クトゥルフTRPGシナリオ:『劇団列車改善』
※moyoさん作成のこちらのシナリオを少々改造させてもらったシナリオです!
↓
使用や改変はご自由にしていただいて構いません!
もっと楽しい要素など追加していただけたらとってもうれしいです!
………………………
【劇団列車】
○プレイ人数:2人~?
○予定時間:3~5時間?
○必要なもの
・目星
・なにか得意なことがあると楽しいかも?
・RPをがんばる気持ち
・あきらめない心
・持ち物もちこみ可
………………………
◇導入◇
(これまでのあらすじ)
ガタンゴトン…ガタンゴトン…『ドア…ます…ご注意…ませ…次は……駅……駅……』
友人関係であるあなたたちは今日も2人で街へとくりだしパリピでワッショイして青春を謳歌しました。
帰りの電車へと乗り込み、規則正しい振動に身をゆだねているうちに意識を奪われてしまっていたあなた達でしたがかすかに聞こえてくる車内放送の声を耳にし、うっかり乗り過ごしてしまったのではないかと慌てて飛び起きます。
↓(目を覚ましてもらう)
目を覚ましたあなたたちは周囲を確認します。…が、どうも妙です。そう、乗り込んだはずの電車と様子が違うのです。
床はキレイにしてありますがどこか古ぼけています。車内の内装も同様です。
お世辞にもあまり洗練されているとは言えないシンプルな内装は、あなた達の乗った電車のものとは明らかに異なります。
奇妙なのは車内だけではありませんでした。窓の向こうは真っ暗闇でなにも見えません。いくら夜といえどこんなにも暗い場所を通る事はこれまであったでしょうか?
街灯の明かりなのか、時折キラリと光るものが視界に入ります。しかし周囲の建物のシルエットなどが浮かび上がることはありません。やはり何かがおかしいです。
…そして何より奇妙なのは、あなたたち2人の間ですやすやと寝息を立てる見知らぬ少年の存在です!
↓(少年に気づいてもらう)
「ん…ここは…あれ…僕、なんで電車に…?たしか、練習の途中だったのに…」
少年が目を覚ますと静かなメロディが車内に響き、続いて車内放送が聞こえてきます。
『ご乗車中のお客様にお知らせいたします。この電車は一両編成で運行しております。次の停車駅は【一野駅】【一野駅】です。お困りの際は運転席までお申し付けくださいませ。それでは皆様、良い旅を…』
放送の通り、この電車は一両編成の小さなもので、お客さんはあなたたち2人と少年。そして少し離れた席で眠っている男性…4人だけです。
【荷物】は眠る前と同じように手元にあります。そしてあなた達の手には紙製の【切符】が握られています。いつの間に手にしたのでしょう…?
あなたたちはこの不思議な電車の謎を解き、無事に帰ることが出来るでしょうか…?
………………………
◇お話の流れ◇
①目を覚ます
↓
②少年=妖精くんと話す
↓
③一野駅着。おじさんがバリムシャされる
↓
④車掌さんと会話してもらう
↓
⑤車内の手がかり探索
↓
⑥演劇パート
↓
⑦妖精くんからのありがとう、車掌さんからのあいさつ…そして現実へ(エンディング)
………………………
☆モヨダオリジナルからの変更点
・目的を分かりやすくする(少年を死の運命から救うという点をハッキリさせてプレイヤーの行動を誘導する)。
・自由行動のパートを追加し、自分達で手がかりを見つけさせる。
○少年?=妖精くんについて
とある島出身の少年(?)。今は自分の夢を追いかけ親元を離れひとりサーカス団の団員として働いています。家族とは頻繁に連絡をとりあっていてとっても仲良し。
今回はかねてからの夢だった島に伝わる昔話をモチーフにした演目を演じることになり大喜び。家族も見に来てくれるらしい!
…しかし本番の日が迫るある日、空中ブランコからの落下事故で意識不明の怪我を負ってしまいます…。
【三野駅】でサーカスをするからそこに行かないと!しかし握り締めていた切符は【二野駅】行きのものでした…。
切符は車掌さんに頼めば交換してくれもらえます。ただし追加で【金貨】が1枚必要とのこと。
あなたは【金貨】を見つけ出して妖精くんを助けられるでしょうか?
