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久しぶりにひとりランチ 2

仕事で外出した際に、どこでお昼を食べようかと迷った挙句、ちょっと古そうなカフェに行ってみようかと思い切ってみた。

駐車場に車を停めてドアを開ける。
ちょっと緊張感。
客はそんなに入っていなくて、店員が「お好きな席にどうぞ」と言ってくれたので、奥の方の目立たない半個室のようなテーブルについた。

何度か打ち合わせで来たから店内の雰囲気はわかっていたし、ちょっと薄暗い感じの、席はエリアによって細かく仕切りもあって居心地としては悪くない印象。

席に着いたら、左側の空きテーブルを挟んでその左側の席に若い女性2人がすでに話し込んでいる真っ最中だった。

メニューを開いてまた迷う。
日替わりパスタのセットにした。サラダとコーヒー付き。

それにしても隣の2人組の女性たちはひたすらしゃべっている。20代後半~30代前半といったところだろうか。

2人だけど主に喋っているのは片方の女性のみのようだ。すごく元気のいい口調で、テーブルを挟んで少し離れたところに私がいても全然お構いなしで話に夢中になっていた。もう1人は「うん、うん」とただ聞いているというスタイル。

店内はそこまで静かでもないけど、空間が区切られているから、あまり話していても気にならない作りと雰囲気になっている。

カフェとしては居心地もいいし、静かすぎず、うるさ過ぎず、話しやすい雰囲気でなかなかよろしい。

サラダを食べて、スマホを見たりしてちょっとゆったりとした時間を楽しむ。
隣の隣のテーブルの2人組の女性の会話は大きいボリュームで話していて結構話が聞こえてきたりして、聞くつもりでもないけど耳に入る。

「でさぁ、私はそういうところが現場向きじゃないんだよね」
「保護者の人がなんたらかんたら」
「福祉の現場はどうたらこうたら」
「教えるの面白いよ。私は○○の勉強やってるんだ。学ぶのって面白いよ」
仕事のことで現状のこと、あるべき姿とか、今の職場の問題点とか、メインで話している女性が凄い熱量で語っていた。
福祉関係の仕事に就いているのかな。

あー、私もこういう時期あったよな。
問題意識や向上心が高くて後輩にも中堅として熱心に教えていた時期が。
でも私はここまでは熱心ではなかったけど、主に話している彼女はかなり意識高いほうだ。

今は私の仕事への熱量はどうだろう。
すっかり常温になってしまっているのだろうか。

2人は話し役と聞き役に分かれてひたすら話していて、なんとなくバランスのとれた感じでずーっと話していた。

パスタを食べている時も、左側から聞こえる言葉の断片が、まるでラジオから流れるパーソナリティとゲストの会話のようなトークのようでなんとなく心地よかったりした。
BGM的な音声の中に紛れてパスタを食べ続けた。
食後、ホットコーヒーを飲む。

まだ彼女らは同じ熱量を保って自分たちの会話に没頭していた。
私の存在すら全く気にしていなかったので私も気にせずにすんだ。

周りも気にならないくらいに会話に熱中できるって、なんかいいね。
気のおける距離感の親しさなのだろうな。

そろそろ会計して帰るとちょうど13時頃には会社に着く。

ひとりランチを目立たない感じで薄暗いカフェの店内で済ませられて、なかなか良い時間と空間だった。満足。
出費的にはちょっと高くついたけど、たまの贅沢だからいっか。

天気のいい午後。気分もいい午後になった。
ただそれだけの話。


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