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宵の空(最近の一枚)
私が住んでいる地域では、夏は19時半ぐらいまで明るかったのですが、この時期は17時半にはもう暗くなっていて、仕事で帰る時もすごく夜まで残業したような気になります。
先日会社から帰る時、何時頃だったか忘れましたが西の空がわずかに赤く染まっていました。
空模様を見るのが好きで、季節ごとに違う空模様、時間帯によって違う雲のかたち、空の色、様々な表情をそのときどきで見せてくれるのでついつい見上げては、綺麗だな面白いなと思ったら携帯で写真に収めます。
そんなに空や風景の写真を撮ってどうするんだ?と自分でも思うのですが、その一瞬はその時だけなので撮っちゃうんですよね。
かといって本格的に一眼レフカメラを抱えて撮影に出かけるとか、良い写真を撮ることにこだわっているとか、そういうのではないんです。
なんのこだわりもなく淡々と生活していることに「これでいいのか私は」と引け目を感じたりもしますが。
ある意味もっと何事にも少し本気になってみないといけないんじゃないか、惰性で生きていて損しているんじゃないか、などと日々モヤモヤしています。
そんな心のモヤモヤをどうにかごまかしたいのか、空を見上げその美しさや雄大さに見とれることで気をそらしていたいのかもしれません。
夏の青い空と立体的なモコモコの白い雲も好きですが、夕方から夜に入る前の宵の口の空は特に私の気分を上げてくれます。
夕焼けのオレンジ色の空と、瑠璃色の夜の空が美しいグラデーションとなって西の彼方を彩ります。
日が暮れて、活動的な昼から夜の落ち着いた空気に変わっていく、昼でもない夜でもない時刻。
多くの人々が仕事を終え帰路につく時間帯。街灯やコンビニの灯りや店の看板が煌々と光を放ち始める。日中の名残ある空気感。
夕方を表す言葉は、「日暮れ」「夕刻」「黄昏」「日の入り」「日没」「晩方」「宵」「宵の口」など、その時間帯や状態によって違うようです。
そこ1~2時間くらいの間でも複数の表現があるということは、それだけいろいろな表情を持っていて繊細なのかもしれませんね。
そんなセンチメンタルな気分になってうっとりしながらも、ふと「あー、晩御飯のおかずは何にしようかなぁ」と現実に引き戻される、そんなエモーショナルとリアルの狭間の時間でもあるのでした。
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