この列車は生命のレールめいたアレです。
終点以外の場所で途中下車すれば死にます。
(※どどんとふ等で見学者がいる場合
・この電車は『オーディエンス』に見られています。窓の向こう=見学席です。声は聞こえるし物を投げれば届くよ!
『聞き耳』すれば雑談の声が聞こえます。
(雑談が盛り上がってたら【聞き耳】振る)
・物を投げ入れれば舞台に入ります。
・【金貨】はクリアアイテムなので【金貨】を投げ入れる時は【Sccb<=30】で電車内に入るか判定しましょう。
(PLが見学席から金貨投げるのがたぶんクリア一番早いと思います。))
・卓の途中でたまに電車内になんらかのアイテムを増やして、『誰かが外から何かを投げ入れている』っぽいことを伝えよう。
………………………
クリア条件:
二野駅を無事に過ぎる
………………………
◇マップ◇
【列車内】 ●窓 ●広告 ●路線図 ●荷物置き場(おじさんバリムシャ後)
※お話の流れの ③おじさんがバリムシャされる まではあまり席から動かずにいてもらった方がいいかも?
●<窓>
やはり外は真っ暗で建物も景色もなにも見えません。しかし闇の中には確かになにかが存在し…白っぽいものやキラリと輝くものが一瞬だけ視界に入っては消えていきます。
…それに加えてあなたはもうひとつ大切なことに気づきました。…この列車の窓は窓枠だけでガラスがついていません!
↓
もっと良く見てみますか?
◇【アイディア】or【目星】
×:失敗
よーく目を凝らして外の様子を確認するあなたですが…闇がどこまでも広がるばかりでなにも見つけることは出来ませんでした。
なにかの視線を感じたような気がしたのですが…。
○:成功
あなたはよーく目を凝らして外の様子を確認しようとしました。…するとこちらの動きを察知したかのように闇がうごめき、真っ暗闇だったはずの窓の外が見る見るうちに白くなっていきます!
あなたはその光景から目を離すことが出来ず、開ききった“それ”と目をあわせてしまいました。…そう、目をあわせてしまったのです。
…暗闇の中に光る無数の“眼球”があなたをじっと見つめています!!
・SANチェック【1/1d3】
異様な光景に驚いたあなたでしたが気がつくと眼球たちは姿を消していました…窓の外は以前と同じように暗闇が広がるばかりです…。
【※!!重要ポイント!!※】
窓の外の人達は上位存在の『観客』です。探索者が面白いことをすれば【金貨】を1枚投げ入れてくれます。
◇判定について◇
PCがなにか面白いことをするたびに
シークレットダイスで【Sccb<=30】からスタートで徐々に増やしていくとかでどうでしょう。成功なら金貨を投げる…というように。
RP的に投げないほうが面白そうなら投げない、とか結構自由でいいかもしれません。因みに前回は30→60で成功しました。
●<広告>
電車の中には様々なポスターや広告が貼ってあります。
『中の良さそうな3人組がうつったカメラの広告』 『美味しそうな実を手にした笑顔のメイドさんのポスター』 『科学者風の女の子と元気な女の子が紹介する電脳マトリョーシカめいたともだちロボットの広告』…
あなたはその中に、荷物に紛れ込んでいた例のチラシと同じサーカスの広告を見つけました!
◇【アイディア】
×:失敗
あなたはそのチラシを一瞥しましたが先ほどのチラシと同じものだな…としか感じませんでした…。
○:成功
あなたはその広告の一部が先ほどのチラシと異なることに気づきました。
『移動サーカスが【三野町】にやってくる!応募締め切り間近!!』…先ほどのチラシには無かった筈の『締め切り間近!!』の文字を見たあなたは妙な不安感を覚えます。
あなたは更にもう1点異なる部分に気づきます…ポスターの中に描かれた妖精くんの腕がおかしな方向に曲がっているのです。先ほど見たのと同じように!こんな絵をポスターに使うなんてありえない!
