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宮古で実施されているキャリア教育、地元定着に向けた取り組みとは?

こんにちは!みやっこベース広報の島越です。

先日、岩手県の子供・若者に関する取り組みについて紹介する記事を書きました。

▼「いわて幸福白書」から読み解く 岩手県の教育の取り組みとは?
https://note.com/miyakkobase/n/nf395631ab354

岩手県の教育の取り組みを調べてみると、キャリア教育の質の向上や若者の地元定着促進のため、学校・家庭・地域が連携・協働した事業への取り組みが重視されていることが分かりました。それと同時に、みやっこベースのような地域の教育団体へのニーズが高まっているように感じました。

今回の記事では対象を宮古市に狭め、市・教育機関とみやっこベースが連携して行っているキャリア教育、地元定着に向けた取り組みについてご紹介したいと思います!

(1)宮古北高校×みやっこベース(探究学習)

まずは、高校で行われている取り組みについて見ていきましょう。
高校の「総合的な学習の時間」の内容が変更されることをご存知ですか?

文部科学省の新学習指導要領によると、2022年から「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」に変更されます。「探究学習」とは、生徒自らが課題を設定し、解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく学習活動のこと。 学校内にとどまらず地域の中で学ぶことが重要になっています。

▼文部科学省「高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説」
https://www.mext.go.jp/content/1407196_21_1_1_2.pdf


みやっこベースでは、2019年から宮古北高校の「総合的な探究の時間」の先行実施をサポートしています。これまで、さまざまなキャリア教育プログラムを企画・運営してきました。

①たろう魅力発信プロジェクト
3つのテーマ「自然」「人」「産業」に分かれて、宮古北高校が立地する田老地区のフィールドワークを実施。地域の大人たちにインタビューし、田老地区の魅力を調査します。フィールドワークで感じた魅力を言語化し、模造紙にまとめて発表しました。

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②たろう活性化プロジェクト
田老地区で働いている人や生活している人を対象に、地区の魅力や課題をヒアリング。その結果をもとに、地域をよりよくする企画を高校生の立場で考えました。地域の方々の生の声を聞いたことで、リアルな課題と具体的な解決策が提示されました。

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③進路個別サポート
進学希望の生徒に対し、個別の進路サポートを実施。自分の将来像を明確にするため、地域で働く大人の方の話を聞いたり、インターネットでのリサーチを行い、進学先で学びたいことやその後の人生の目標について深く考える機会を作りました。

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④ジョブシャドウイング
ジョブシャドウイングとは、中学生や高校生が働いている人に影(シャドウ)のように密着し、仕事ぶりを観察するという職業教育の手法の一つ。田老地域を中心とする市内事業所で大人に密着し、進路選択への視野を広げました。

ジョブシャドウイング3-min


⑤宮北ファーム
一次産業の魅力を体験する「宮北ファーム」。春にはリンゴ園での摘花や、黒豆農園での豆まきなどを体験。冬には、収穫した黒豆の殻むきや選別作業のお手伝いを行いました。

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⑥トークフォークダンス
トークフォークダンスとは、その名の通りフォークダンスのように相手を変えながらトークをするというもの。田老地区の20-60代の大人をお招きし、「高校時代の思い出」「田老の魅力」「働くとは?」など約30のテーマで対話を楽しみました。

トークフォークダンス


⑦マイプロジェクト
有志8名の生徒が、授業外に進めている自主企画プロジェクトを立ち上げ、活動。うち5名が日本最大級の実践型探究学習の発表の場「全国高校生マイプロジェクトアワード岩手県サミット」に出場しました。課題の解決に向けたプロジェクトはもちろん、アクションからまとめまでのサポートをしました。

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(2)宮古市×みやっこベース(地元定着促進)

