら使ったことがある!という方も多いでしょう。私もそうでした。
 でも書式設定がわからない!
 そんなあなたに!

 ズバリこれです。
 テンプレート!

👆👆👆☆神☆👆👆👆
 
 こちらのテンプレをほぼそのまま使用させていただきました。もう何もいじらなくていいです。ええ。怖いくらいに。
 変更したのは目次と注意書きを別ページにしたとかぐらいですかね。色々と文字の大きさも好きに変えています。
※ぬりたしについては利用する印刷所さんの注意書きをよく読んでください!

 ルビや傍点を振ると、Word上ではルビ文字が消えて見える(または半分ぐらいしか見えない)現象が起きますが、PDF出力をすれば普通に見えます。問題ありません。
 本のレイアウト的に、奇数ぺージに章タイトルが来るようにしてください。上手くいかなかった場合は文章の長さを調整するか白紙ページを活用しましょう。

 Nolaで書きためていた15万字をこれにコピペし、そこから延々と編集作業をしていました。段落やページ切り替え部分の読みやすさ……などの処理もここで編集してしまいましょう。

※シメケンプリントさんは「縦書き小説PDFメーカー」を出してくれてます!神!
ルビや傍点を振りたい人はWordをおすすめします。PDFメーカーだとちょっと使いづらい……
 

PDF出力について

 シメケンプリントさんではPDF入稿をしました。Word原稿をPDFにするんですが――ちゃんとソフトを利用しましょう!
 
私が利用したソフトは「CubePDF」です。
 ダウンロードリンク↓

 Wordに入っているものを使ってもいいのですが、先人の皆様方がおすすめしておられなかったのでこちらを使用しました。たぶん入稿時のエラーが減る….…んだと思います。
 CubePDFで原稿を出力する際にはこちらが参考になります。

 何回も出力しているとそのうち覚えます。
 え?なんで何回も出力するかって?……何回も校正しまくってるからです!!

表紙1、表紙4の作製

 こちらは……シメケンプリントさんのメーカーを使いました。文字を欄に入れて、ポチッとな。あっという間に出来上がりです。3分クッキングが霞むレベルの早さです。

↑目次や奥付も作れます!

 使えるものはなんでも使いましょう。初心者だし!のスタンスです。

校正(地獄)

 さて、本文やらなんやら原稿ができたら……待ち受けているのは地獄です。ズバリ校正であります(泣)。
 PDFを作ったらそれをDropbox(2GBまでなら無料で使えます)に突っ込み、iPadでSlideBooksを開いてひたすら赤を入れていきます。書き込んだものをPDFで出力して、それを見ながら原稿を修正していく……を満足いくまでやりましょう。
 正直ツールはなんでもいいです。赤が入れられればなんでもいいです!!Adobeでもできます。確か。
 Slidebooksは本のようにペラペラとめくりながら赤を入れられるので、実際に小説を読んでいる視点で構成ができます(右綴じ設定ができる!)。iPad持ってる方には結構おすすめツールです!!

 校正で確認することは多々多々多々ぐらいありますが、私はこの辺に気をつけて校正していました↓

  • 誤字脱字

  • 段落の字下げ・改行

  • 表記(「あえて」「敢えて」、「俺」「オレ」など)

  • 助詞の用法(「の」が連続していないかなど)

  • 主述のねじれ、修飾語の位置

 いくらやっても納得いかないことが多いと思います。私はかれこれ2、3週間作業してました。5、6回(×2周、1回の校正で本文2周するので)はしてます。もうね、ゲシュタルト崩壊してきます。本文が。大学で友人に会うたび「原稿終わった?」と訊かれるぐらいずっとやってました。寝食・家事・課題以外の全ての時間作業してました(アホ)。おかげで大学では友人から「限界原稿創作者」と呼ばれていましたね。なんだよそのあだ名。
 大体PDF作った後や入稿後にミスに気が付きますが、それは幻覚。いいですね?もう幻覚だと思いましょう。あなたは何も見ていない。幻覚を見たのです。そう思わなければやっていけません。
 ……ちなみに、現物が届いてから読み返してたら漢字の変換ミスが少なくとも8ヶ所ありました。ご愛嬌、ご愛嬌……。