・SANチェック【0/1d3】
あなたは奇妙な広告から目をそらしました…ですが『締め切り間近!!』の文字と『状態が悪化した妖精君』の絵から受けた言い知れぬ不安感をぬぐい去ることは出来ずにいます…。
●<路線図>
見たことのない地名がたくさん書かれています。とても複雑な路線図で、情報を読み取ることはかなり難しそうです…。
◇【図書館】or【目星】(成功失敗どちらでも情報を与える)
×:失敗
路線図はとにかく大きく複雑であなたは殆ど情報を得ることは出来ませんでした…。
しかし、この電車は終点の『三野駅』まで一直線で途中には『一野駅』と『二野駅』の2つの駅しか存在しないことを確認することが出来ました。
○:成功
複雑に枝分かれをした、まるで大きな川のような路線図としばし睨み合い、あなたはなんとか情報を得ることが出来ました。
この電車は既に終点に向かいつつあり、先ほどの『一野駅』の次は『二野駅』そしてあとは終点の『三野駅』があるだけです。
しかし、残念ながらあなた達が普段利用している駅の名前を見つける事は出来ませんでした…。
*適宜補足:二野駅到着までもうあまり時間は無さそうです…。
●<荷物置き場> (おじさんバリムシャ後確認可能) (確認さえすれば金貨は手に入る)
荷物置き場には先ほどのおじさんが座っていた座席の上にバッグが1つあるだけです。先ほどのおじさんが置いていったものでしょうか…。
確認しますか?
・しない
あなたはバッグの中で何かがキラリと光ったような気がしましたが薄気味が悪いな…と思い、その場を後にしました…。
・する
バッグの中はキレイに整頓されています。難しそうな研究ノートや、かわいらしい少女と優しそうな男性…さきほどのおじさんとその娘さんでしょうか?が一緒に写った記念写真、名刺などが入っています。
◇【目星】
×:失敗
…あなたはその他に有用そうなものを確認することはできませんでした…紙に包まれたキラキラと光るもの以外は。
包みの上から顔を出している光るものは…金貨に間違いありません!
↓
また、あなたは金貨を包んでいた紙の内側になにか記されていることにも気づきました。
…この金…は……客…ャンス…
……私は………思え……った…
…道半ば…諦め…は…悲しい…
…キミ…ちが…上手く……願…
…叶…会いたか……幸……も…
…かなり急いで書き残したことが伺えます。これ以上読むことは難しそうです…。
○:成功
あなたはその中に紙に包まれたキラキラと光るもの…そう、金貨を見つけることが出来ました!おめでとう!!
↓
また、あなたは金貨を包んでいた紙の内側になにか記されていることにも気づきました。とても丁寧な字で記されたメモのようです。
…この金貨は、どうやらこの列車の乗客に”チャンス”を与えてくれるものらしい。
私はここに来るまでにこれを使って自らの運命を変えた者を何人か見てきた。
だが、私は自らがそうした機会を与えられるべき人間だとは思えなかった。
以前は研究研究でそんな事を考える暇も無かったが…この電車に揺られるうちに、ようやく自分のしてきた事に向き合うことが出来た。
今更こんなことをしても贖罪になるとは思っていないが…これは自分なりのケジメだ。
自らの夢を道半ばで諦める事は悲しいことだ。キミたちがこれに気づき、上手く使ってくれることを願っている。
…あぁ、だが叶うならばもう一度。もう一度だけ会いたかった。幸せになってほしい。も
…メモはここで破り捨てられていて、続きを読むことは出来ません…。
●<運転席>
『おや、どうかなさいましたか?』あなたが運転席のドアをノックすると車掌さんはあっさり扉を開けてくれました。
それに合わせて運転席に座っている”何か”もこちらに振り向きました。…そう”何か”です。人ではありません。
見た目は真っ黒いローブを着た小柄な人間のようにも見えます。しかし、手にあたる部分まで真っ黒で、どこまでが服でどこまでが身体なのかハッキリしません。
顔にあたる部分も同様に真っ黒でその表情をうかがい知ることは出来ません…ですが、大きな二つの目のようなものだけが爛々と黄色い光を発しています!
