「初めての挑戦」を後押ししてくれたもの
どうもどうも、みやこびとです。
突然ですが、皆さんは突如「人生で初めてやってみること」に挑戦する機会に出会ったら、どう反応しますか。
即決できる人は素晴らしいけど、そうじゃない瞬間もたくさんある気がします。
今回は、今年の4月に突然わたしの目の前に現れた「人生で初めて、自分の描いた絵を公募展に応募してみる」という思いがけないチャレンジについてを書きたいと思います!
公募展と出会ったきっかけ
そもそもの始まりは、4月に盛岡に遊びに来た際に、いろんな方の紹介の数珠つなぎでたどり着いた「アートショップ彩画堂さん」にて、店主の伊山さんと出会ったことがきっかけだった。
ひょんなことで絵を描いている盛岡在住の素敵な女性(ひろこさん)と出会って、ちゃっかりご自宅にお邪魔して彼女の作品の数々を拝見させていただき、彩画堂さんのこともご紹介いただいたこともあり、なんかふと、久しぶりに紙に絵を描きたくなって色鉛筆を1-2本買いにきたのだ。
そして、自分が宿泊していたエリアから少し離れたこのお店に来れたのは、お土産屋さんの優しい優しい店主の方が「重そうな荷物だね、よかったら荷物置いていっていいし、自転車を貸してあげるから、行きたいお店回っておいで」と言ってくれたおかげである。
見ず知らずの直線ストレートな髪型の旅人に、こんなに優しくしてくれるなんて。盛岡には聖人しかいないのだろうか。
昨日も紹介したけど、この4月の旅で起きたミラクルは以前のnoteにまとめてあるので、これ以上の詳細は割愛する。
話を戻そう。
前日に行われたトークイベントに伊山さんも参加していたそうで、偶然にも席が近く、なんとなくお互いのことを覚えていた我々は、すっかりトークイベントの感想を語り合って盛り上がっていた。
調子に乗った(?)わたしが、自分が書いていたイベントのグラフィックレコーディングのメモをお見せしたところ、とっても感動してくださった。
そこから「絵を描く」ことへ話が移っていって・・・
元々、その日の午前中にひろこさんに「斎賀堂さんが毎年公募展を開催している」ことは教えてもらっていたのだが、まさか開催主ご本人から直々に企画趣旨まで教えていただけることになるなんて。
「こんな小さなサイズだから!ぜひ描いて出展してみて!待ってるね!」
伊山さんにそう言われ、気がついたら、当初の目的だった色鉛筆2本に加え、F0のキャンバスまで手にしていた。
「な、なに描けばいいんだ・・・!だけど、ちょっと楽しそう」
そんな気分で盛岡を後にしたことを覚えている。
制作格闘の日々
幸いなことに、昔からわたしはお絵描きがずっと大好きである。
ちらしの裏、自由帳、交換日記・・・と、あらゆる場面でお絵描きを楽しんできたが、別に美術部出身でもなければ、小中高全てのシーンで絵で入賞したこともない。
とはいえ、多くの人にとって、小さい頃はがクレヨンや色鉛筆などを持ち、自由気ままに、無邪気に何かを描いて表現するのは、もともとは楽しい行為だったのではないだろうか。(好き、という自覚がなくても、表現しているという意識がなくても、少なくとも、なんの苦手意識もなく、ただ絵や線を描いて遊んでいた人は多い気がする)
ただ悲しいことに、多くの人が大人になる過程で「お絵描きが苦手」「絵心がない」という自己認識が(知らず知らずのうちに、周囲の環境や美術の授業などで)勝手に育ってしまい、筆を取って絵を描くことから自然と離れていってしまっているのが現状だ。
会社を辞めて1期生として飛び込んだムサビの新設大学院で、ざっくり「イラストを用いて対話することが、創造的なコミュニケーションにどのように影響を与えるのか」というテーマで修士研究をしていた時、ヒアリングさせていただいた多くの方からこのような声を頂いた。
そういう意味では、ある意味、わたしはラッキーだったのかもしれない。
授業以外で評価される場で絵を描いたことがなかったからだ。
そして鈍感だったのか、あまり周囲の友人たちと自分の描いたものを比べることもしてこなかった。(みんな絵が上手だったのに)
だから、変な苦手意識が芽生えることもなく、お絵描き好きのままで生きてくることができた。これはありがたいことだ。
とはいえ、公募展に向けては、うだうだと悩んでいた。
\何を描けばいいのか!/
\いや、わたしは何を描きたいのか?/
5月末が応募期限だったのに、盛岡を離れてからも全然構想が浮かばない。
困った。
出展する決意が固まったとしても、行動に移すのはなかなか難しい。
困りすぎて、連休中に突然「一緒に絵を描く時間を過ごそう」と意味不明なお誘い文句で友人(おなじみの美咲ちゃん)を自宅に招き、強制的に筆を取ってとりあえずなんか描いてみることに。
一人ではなかなか着手できない事でも、友達と一緒ならできることってあるよね。ありがとう美咲ちゃん。
その結果、最初はぼんやり「大好きな山の風景でもデッサンで描くか・・・」と思って描き進めていたのだが、
だけど、あれ?