カバーイラストを作ろう

 実は絵描きの端くれであります、私。
 小説の方が初心者です。
 塗り方などイラスト技法的な解説は省きますが、どんな流れで作ったのか紹介します。恥ずかしすぎるのでイラストは載せません(ゴメンネ)!

  1. 構図を捻り出す

  2. ラフ・線画・色塗り

  3. 加工

  4. RGB画像をCMYKに変換

 さてここで問題が。ど素人なので紙のサイズが何もわからないのです。
 カバーサイズ、知らない。トンボ?何それ。
 助けてシメケンプリント!

 救いの手です。おお神よ。
 これをダウンロードしてペイントソフト・アプリでイラスト描けば作れます。背表紙の幅計算機もあるので何も心配ありません。「ぬりたし」についても心配ありません。ガイド線見ながら塗り塗りしましょう。
 データサイズがどうしても大きくなるので、自分の扱うペイントソフトの限度に合わせてテンプレをダウンロードしてください。


構図・レイアウト

 とにかく捻り出します。画集、手持ちの文庫本、同人誌……を見ながら構図を捻り出します。
 この記事が参考になります。

 3日ぐらい頭を捻りまくってました。
 ……ちなみに本文校正作業と並行して描いてました。バカですね。
 文字を主体にするのか、イラスト主体にするのかを決めておけばなんとかなります。私はややイラスト主体でカバーイラストを描きました。
 より文庫っぽくしたい!という方はバーコードを作りましょう。

↑これがあるだけで“”“本が存在している”“”感が出ます。マジで。あらすじもつけるとマジで”””本”””です。

制作画面。レイヤー数が……

 手持ちの文庫本を参考に作るといいかと思います。私はキャラ文庫を参考にしていました。正直あらすじ欄はもう少し大きくてもよかったかなと思います。余白も好きに描いちゃいましょう。満足いくまで構図を捻り出すのが大切です。

ラフ・線画・色塗り

 自分の画風で書いてしまいましょう。大体加工でどうにかなります。トンボ線に合わせてガイドライン(中心線や出来上がり線など)を引いたレイヤーを表示しながら描くと出来上がりがイメージしやすいです。

加工

 加工でなんとかなりますが、ここで注意事項です。
 印刷するとイラストの彩度が落ちます!! 
 RGB→CMYK変換をすると色が地味になります。ちょっとだけ。

 なので完成したイラスト(全結合)「水色をブレンドモード『スクリーン』20%〜30%」「全体的に彩度+3%」しました。アイビスペイントなら以下の手順です。

  1. 描いたイラストを全結合したもの(以下①)を用意する(背景も結合。文字はお好みで。私は文字を白色にしたので別レイヤーにしています)

  2. ①の上にブレンドモード「スクリーン」のレイヤーを作成(以下②)

  3. ②を①にクリッピング→②を水色で塗りつぶす(水色は好みの濃さで。くすんだ色よりは明度・彩度高めの方がいいような気はします)

  4. ①と②を結合したものを新たに作成(以下③)

  5. ③を彩度+3%する(フィルターの項目からできます)

 完成したカバーイラストを見て、やっぱりやっておいて良かったと心底思いました……。
 普段の画風的に鮮やかなイラストではなかったので失敗はありませんでしたが、普段の画風がパキッとした色使いの方やだいぶ彩度が低めの方は注意した方が良さそうです。

 体感的に肌の色が少しだけ彩度落ちやすいかなァ……と思いました。本当に気にならない程度ですが。肌の赤みがやや目立ちにくくなるので、普段より赤みは気持ち強めの方がいいです。ちなみに文庫サイズだと出来上がりが小さくなるので、頬の斜線とか見えなくなります。一度コピー紙でもなんでも、出来上がりサイズで印刷してみるといいかもしれません。