・SANチェック【0/1d2】
『…あぁ、彼らですか。安心してください、彼らは優秀な”お手伝いさん”です。危害を加えたりすることはありませんよ』
車掌さんがそう告げると“お手伝いさん”はこちらにぺこりと頭をさげ、再び視線を前方に戻しました。
『彼らはそれぞれ次の新たな舞台が見つかるまでここでこうして働いているんですよ。ほら、こうして』
あなたは車掌さんの視線の先…自分の足元を見ます。いつの間に現れたのでしょうか、先ほどとは別のお手伝いさんがトレイに飲み物を乗せて佇んでいます。
『グリーンティーですよ。折角ですのでお飲みになってください』
あなたが飲み物を受け取るとお手伝いさんはぺこりと頭を下げ、運転席の隅の椅子に座りました。
『…さて、落ち着きましたか?なにかご用があったのでは?』
↓
◇NPC◇ の ◆車掌さん 会話パターン集へ
………………………
◇アイテム◇ ○切符 ○自分の荷物(しわくちゃのチラシ)
○【切符】 三野駅行きの切符です
あなたはいつの間にか手にしていた切符を確認してみることにしました。
紙製の切符で【三野駅行き】と書いてあります。かなり長いこと握り締めていたようで少ししめっています。
・2人目の切符
あなたは自分の切符も確認してみました。同様に紙製の切符ですが…**が持っていたものとは異なり【二野駅行き】と書いてあります。
※PLの切符は1枚だけ三野駅行きにする(おじさんの残した金貨だけだと足りない、という状態)にすると楽しいかも?
○【自分の荷物】
あなたは自分の荷物を確認してみる事にしました。…普段持ち歩いているものはみんなきちんと入っているようです。よかったね!
…ですがあなたはその中になにか…普段入れていないはずのものが見えたような気がしました。
◇【目星】
×:失敗
…なんとなく違和感を覚えたあなたでしたがただの自分の荷物だな…としか感じませんでした…。
○:成功
もう一度荷物の中身を確認してみたあなたは違和感の正体に気づきます。その正体は…【しわくちゃのチラシ】でした。
こんなチラシを受け取った記憶は無いのですが…いつの間に持っていたのでしょう?あなたはそのチラシを広げて見てみます。
↓
○【しわくちゃのチラシ】
『移動サーカスが【三野町】にやってくる!不思議がいっぱいの冒険の世界にキミをご招待!!』
とある島に昔から伝わる物語を元にした演目のようです。美しい人魚のような装束の女性や、トナカイのようなきぐるみを着て微笑む男性をはじめ、にぎやかな衣装に身を包んだ演者たちがたくさん描かれています。
また、その中心では『羽の生えた黄色い衣装』の演者が笑顔でこちらに手を伸ばしています。どうやらこの羽の生えた黄色い衣装を着ているのが妖精くんのようです!
【アイディア】か【目星】でさらに確認を行えます
◇【アイディア】
×:失敗
…あなたはこの絵の中になにか奇妙な違和感を感じた気がしましたが…よく分かりませんでした…。
○:成功
チラシをよーく確認したあなたはこの絵の中に”いるはずの無いもの”が描かれていることに気づきました。
…演者の中にあなた達2人とそっくりの演者が描かれています。
他人の空似ではありません。絵ではありますがそれは確かにあなた達だと断言できるほど、よく特徴をとらえています。
なにより奇妙なのはその衣装でした。他の演者と異なり、その2人が着ているのは衣装ではなく、とても現代的な…
そう、今日あなた達が着ているものとまったく同じ服を着た2人組が、最前列で観客に向けて手を振っているのです!!
・SANチェック【0/1d3】
(他の人からも同じように見える)
◇【目星】
×:失敗
公開初日の日程は【プレイ日】です。あなたは他に目新しい情報を得ることは出来ませんでした…。
○:成功
あなたは公開初日の日程が【プレイ日】であること、そしてこのサーカス団の連絡先として書いてある住所は実在する地名だという事を確認しました。
それにしてもこのチラシ…どこかで見かけたことがあったような…?
………………………
◇NPC◇ ◆少年(?) ◆車掌さん ◆おじさん
◆少年(?)
黄色い髪でショートカットの14歳ほどの少年です。緩く白のパーカーを羽織っています。少年は不自然なほどメイクがばっちりです。
◇【知識(EDU×5)】
×:失敗
あなたは最近の子はこんなに若い頃からしっかりメイクをしているのか…。
ひょっとして自分ももっとスキンケアに気をつけなければいけないのだろうか…?と少ししょんぼりしてしまいました。
○:成功
演劇を何度か見たことがあるあなたはこれが舞台用特殊メイクだと気づきました!
