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みやっこベースの8年間を振り返る(前編)

こんにちは!広報担当のOG、島越です。

2021年2月、おかげさまでみやっこベースは団体設立から8周年を迎えました。

設立当初は高校生向けの支援を主として活動していたみやっこベースですが、実はこの8年間、ほぼ毎年新事業を立ち上げており、今では小学生〜若手社会人まで幅広い年代への支援を行っています。

この記事では、これまで語られてこなかった裏話も交えて、みやっこベースの設立〜現在に至るまでのあゆみを振り返りたいと思います。

前編ではみやっこベースの原型となった高校生支援を中心とした活動について、後編では高校生支援を行う中で生まれた新規事業についてお伝えします。

ぜひご一読ください。


設立のきっかけとなった東日本大震災

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東日本大震災から3ヶ月が経過した2011年6月15日。当時、オーストラリアから帰国したばかりだった理事・事務局長の早川が宮古市にボランティアに訪れました。

当初は2週間で他の地域に移動する予定でしたが、2週間も経てばボランティアのベテラン的な存在に。いつしか、ボランティアたちを取りまとめる「ボランティアリーダー」を任されるようになりました。

その後、市内のボランティア団体に誘われたことから、本格的に宮古に残り活動を続けていくことを決意。被災者のニーズを調査し、ボランティアとマッチさせる「ボランティアコーディネーター」にまでステップアップしていきました。

しかし、その決意も束の間、その団体が約1年で解散することになってしまったのです。

「せっかく宮古に残る決意をしたのにこのままでは帰れない。何か残して帰りたい。」という想いが強くなっていきました。

※早川に関する詳しい紹介は、「《ひと》 理事・事務局長 早川輝」をご覧ください。


2013年 任意団体「ユースみやっこベース」の設立

旧rogo  2

そんな中、地元の高校生たちと復興支援ボランティア活動に取り組む中で、彼らの「地元のために」と頑張る姿に心を打たれ、応援したいという気持ちが芽生えました。同時に、この震災を経験し、復興の過程に携わる子どもたちこそが、将来の地域を担う主役になっていくのだと感じました。

宮古市には4年制の大学がありません。高校を卒業したら外に出ていく学生が多く、地元の方曰く、震災前から閉塞感や地域経済の暗い雰囲気があったそうです。

この課題を打破し、より良い未来をつくるには、より多くの子どもたちが地域社会と関わり、いつか宮古に帰ってこれるような機会づくりが必要だと考え、2013年2月に任意団体「ユースみやっこベース」を設立しました。

活動のテーマは「みやこと育つ」。

「みやっこベースの活動を通し、宮古のことを知り、好きになる若者たちを増やしたい」「進学・就職した先でも、それぞれの形で宮古に関わり続ける若者たちを増やし、若者の力で宮古市を盛り上げていきたい」という想いが込められています。

<ここだけ裏話>
みやっこベース設立は震災から約2年後。市内でボランティアの機会が減っていたことから、当初は「高校生のボランティアセンター」的な位置付けの団体にしようと考えていました。
しかし、高校生たちからは「宮古の復興を考えたい」「まちづくりの活動をしたい」というニーズが多数。想定していた活動内容とは異なりましたが、柔軟に対応し、今のスタイルができあがっていきました。


2013年 高校生サミットと活動サポート

サミット②

ハウス中、OBOGサミット

当時の活動のメインは、「高校生サミット」。毎月一回開催する、高校生同士の話し合いの場です。

初回のサミットでは、「高校生の力とは?」をテーマに、「宮古の好きなところ・嫌いなところ」「自分たちに何ができるか?」など、宮古について考えるワークショップを開催しました。

高校生からは、「初めて自分の考えを周りの人に発信することができた」「周りからの意見を聞くことがすごく刺激になった」「高校生の案を大人に真面目に聞いてもらえて嬉しかった」「将来やりたいことが見つかった」などの声をもらいました。

このように高校生サミットを毎月開催していると、高校生の方から「話し合いだけでなく実際にまちに出て活動をしたい」という声が出てくるように。

実際に高校生サミットから下記のような活動が派生し、高校生主体の活動も活発化していきました。
・高校生の目線で商店街を紹介する「商店街マップ制作」
・ハンドメイドアクセサリーの自主制作・販売プロジェクト「KOMOREBI」
・岩手県の復興を担う人材発掘・育成を狙いとした「岩手県高校総会」
・高校生団体SYMによる「SYMフェス」
など

また、高校生の実践型探究学習プログラム「全国高校生マイプロジェクトアワード」という大会に、みやっこベースから2組が全国大会出場を果たしました。

これまで高校生サミットは48回開催し、のべ800人以上が参加。10以上の高校生主体の活動が生まれました。宮古の復興・発展を目指す活動が生まれるきっかけとすることができました。

<ここだけ裏話>
「高校生サミット」という名前の由来について。当初、高校生のみんなに名前を決めてもらおうと、とりあえず「高校生サミット(仮)」として開催していました。

