どうしてウィーンは”世界で最も住みたい街”といわれるのか~カールマルクスホフ~1930年に建てられたWELL-BEINGな市営住宅
前回まで4回にわたってオーストリアの鬼才「フンデルトヴァッサー」についてお話してきました。芸術家であった彼の発案による「フンデルトヴァッサーハウス」は”人と自然が街の中で共生する”ことを実現させた公共住宅の世界的に有名な例です。(これについてはウィーン今#9の記事を参照ください。)
実はこのユニークな住宅は1986年に完成したウィーン市の市営住宅です。だから、ここに住む人は市の住宅補助を受けています。
と、いうと低所得のひとたちだけ?と思ってしまう方もいると思いますが、実はそうではありません。
ウィーンは70%以上が賃貸住宅に住んでいます。そして、そのうち60%がウィーン市から補助を受けた賃貸住宅に住んでいます。ということは、ウイーン市民の40%以上が公営型(市営住宅)か組合型の家賃補助型賃貸住宅に住んでいることになります。(実は私たちもそうです!)
そして、実はこの住宅政策の伝統がウィーンを”世界で最も住みたい街”ならしめている重要な理由の一つなのです。
今回は、そんなテーマで”住みやすい街ウィーン”の秘密”に迫っていきたいと思います。
まず、「フンデルトヴァッサーハウス」の次に世界的に有名なウィーンの公共住宅「カール・マルクスホフ」(1927年-1930年)をご紹介したいと思います。
長さ1.1km!赤の砦「カールマルクスホフ」は当時最先端の公共住宅
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