遠くの観客席から見ることを前提にしているから近くで見るとかなりケバく見えるんですね。
◇【アイディア】
×:失敗
あなたは少年の身体のラインにちょっとした違和感を感じた気がしましたが…小さなものだったので気にしないでおきました。
○:成功
少年の腕の向きに小さな違和感を感じたあなたは、服のスキマから腕の方をちょっと覗き込ませてもらいました。
…なんと少年の服に隠れた腕は血まみれで、普通ではありえない方向に曲がっています!
・SANチェック【0/1d3】
驚くあなたをよそに少年は平然と答えます。
『あ…これですか?いつの間にかケガしちゃったみたいで…でも大丈夫です!こんな怪我よりとにかく会場に急がなきゃ…!』
こんな大怪我が大丈夫なわけが無い…あなたはそう思いましたがこれ以上の追求はしないでおく事にしました…。
◇【医学】or【幸運】
×:失敗
あなたの知識では少年の怪我の詳細な情報を得ることは出来ませんでした…ただ、大怪我なことは間違いありません。
○:成功
…(医学の心得がある)あなたはこの怪我がいわゆる”高エネルギー外傷”に分類されるものだということを理解しました。
高所からの落下などにより引き起こされるもので、目に見える怪我以上に体内の組織が著しく破壊されている可能性が高い危険なものです。
もし両手両足を折るほどの出血をすれば生命の危機でこうして普通に話せるわけがない…それなのに、目の前の少年は平然としています。
「あの…どうしましたか…?」
・(上記アイディアでSANの減少が無い場合追加で)SANチェック【0/1d2】
<会話パターン例>
・キミは誰?
「えと…すみません…僕、自分の名前が思い出せなくて…」
少年は少しだけ考えてからこう続けました。
「…たしかサーカス団では“妖精くん”って呼ばれてたハズだと思います…とりあえずはそう呼んでいただければ…」
・サーカス団?
「はい!僕、移動サーカス団の団員なんです!次の公演ももうすぐで…あっ、そうだ!思い出しました!僕【三野町】に行かないといけないんです!」
「でも…この切符…【二野駅】行きで…困ったな…お財布も無いし…」
少年はとても困っています…。
・払おうか?or交換しようか?
「ほ、ホントですか!?でもそれじゃあお兄さんは…」
少年は心配そうにあなたを見つめます…。
・大丈夫!
「ありがとうございます…!あぁ、本当にありがとうございます…!」
「あ、あの、それじゃあ良かったら僕たちのサーカス、見に来てください!僕が団長に頼み込んで無料で…は無理かもしれないですけど…特別割引で見れるよう、お願いしておきますから!」
少年はなんとか自分に出来る恩返しは無いかと考えてくれているようです。
・チラシ
「あっこれ!そう、これ、僕らのサーカス団のチラシです!持っていてくれるなんて嬉しいなあ…ありがとうございます!」
少年は満面の笑みを浮かべていましたが、チラシの公演場所を見て表情を曇らせます。
「でも…困ったな…三野町…間に合うかな…」
・ここはどこ?
「僕も今目が覚めたばかりで…さっきまで練習してたはずなんですけど…」
・どこで降りるの?
「えっと、僕、移動サーカス団の一員なんです。今日三野町で公演で…だから三野駅で降りなきゃいけなかったんですが…持っていた切符はこれで…」
そう言うと少年は自分の切符を見せます。
「間違えて【二野駅】行きのを買っちゃったみたいで…財布も無いし…どうしよう……」
・サーカスの演目について
「はい!僕が小さい頃から読んでいた大好きな昔話で…冒険者を導く妖精の役をやりたくて何度もお願いしたんです!」
少年は嬉しそうに語ります。
「たくさんのお客さんに…そして家族に見て欲しくて頑張ったんです!だから絶対に三野町に行かなくっちゃ…!」
・家族とは仲が良いの?
