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未来を切り開くLimosaの新型eVTOL「LimoConnect」

はじめに


未来の航空業界を切り開く、革新的なeVTOLの開発者、Limosa。その最新のeVTOL航空機「LimoConnect」は、どのようにして生まれ、どのようなビジョンを持っているのでしょうか。本記事では、Limosaの創設者でありCEOであるHamid Hamidi氏のインタビューを通じて、その全貌を解き明かします。


1. 新型eVTOL「LimoConnect」の登場


カナダ・ケベック州を拠点とするeVTOL開発企業Limosaは、17回目の年次電動航空機シンポジウム(EAS)で、eVTOL航空機「LimoConnect」の最新バージョン「LimoConnect V2」を発表しました。同社は2028年にカナダ運輸省民間航空局(TCCA)から型式認証を取得することを予定しており、今年初めにはBAC Aerospaceと認証パートナーとしての協定を発表しています。


2.  Limosaの創設者とCEO、Hamid Hamidi氏のビジョン


Hamidi氏は、モントリオールで約10年間航空宇宙工学に携わってきました。彼は、Bell HelicopterやBombardierなどの主要企業で働いてきました。過去5年間、彼は航空業界の電化のトレンドを密接に追ってきました。特に、各国政府が2050年までに航空からのネットゼロ排出を達成するという2015年のパリ協定へのコミットメントを追ってきました。彼はこれを良い機会と感じ、Limosaを設立しました。


3. LimoConnectの特徴とビジョン


LimoConnectは、一つのパイロットと七人の乗客を搭載することができ、さらに高密度の配置では一人のパイロットと九人の乗客を搭載することを目指しています。現在のプロジェクトの多くが都市空間の移動に焦点を当てている中、Limosaはより地域市場に焦点を当てています。これは、混雑した都市環境で運用する航空機よりも認証が容易だと考えているからです。


4. LimoConnectの開発段階


Limosaは約2年2ヶ月前にプロジェクトを開始しました。彼らは既に初期設計を完成させ、1:10スケールのモデルを作成しました。そのスケールモデルの飛行試験に基づいて、いくつかの欠点を見つけ、設定にいくつかの変更を加えました。新しい1:8モデルを作成し、2023年10月にサンフランシスコで開催されるAIRTAXI World Congress 2023で展示する予定です。


5. LimoConnectの仕様


LimoConnectは、主翼上に4つのベクトル推力電動ローターと、ホバー用の4つの二枚羽根固定ローターを備えています。また、V字型の安定板に2つの固定ローターを備えています。さらに、200マイル/時(320キロメートル/時)の巡航速度、150マイル(240キロメートル)の航続距離、1時間の耐久性を発表しました。また、ノイズ影響についても、モーターを供給するパートナーと共に推進システムを開発中であり、500フィート(150メートル)で60から65デシベルを目指しています。


6. カナダのeVTOL市場について


Hamidi氏は、カナダのeVTOL市場について、特にケベック州の北部地域など、地上交通が容易でない場所にこの航空機を展開する可能性があると述べています。また、トロントやブリティッシュコロンビアも良い市場であると考えています。


7. 会社と航空機の名前の由来


Limosaは、ゴドウィッツ科の鳥の名前であり、この鳥はニュージーランドから東日本まで最大6,800マイル(11,000キロメートル)をノンストップで飛ぶことができます。この鳥の体は、LimoConnectの胴体の最初のインスピレーションでした。


8. eVTOLコミュニティへのメッセージ


Hamidi氏は、全ての人々が2050年までにゼロ排出の航空を目指して働いていると述べています。彼は、これは伝統的な意味での競争ではなく、新しい航空機を導入し、現在主流の航空が到達していない地域にサービスを提供し、徐々に既存のサービスを置き換えることに貢献しようとしていると述べています。


まとめ


Limosaの新型eVTOL「LimoConnect」は、航空業界に新たな風を吹き込む可能性を秘めています。その開発過程、ビジョン、そして未来への展望は、私たちが目指す持続可能な未来への一歩を示しています。この新たな技術がもたらす可能性を最大限に活用し、より良い未来を共に創り上げていきましょう。

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