しかし、取材を受けたネットメディアの記事で「高校生サミット」と表記されてしまい、結局そのまま使うことに。今思えば、固い名前になってしまったなぁ、と思っています(笑)


2014年 フリースペース「みやっこハウス」のオープン

ハウス外観

ハウス内観

4月1日、高校生の居場所をまちにつくること、地域に関わるきっかけをつくることを目的に、商店街に若者向けフリースペース「みやっこハウス」をオープン。

高校生サミットの開催のほか、バス待ちや学習の場、他校との交流の場などとして若者に活用されてきました。

また、拠点ができたことにより、全国各地から訪れてくれる学生や団体との交流が増えたり、OBOGが帰省時に顔を出すようになったりと、より内外の交流が深まりました。

実際に、利用する高校生やOBOGからはこんな声も。

高校生「最初はバスの待ち時間にしか利用していませんでしたが、徐々に高校生サミットに参加するようになりました。新しい友達もできたり、自分やみんなの誕生会をしたりと、ハウスでは楽しい時間を過ごせています。」

OBOG「拠点ができたことで以前よりメンバーが増え、仲良くなっている後輩たちを見て嬉しく思っています。活動できる場があることや支えてくれる方々への感謝の気持ちを忘れず、多くの経験をしてほしいです。」

さらに、商店街をはじめとする地域の皆さんからも、
「高校生の力で商店街も盛り上げてほしい」
「高校生たちにイルミネーション企画をやってほしい」
「拠点ができてから、商店街を歩く若者が増えて嬉しい」
といった嬉しい声をいただきました。

オープンから1年間でのべ2,588人の高校生を含む若者たちが利用したみやっこハウス。今でも宮古の若者とまちをつなぐ拠点になっています。

<ここだけ裏話>
「みやっこハウス」という名前やロゴは、高校生やOBOGたちのアイデアを持ち寄り決定しました。「”ベースキャンプ”はどうか」「そもそも、”みやっこベース”で良いんじゃないか」などさまざまな意見がありましたが、投票の結果「みやっこハウス」に決定。
ロゴのデザインもOBOGが担当し、高校生・OBOGが主体的に考えて決めることができました。


2015年 法人化

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9月1日、「任意団体ユースみやっこベース」から「NPO法人みやっこベース」へ生まれ変わりました。理念や大事にしたいことは任意団体の頃と変わりませんが、法人化にあたり、ビジョンとミッションを改めて再定義しました。

【ビジョン】
次世代に求められる社会を形成し続けるために、若者が主体的に社会参画することができるまちを目指します。

【ミッション】
・子ども・若者の成長の場と機会を作ること
・若者が参画しやすい社会環境を整えること

<ここだけ裏話>
法人登記のため、当時大学生でインターン中だったOG島越と早川で岩手県法務局へ。登記手続きは意外とあっさり終わってしまい、盛岡市へ往復4時間かけて行った我々は拍子抜けでした(笑)


2015年 地元修学旅行

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地元修学旅行

地元修学旅行

宮古地域の高校生、大学生を対象に、地元を再発見・新発見するプログラム「地元修学旅行」をスタートさせました。

きっかけは早川のこんな想いからでした。

みやっこベースで活動していた高校生たちが大学進学で市外に出るとき、「みやっこベースの活動のおかげで宮古を好きになりました。大学を卒業したら宮古に帰ってきます。」と言ってくれる子が出てきました。とても嬉しい反面、4年後に本当に帰って来たいと思えるのかなと不安がありました。

小学生、中学生の時には社会科見学などで地域を回ることがありますが、進学や就職などキャリアを真剣に考え始める高校生や大学生世代にこそそうした機会が必要だと思い、地元修学旅行の企画を考え始めました。

結果、参加者からは「宮古で働く人たちがかっこよかった」という声をたくさん聞くことができました。「地元に働く場所がない...」なんて声をよく聞きますが、実は想いを持って働いている人たちがたくさんいるんだ、ということを実際の仕事風景を見ながら気付いてもらえたと思います。

これまで、15回以上開催し、120人以上の高校生や大学生が参加し、地元での進路選択を考える機会、職業観の醸成につながりました。

<ここだけ裏話>
実は、この企画を一番楽しんでいたのはスタッフの大人たちだったかもしれません(笑)大人でも初めて見る仕事、風景などがたくさんありとても新鮮でした。地元の宿泊施設に泊まるのも初めてで、新たな角度から地元の魅力を発見することができました。


おわりに

いかがでしたか?

「高校生サミット」や「大人の話を聞く会」、高校生自主企画の「みやっこツアー」、毎年恒例の「BBQ」「鍋パ」などなど、本当はたくさんの出来事を紹介したいところですが、長くなってしまうので今回はこの辺で。

大人の話を聞く会

▲大人の話を聞く会

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▲夏恒例のBBQ

高校生の声を聞いて活動内容を柔軟に変化してくれた、早川をはじめとする大人スタッフの愛を改めて感じました。

後編もお楽しみに!


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【お問い合わせ】
NPO法人みやっこベース
メール:miyakko.base@gmail.com
電話 :0193-77-3809
HP  :https://miyakkobase.org/