画像変換

 RGBをCMYKに変換する作業です。要は印刷に適合した形にデータを変換する作業です。
 難しいことは考えずに変換ツールを使いましょう。
 ファイルをぶち込めばあっという間に変換できます。
 

 もう何から何までありがとうございます、シメケン神。
 これで変換してみて、色々と色味の調整をしていきます。私は3回ぐらい色味の調整をしました。金色部分と赤色の彩度調整、人物の瞳の色調整などです。印刷して手元に届くまではもうわからないのでカンでやります。

原稿チェック

 何もかもわからないので、最後はシメケンさんの原稿チェックに申し込みました。無料です。
 回数限度はありますがよほどのことがない限りその制限に引っ掛かることはないでしょう。
 

 誤字のチェックはありません。ファイル形式などをチェックしてもらえます。申し込んで二日ほどでお返事が来た……気がします。
 何も問題がなければ入稿です!

いざ入稿

 全ての提出原稿が揃ったら入稿しましょう。あとお金の用意も忘れずに。
 私はこんな感じの注文でしたよ〜という内容↓

  • 小説同人誌(A6・400p対応)

  • くるみ製本

  • 本文376p+表紙4p

  • A6

  • 右綴じ

  • マット表紙

  • 小説紙(薄)

  • データ入稿

  • 遊び紙なし

  • 光沢PPカバー

 ……あらためて見るとヤバいですね。なんでこんなページ数になったのかわかりません。明らかに初めて同人誌を作る人間が頼むページ数ではないです。怖。これでも削ったんですよ内容を!!
 「欲しい!」と言ってくれた物好きな友人たちの分も合わせ、計4部注文し、合計金額は12,800円(送料込みで13,670円)でした。
 納期は10日でした。10月20日に入稿して11月3日前後の発送でした。到着日時は選べます。ヤッタネ!

 ここまできたらあとは待つだけです。長かったような、短かったような……。

届いたよ!

 うわあああああああああああああああああああああああ!
 ……というのが第一声でした。やはり感動ものです。これはすごい。箱を開けながら手が震えていました。
 丁寧に梱包されていました。プチプチつき。
 

本ですよみなさん!!!!

 400ページ弱で大体厚さ2センチ。すごいっす。
 思ったより軽いです。持ちやすい。
 表紙もツルツルしていて市販品みたいでした。感動。本文の誤字は愛嬌です。なんか誤字がかわいらしく思えてきました。だって初めての「本」だし。

感想

 みなさん本を作りましょう。楽しいですよ!

 実は今回本にした物語は、「私も作家さんみたいに物語を作れたらなぁ、あわよくばネットでひっそり連載とかしてみたいなぁ」と思って書いていたものでした。10万字なんて書けるわけがない、と途中で悟り、どこにも公開することなくただ自分の楽しみで書いていました。
 気づけば一年たち、手元には20万字(!?)の中編の集合体みたいなものがありました。「もしかして区切りのいい部分なら本にできるのでは?」と思い立ってあれよあれよと本を作ってしまいました。怖いね。オタクって何するかわからない。
 1ヶ月前の私に言いたいことは「見切り発車で本を作るなバカヤロウ。一ヶ月間原稿しかしてなかったぞコノヤロウ」です。でも多分懲りずにまた本を出します。もう過去編の原稿に手をつけています。まだ3万字。

 ともかく数万字揃えば本になります。自分が考えた物語が“物体“となって手元に存在しているこの喜びは他では味わえないでしょう。
 一回作れば次のハードルは下がります。
 まじで。
 今スキップしながら次の原稿書いてますんで。

 というわけで、みなさん。
 怖がらずに本を出しましょう!

 ここまでお読みいただきありがとうございました!

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