なぜだか気づいたら山ではなく、大好きな「シロクマ」ばかりがイラスト帳の上に出現していた。
どっちも大好きだけど、絵にしたときにより「心が躍る!」「表情が愛くるしい!」のは、そのときは「シロクマ」だった。みやこびとの脳内相撲で、「シロクマ」に軍配が上がった。
でも、本当に大変だったのはここから。
モチーフ(シロクマ)が決まったところで、すぐに納得ができる絵が描けるわけではない。あーでもない、こーでもないとスケッチを繰り返してみたものの、なかなか思い描くような表情やボディラインにならないのだ。
とにかく、日常のなかで意識的に色鉛筆を持って出かけ、シロクマに限らず何かを描いてみることを増やしていった。
そうすると、不思議と色鉛筆の使い方、発色のこと、線の種類による印象の差、などなんとなくだけど、上手い下手ではなく自分の好みのラインが少しずつ分かってきた気がした。
清書の大変さを痛感
5月最終週を前にして、なんとなくの構図も決まった!(ギリギリ)
あとは、F0サイズで納得のいく1枚を描くだけ!やったね!
・・・なんてルンルンだったけど、実はここからのステップが一番大変だった。
めちゃくちゃ集中して描いているはずなのに、あとちょっとのところで納得のいかない部分が爆誕しやがる。しかも何度も。
色鉛筆は一度書き誤ると、修正するのは非常に難しかった。
お絵描きの神様、少しばかり酷ではないですかね・・・
「自分だけが見て楽しんでおしまい!」なのであれば、多少どころかかなりのオイタは目を瞑りまくるけど、今回は10回も続く老舗の公募展に出すのだ。しかも住んでもいない盛岡の地で。
妥協できないマンが、わたしの中で誕生してしまった。
時間がないのに!!!!笑
でもしょうがない。妥協できないってことは、多分自分の中に完成させたいイメージがこれまで以上に強まっている証拠なのだろう。妥協できないマンとの心の中での同棲を許可した。
結果、都内から盛岡に作品を郵送するのがギリギリ間に合う最終のタイミングでなんとか、作品と呼んでもいいかなって思えるシロクマさんが描けた。
妥協できないマンはロケットに乗って宇宙に飛び立っていってくれた。
さよなら、二度とこなくていいよ。
出展を決意したのはだいぶ前なのに、結局ギリギリになってしまった。
けれど、彩画堂の伊山さんから「無事に作品届いたよ〜!」って連絡をいただけてマジでホッとした。
いよいよ、公募展を見に行く日
それから約2ヶ月が過ぎた。
ついに、大好きな盛岡で公募展が始まった。
あえて昨日は一人では見に行かなかった。
オット氏が今日から盛岡入りしてくれることになっていたので、一緒に見に行きたかったのだ(正確にいうと、一人で見に行く勇気がなかった←)
今回の公募展、10回目の開催にして、なんと過去最多の287点が出展されたらしい。圧巻。すごい。愛されている。
岩手日報でも記事になっていたし、昨日も盛岡のいたるところで公募展のDMを置いていただいているのを、見るたびに緊張したのはいうまでもない。
でも安心しろ、実力者揃いで、作品が287点もあるんだ。
わたしのシロクマさんはきっとその中にいい意味で埋もれてくれているはず。
ちなみに、絵と合わせてお送りするべきプロフィールシートを盛大に失念していた(←)ので、今回直接持ち込ませていただくことに。本当に恐れ入ります、、汗
緊張MAXの中、美味しいカレーで腹ごしらえをしてから、4月ぶりに彩画堂さんに向かった。
店主の伊山さんにご挨拶をし、3ヶ月ぶりに会えた喜びを携えつつ、いよいよ展示されている奥のスペースへ。
\すっごい数/
最初の印象はこれ。分かっていたけど287点のF0サイズの絵が一斉に展示されてるのって本当にすごい。
そして何より、皆さんめちゃくちゃ上手い。F0を使いこなしている!