「はい!今は僕1人で島を出て暮らしてるんですけど…すごく仲がいいんですよ!今回もわざわざ島からこっちに出てきて見に来てくれるって言ってくれて…」
家族について話す少年の顔はとても幸せそうです。
・サーカスを見に行きたい
「本当ですか!嬉しいなあ…それじゃあぜひ受付で僕の紹介だって言ってください!特別価格で見れるよう、団長にお願いしておきます!」
・おじさんがバリムシャされた後
「あ…ありがとうございます…だ、大丈夫…大丈夫です…僕には、お2人がついていてくれますし…!」
そうは言うものの少年の表情からは先ほどの明るさが失われてしまっていた…。
今はあまり会話を出来そうにない…しばらくそっとしておいてあげよう。
・金貨を持った触手を見る
「あの…僕が演技したとき、観客の方が花束を投げてくれることがあったんです」「オーディエンス…ひょっとしたら…あの金貨もそれと同じなんじゃないでしょうか…?」
「演技…いえ、演技じゃなくても、観客の方の心に届くような、何か…」
「…あの、団長がいつもこう言っていました!」
「『自分達に出来ることを全力でやれば、必ず誰かにその想いは届く』です!」
「なにか僕にも出来ることがあったら言ってください!お手伝いしますから!!」
※PLになにか頼まれたら演劇のサポートをしてあげよう!!
◆車掌さん
台詞がいちいち演技っぽい。
なにやら仕事に集中しているようです…声を掛ければ話してくれるかも。
◇【目星】もしくはRPで振り向かせる
「はい、どうなさいましたか?」
あなたの呼びかけに応え振り向いた車掌さんはよく見ると異様に大きく…身長2mはありそうです。
それだけでなく車掌さんはその顔も手も真っ白な…骸骨です!
・SANチェック【0/1d3】
・終点行きの切符が欲しい
「切符の買い替えですか。ええ勿論可能ですよ。どちらまで…と言っても残りは二野駅と三野駅しかありませんし、二野駅行きの切符を三野駅行きのものにする…という事でよろしいでしょうか?」
・いいです!
「かしこまりました。追加料金は切符1枚につき【金貨1枚】となっております」
・金貨なんて持ってないよ!
「そうですか…そうしますと申し訳ありませんが二野駅で降りていただくしかありませんね。規則ですので…」
「ただ…終点、三野駅以外で下車した場合どうなるかは…先ほどご覧になった通りです。その点に関してはご了承ください」
「他になにかご用件がありましたら運転席へいらしてください。それでは失礼いたします」
・お金じゃダメ?
「そうですね…申し訳ありませんがこちらの紙幣はここでは価値の無いものですので…」
不意に車内に吹き込む風が強まり、低い唸り声のような音が響きます…。
「オーディエンスの皆様もこう仰られていますので…なにか他にご用件がありましたら運転室の方へいらしてください。それでは失礼いたします」
・ここはどこ?
「ここはご覧の通り【終点】へと向かう電車ですよ。我々はお客様の安全を第一に時間遵守での運行を心がけております」
・あの触手は?
「あれはオーディエンスの皆様です。少々気の短い方もいらっしゃいますが、やるべき事をやれば必ず応えてくださいますよ。ご安心ください」
・おじさんはどうなったの?
「あるべき所に行っただけですよ。ご安心ください。いずれまたここに戻ってくるでしょうから」
◇探索者が全部やりきった
「お客様」
気がつくとあなた達の後ろに車掌さんが立っていました。
「もうすぐ二野駅に到着いたします。金貨のご用意はよろしいでしょうか?」
・できてない!
「ふむ…かしこまりました。私もお客様のご希望に添えないのは本意ではありませんので…少々お待ちくださいませ」
そう言うと車掌さんは電車の中央辺りまで移動し、まるで司会者が舞台上で演者を紹介するような手振りで、両手を広げます。
「『オーディエンス』の皆様。こちらのお客様方はどうしても金貨が必要との事です。彼らが機会を得るべきか否か、皆様自身の“目”でご確認をお願いいたします!」
車掌さんが言い終わるや否や窓の向こうで無数の目が開き『うおおオオオ!』という歓声とも暴風ともとれるような恐ろしい叫び声をあげるのをあなたは目の当たりにしました!
・SANチェック【1/1d6】
「…私に出来るのはここまでです。ここから先はお客様方次第…オーディエンスの皆様にお客様方の決意のほどをお見せになってください」
「ご安心を。少々荒っぽいところもありますがオーディエンスの皆様の目は確かです。お客様方の事を正しく評価してくださるはずですよ。それでは、ご健闘をお祈りしております…」
そう言うと車掌さんは優雅に一礼し、運転室へと戻っていきました。
…“舞台”に残されたあなた達を取り囲む触手たちは、あなた達の事を見定めているようでもあり…同時に見守っているようでもあります…。
そして触手の中には…キラキラとかがやくなにかを持っているものがいます…間違いありません、金貨です!