続いて、宮古市で行われている取り組みについてです。
宮古市の「サーモンランド宣言」をご存知ですか?宮古市のホームページにはこのように記載されています。

宮古市は、鮭が生まれ、旅立ち、回帰する海や川、それを育む森がある自然豊かなまちです。
歴史的にも、鮭漁の起源は古く、また伝説、古文書により、鮭とひととの出会い、かかわりが伝えられています。鮭を育んできた自然と人々の歴史とその心、それらを深く理解し、大切にする市民が住むまち、これが本市宮古です。
私たちは、本市の将来像「森・川・海とひとが調和し共生する安らぎのまち」を基調としながら、鮭のごとく力強く活動するまち、心の豊かさやゆとりを実感できるまちを築くことを決意し、本市全域を『サーモンランド』と呼ぶことを宣言します。

平成19年1月1日
▼宮古市 サーモンランド宣言
https://www.city.miyako.iwate.jp/kikaku/salmonland.html


宮古市では移住者の増加を目指すため、まずは関係人口の増加を促進するプロジェクトとして、主に下記2つの事業を行っています。


①地元高校生によるパンフレット作成
2021年度においては、宮古商工高校の生徒によるパンフレットづくりを実施。本事業は、宮古市の移住定住施策の一環として、高校生の目線で地元企業を紹介するパンフレットを作成しました。みやっこベースでは、仕事の意義などキャリア学習にあたる一部の授業を担当しました。

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②複業マッチングプログラム「遠恋複業課」
関係人口を遠距離恋愛をする恋人関係と見立て、宮古市とお付き合いをしてくれるパートナーを募集する「遠恋複業課」。宮古市と離れて暮らしながらも、地域の企業・プロジェクトの課題解決や新しい展開を一緒に実現する人材を募集し、現地ツアーを行いました。

みやっこベースでは、2019年度には現地案内を担当。2021年度は受入企業の一つとして応募者の方々に対してみやっこベースの事業紹介をしました。

遠恋


(3)教育委員会×みやっこベース(キャリア教育)

最後に、宮古市教育委員会の取り組みを見ていきましょう。
宮古市教育委員会では「宮古市教育振興基本計画〔2020−2024〕」を策定しています。

▼宮古市教育委員会「宮古市教育振興基本計画〔2020−2024〕」
https://www.city.miyako.iwate.jp/data/open/cnt/3/5708/1/miyakosi_kyouikusinnkoukihonkeikaku_honnbun.pdf?20200428115747

学校教育、生涯学習、スポーツ・レクリエーションの振興、文化の振興など幅広いテーマについて記載がありますが、「第2節 豊かな心を育む教育の推進」の中で、キャリア教育について下記のように記載されています。

⑸ キャリア教育※ 40 の推進
 子ども一人ひとりの勤労観、職業観を育てるために、子どもの発達段階に応じた組織的、系統的なキャリア教育を推進します。そのため、学校、家庭、産業界、関係行政機関等が一体となってキャリア教育を推進する体制の構築とその機能の充実を図ります。
 また、職場見学や職場体験を通して、学ぶこと、働くことの意義や様々な職業について理解を深め、豊かな人間性、社会を把握する能力等の育成を促進します。
 さらに、生徒が自らの生き方を考え、将来に対する目的意識を持ち、自分の意志と責任で進路を選択・決定する能力・態度を身につけることができるよう、計画的かつ一貫性のある進路指導を行います。

 
来年度は、「みやっこタウン」を協働提案事業として、学校教育課との協働で取り組むことになりました。

こどものまち「みやっこタウン」
「みやっこタウン」とは、市内小学生を対象にしたこどもだけが参加できる架空の街。こどもたちはハローワークで職業を選択して働き、宮古のさまざまな職業に挑戦しながら給料として疑似通貨「ベスカ」を受け取ります。それを使って買い物をしたり、遊んだりすることができるという仕組みです。

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おわりに
いかがでしたか?

このように、市・教育機関とみやっこベースで連携し、さまざまなキャリア教育、地元定着に向けた取り組みを行っています。

地域の教育NPOとして、みやっこベースでは引き続き、家庭や地域、学校等と連携し、宮古の子ども若者の未来が豊かなものになるよう、成長の場づくり・環境作りに取り組んで参ります。

月額500円から可能なマンスリーサポーターを募集しています。下記ページから受け付けておりますので、応援のほどよろしくお願いいたします!
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