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組織改革のカギを握る LeSS の考え方を深掘り

こんにちはこんばんは。スクラムマスターの いのもえ です。

先週、 LeSS の夜明けというカンファレンスに参加しました。
カンファレンスの DAY 2-4 は研修デーになっていまして、私は CLP(Craig さん)に参加しました。
研修の中で多くの気付きがあったので、今回の記事ではその気付きをまとめたいと思います。

Craig さんにも強調して教えていただいたのですが、 CLP は「研修内容のサマリなどを人に教えてもらってもあまりピンとこない、理解しづらい」という特徴があります。実際に参加しても、ワークを通じて自分で気づきを得ることが特に重要な研修だと感じました。
CLP を受けようか迷っているという方は、是非ご自身で受けてみて気づきを得ていただきたいです。この記事がそういった悩まれる方の後押しになれば嬉しいです。


LeSS は開発プロセスを定めたものではない

今回 CLP で得た一番大きな気付きは「LeSS は開発プロセスではない。組織作りの考え方である」ということです。

LeSS は「いろんな状況に適応できる組織」を実現しやすくしてくれるツールです。そのため、開発にあたるチームに対して LeSS のプロセスを提供するだけでなく、 LeSS に参加するチームの報酬の決め方や個々人を支援する方法、人事評価もそれに合ったものを用意する必要があります。つまり、適応範囲が開発に直接関わる人(e.g. エンジニアやデザイナーなど)に収まらないのです。また、こういった背景から組織変更の権限がある方(e.g. 経営層など)も LeSS に対する十分な理解が必要です。

「LeSS を導入する」という状況は、もともとスクラムをやっていたり、知っていたりすることが前提にあることが多いと思います。プロダクトが大きくなってきてチームのスケールを考えた時に、「大規模スクラム」の 1 つとして選ばれる場合が多いのではないでしょうか。
「LeSS = 複数チームでスクラムを使った開発を進めるためのプロセスが定義されたもの」と考えると、なかなか報酬の決め方まで考えが及びづらいですが、後追いでも会社の仕組みを変えるタイミングが必要なことは理解して導入を進める必要があると感じました。

会社の目指す姿を定義するのが重要である

LeSS の根幹にあるのはシステム思考(因果ループ図)だと感じました。

システム思考を用いて要素間の関係性を明らかにしていく際に、「これは良い状況なのか?悪い状況なのか?」と判断していく場面が多く発生します。
このときに重要になってくるのが「会社や組織の目指す姿」です。
関係性を善悪で判断するのではなく、「会社や組織の目指す姿に適合しているのか?」「どうしたら目指す姿に適合するのか?」という観点で分析やアプローチ方法を考えるのが必要である、ということを CLP で学びました。

この学びに立つと、 LeSS 導入を進める際にはそもそも自分たちの組織の目指す姿を知る必要があります。例えば LeSS でよくあるプラクティスは互いに学び合うようなものが多くありますが、会社の目指す姿によってはそもそも学び合う必要もないかもしれません。

トランザクションコストとスイッチングコストを減らすために技術を使う

トランザクションコストはチーム間のやり取りや情報共有にかかるコストを指します。例えば、他チームとの会議や合意形成やドキュメントの作成・確認のことです。
スイッチングコストはメンバーが複数のタスクやプロジェクトを切り替える際に生じるコストを刺します。こちらのコストは苦しんだことがある方も多いかもしれません。

これらのコストは 0 になることはありませんが、極力減らすことで集中してプロダクト開発やプロジェクト進行できるようになることは想像に難くないと思います。技術的なアプローチを採用する時にもこの目的をはっきりさせて採用することが重要だと感じました。

例えば、アジャイルな開発プロセスではよく「ペアプロ」「モブプロ」の導入を勧められているのを見かけます。これらは複数の人がリアルタイムで同じ理解に立てることから、コミュニケーションの効率化や確認・調整作業の削減が期待できます。つまり、トランザクションコストの削減に寄与することができる方法だと言えます(ここでは省略しますが、ペアプロやモブプロはスイッチングコストの削減にも寄与する方法です)

CLP は実際に受けてみて、「LeSS について理解が深まった!」というよりは「物事の捉え方がわかった!」というもう一歩抽象的なすっきり感がありました。
どの組織でも、 「LeSS の導入」が目的になることはなく導入を通じて「理想の組織を実現すること」が目的になると思います。このように視座を引き上げてくれる・引き上げた後の考え方を教えてくれる研修だったと思います。

なかなか開催されない研修なので、参加を迷ってる方は是非参加をおすすめします。

LeSS の夜明け全体の話も書いているので、よろしければこちらもどうぞ!

余談ですが、今回は見出し画像を Chat GPT に作ってもらいました。絵も描けてすごいですね。

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いのもえ(moe)
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