・【金貨】を必要な枚数集めて切符を交換する
「えぇ、金貨*枚…確かにお預かりいたしました。皆様本当にお疲れ様でした。良いものを見せていただきましたよ」
車掌さんは骸骨なので表情は伺えませんでしたがどこか嬉しそうにも見えます。
「こちらが三野駅行きの切符です。終点まではもうすぐですが、どうぞごゆっくりお休みになってください。それでは皆様、あらためましてよい旅を…」
車掌さんは芝居めいてお辞儀をし、運転席へと戻っていきます。
「…まもなく二野駅…二野駅に停車いたします…」
「**さん!」
あなたたちのもとに少年が駆け寄ってきます
「すごいステージでしたよ!お疲れ様でした!!」
「そして…ありがとうございます。僕のためにこんな大変なことを…」
「あの、良かったら今度のステージ、見に来てください!今度は僕の演技をお2人に見て欲しいんです!」
「…あ、その前にまずこの怪我をしっかり治さなきゃいけませんね」
少年はいたずらっぽく笑いました。あなたたちからも笑顔がこぼれます…。 → EDへ
◆おじさん
帽子とコートを着たおじさんです。あなたから少し離れた席に座っています…。
・話しかける
「…………」
…反応はありません。眠っているのでしょうか…。
<一野駅に到着した>
『まもなく…一野駅…一野駅…お忘れものなさいませんように…お降りの方はお急ぎくださいませ……』
座っていたおじさんがゆっくりと立ち上がり、ドアに向かって歩き始めました。
ドアが開くと外は真っ暗です。
「お客様」
その時でした。一体いつの間にあらわれたのか、制服に身を包んだ男性が降りようとするおじさんに声をかけました。
大柄でとても良い姿勢が印象的です。こちらに背中を向けていて、顔を確認することは出来ません。
2人はなにごとか話しているようです。
【聞き耳】(成功でも失敗でもどちらでも同じ)
あなた達の席からは全てを確認することは出来ませんでしたが、断片的なものを聞き取ることが出来ました。
「…お客様、よろしいのですか…?」
「…えぇ。私はここで降りるべきだと思います…」
「…そうですか…お客様がそうおっしゃるのなら…」
「…えぇ…良い旅が出来ました。ありがとうございます…」
そう言うとおじさんは帽子をとり、駅員さんに一礼します。不意におじさんはちらり、と一瞬だけこちらに目線を向けます。
…再び帽子を目深に被るとおじさんは暗闇が広がる電車の外へと一歩踏み出します。
…直後、おじさんの体は巨大な触手に捕まり…一瞬で見えなくなり…
……骨が砕けるような嫌な音がして、また静かになりました。
・SANチェック【1/1d4】
☆情報を全て出し終えた
◆車掌さん会話パターンへ ↑
………………………
◇ED分岐◇
・二野駅に少年が降りる→ED1へ
・二野駅にPCが降りる→ED2へ
・全員が三野駅行きの切符を手に入れる→ED3へ
………………………
●ED1
……「**さん…お話してくれて、ありがとうございました…」
少年は にこっと悲しそうに笑い、真っ暗な電車の外へ一歩踏み出しました。
…直後、少年の体は巨大な触手に捕まり…一瞬で見えなくなり…骨が砕けるような嫌な音がして、また静かになりました。
・それを見たあなたは【1/1d6】
……「お客さん終点ですよ」
あなたは車掌さんに起こされました。ここはいつもの列車の中です。少年はどこにもいません。
変な夢だったなあ、と思いつつあなたは日常に戻ります。なんとなく左肩が重い気がしますが…そのうち忘れるでしょう。
テレビではニュースが流れています。
『……町で開催される予定だった移動サーカスにて演者の転落事故があり……病院に運ばれましたがまもなく死亡……上映は中止に……』
●ED2
……「**さんありがとう…ごめんなさい……」
少年は 悲しそうにあなたを見送りにきます。
あなた は電車から降りようと一歩踏み出しました。
…直後、あなたの体は暗闇に吸い込まれるように落ちていきます。
暗闇の中で、あなたは巨大な複数の目と、巨大な触手を見ました。
・あなたは【1D10 / 1D100】
(現実世界で目を覚まし駅についたが、交換したPCは目を覚ますことはなく病院に搬送された…的な描写)