自分の絵がどこにあるかなんて一瞬でどうでも良くなり、ただ単に他の出展者さんの絵に見入ってしまった。
「F0の無限の可能性を探る」と掲げられた公募展の10回目である。
無論、創意工夫の猛者ばかりである。
「なるほど〜〜〜」
「おもしろいッ」
「う、美しい・・・」
「かわいい」
いろんな感想が怒涛で押し寄せた。
なんか美術館とかギャラリーで普段見ているプロのアーティストさんの作品とはまた違う、斬新で新鮮な学びが多かった。
なんせ同じサイズのキャンパスで、どのように描くか、魅せるか、格闘したあとなのである。学びのインプットの量も質も格段に違った気がする。
そして・・・ついに・・・見つけてしまった。
\本当に飾ってある!!!/
見つけてしまったときにすごくドキドキした。
ムサビの修了展でも展示自体は経験していたのに、やっぱり論文ベースの展示と、絵を展示するのは全然違う。上記の準備は何一つとっても新鮮で初めての体験だった。
正直、他の手練れな出展者さんたちと比べると、自分の作品の不慣れで至らない部分もかなり目についてしまった。
でも、出せた。
本当に公募展に自分の絵を飾ってもらうことができたのだ。
作品が飾ってあることを目にして初めて、ちゃんと自分の手で描き上げたとはいえ、郵送で作品を送っただけでは得られなかった、本当の達成感を得られた気がした。
荒削りでも、今できるだけのことは反映できた。
ただただ、嬉しかった。
勇気を出して応募してみて、感想と学び
まず、何事も人生で初めてのことに挑戦できた、というシンプルな事実がすごく良かった。
他の出展者たちさんの作品を拝見して、「もっと自分もこうすれば良かったな」「こんな表現どうやるんだろう」など、反省点も改善点もたくさんあったけど、同じ規格で挑戦したからこそ、ただ「綺麗だな」「上手だな」って思う以上の視点で見ることができたのは大きかった。
そして何より、いろんな方にご縁を繋いでもらって本公募展に出会うことができ、無事に出展まで出来たことが何よりも嬉しかった。
百名山完登チャレンジもたくさんの人に支えてもらったと思うけど、あくまで自分の思いつきで始めたことであり、もはや意地で最後までやり切った感覚が強い。
ただ今回の公募展は、いくらでも挫折することができたはずだった。
仕事もまあまあ忙しかったし、プライベートも年明け以降のことでバタバタしてたし、投げ出したくなる理由の方が多かった。
でも、もはやなんの動機なのか分からないけど
「盛岡にまた戻る機会が欲しい」
「お世話になった人たちにまた会いに行きたい」
といった具合に、絵を描き上げることや初めての公募展に挑戦するわくわく感よりも、盛岡という地で、縁あって繋がった公募展だからこそ、やり遂げてみたい、という気持ちが強かった。
飾ってある絵を見れたとき、なぜだか心底ホッとした。
大好きな盛岡の地で、人生で初めて、絵を出展できて本当に良かった。
このご縁を繋いでいただき、わたしのささやかな人生初の挑戦を後押ししてくれた、「くふや」さんのオーナー夫妻、喫茶GEN・KIでお会いしたひろこさん、自転車を貸してくださったひだまりさん、そして伊山さん、本当にありがとうございました!
余談ですが、公募展に訪れるほんの数時間前に、またまた盛岡に帰ってくる理由(約束?)が一つ出来ました。
こうやって、次に訪れる約束と理由(言い訳?)が出来るのって尊いことや。
今回の挑戦は大きな学びと自信をもたらしてくれました。
これからもがんばるぞ〜〜
(はよ雑誌作りと個展の準備しなくちゃ・・・!)
過去最多のボリュームになってしまった気がするけど、もしここまでお読みいただいた方がいれば、ありがとうございました!
また明日!(疲れたので温泉浸かってくる🧸)
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