…病院のテレビではずっと同じニュースが流れています。
『……町で開催される予定だった移動サーカスにて演者の転落事故があり……病院に運ばれ……命に別状はなく……上映は延期に……』
●ED3
…席に戻ったあなたたちはよほど疲れていたのか、あっという間に意識を失ってしまいました。
「…さん、**さん…」
あなたたちを呼ぶ声が聞こえます…。
「ふたりとも、終点ですよ!起きてください!」
もうすっかり見慣れた顔…妖精くんです。外はあいかわらず真っ暗ですが先ほどとは異なりしん…と静まり返っています。
「さぁ、みんなで一緒に行きましょう!!」
少年はあなたたちの手をひき、席から立ち上がらせようとします。すると……
…………
「…さん、…さん…」
あなた達を呼ぶ声が聞こえます
「お客さん、終点ですよ、起きてください」
あなたは車掌さんに起こされました。ここはいつもの列車の中です。…妖精くんの姿はありません。
全部ただの夢だったのだろうか…と思いながらあなた達は電車を降り、日常へと戻っていきます。
…階段をのぼったあなたたちは不意にとある広告を見つけます。
『移動サーカスがあなたの町にやってくる!不思議がいっぱいの冒険の世界にキミをご招待!!』
…とある島に昔から伝わる物語を元にした演目のようです。美しい人魚のような装束の女性や、トナカイのようなきぐるみを着て微笑む男性をはじめ、にぎやかな衣装に身を包んだ演者たちがたくさん描かれています。
…そしてその中心では『羽の生えた黄色い衣装』の演者が笑顔でこちらに手を伸ばしています。そうです、間違いありません。夢の中で出会った妖精くんです!
あなた達は公演の日付を確認します。どうやら公演は1ヵ月後らしい!
街頭テレビではニュースが流れています。
『……町で開催される予定の移動サーカスにて演者の転落事故があり……意識不明……しかし奇跡的に軽症で……さきほど意識を取り戻し……上映は予定通り行われるとのことです……』
劇団列車~閉幕~
………………………
生還した【1d10回復】
少年を助けた【1d6回復】
………………………
………………………
≪気になりそうなポイント≫
☆車掌さんについて
“骨”の姿、交換に必要な“金貨”、この世とあの世の境目に存在する乗り物の責任者…。
そうした要素からより具体的に三途の河の渡し守、あるいはカロン(カローン)そのもの、という想定で味付けを濃くしました。
乗り物が電車になったのは現代にあわせてあの世の文化もいろいろ進歩してるからだと思います。
路線図が「複雑に枝分かれをした、まるで大きな川のよう」なのもそういった要素です。
☆“お手伝いさん”について
オーディエンスにバリムシャされた人間の魂です。次の輪廻転生の機会が訪れるまで車掌さんの下で働いています。
☆“おじさん”について
名刺には“呉遺伝子研究所 財黒 透(ざいくろ とおる)博士”と書かれています。
精神状態は毒が身体にまわる前の状態なのであの時とは異なり落ち着いています。
バッグの中身が整理されていて字もとても丁寧だったのはそれが原因です。
☆“PC”がサーカスのチラシの中にいた理由は?
PC自身もこの劇団列車の舞台に巻き込まれ、その一員となっている…ということをあらわしています。
☆人物設定が“少年(?)”なのは?
なんか前回プレイしてたらだんだんヒロイン感が増してきて後半ちょっと動き方が変わっていったので…。
少年のような少女とか…あるいは少女のような少年とか…性別不明でもいいのかなって…。
原典の”妖精さん”もその魂は少女だったり青年だったりわけだし…。
≪個人的にもうちょっとこうしたいかもっていう部分≫
★探索可能ポイントを増やす
自由行動パートで明らかに金貨がありそうなのが荷物置き場ぐらいなので…それこそ座席、とか床とかでもいいからなにか調べられるポイントをもっと増やしたいかも。
★SAN減少だけでないマイナス判定を増やす
追加要素部分もオバケ関連だらけなのでどんどんSANばっかり減ってしまう…のでもうちょっと別のペナルティを追加したいなぁと思いました。
★ラストの演技パート
前回プレイ時は最終的に妖精くんも参加するかたちになったのでそういう流れにした方が自然かもしれません。