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《ひと》みやっこベースOG 坂下聡実

こんにちは!みやっこベース広報チームの清水です。

みやっこベースに携わる方々をご紹介する連載企画《ひと》。
第6回となる今回ご紹介するのは、みやっこベースOG 坂下聡実さんです。

実は、先月から更新中の「MIYAKKO NEWS」は聡実さんがデザインを担当しました!
サーモンオレンジがナイスですよね!


また、大学の卒業制作では、みやっこベースとOBOGの繋がりについて調査するなど、高校から大学時代、そして現在に至るまで、みやっこベースの活動に精力的に取り組んできました。

現在は、盛岡市で映像制作の仕事をしている聡実さん。
地元での思い出や、仕事に懸ける思いなど、ワクワクする内容盛りだくさんです!

【プロフィール】
1998年、岩手県宮古市出身。市内で自営業を営む家庭に育つ。
小学6年の3月に東日本大震災で被災。当たり前の暮らしのありがたみを実感する貴重な経験となる。

小・中学生の頃から、市内イベントの手伝いやボランティア活動に参加しながら過ごす。
高校は宮古高校に進学。ある映画と出会い、映像制作に興味を持つようになる。
みやっこベースが開催する「高校生サミット」や、高校生団体「SYM」の地域おこしボランティア活動にも精力的に参画。

高校卒業後は、山形県の東北芸術工科大学に進学。デザイン工学部コミュニティデザイン学科で、主にまちづくりをテーマに専攻。
その後、盛岡市の映像制作会社に就職。主に編集の仕事をしながら、みやっこベース広報スタッフとしても活動中。

幼少期、小学校の頃


ーーまずは幼少期や小学生の頃のお話から伺います!どんな人柄だったか、どんな学校生活を送っていたか教えてください。

性格は結構緊張しいで、人前に出るのが苦手でした。
その一方で目立ちたがり屋な部分も少しだけあったので、「副」委員長とかを選んで活動していました。
今でこそまちづくりや、仕事にしている映像制作など、やりたいことがありますが、当時は毎日楽しく生きていければオッケー!という感じでしたね(笑)

そんな毎日を送る中、小学6年の時に東日本大震災で被災して、自宅の1階部分が浸水する被害を受けました。
私には兄と姉がいて、2人は家の片付けを手伝っていたのですが、小学生の自分には危険だと思われていたのか、避難所に残って過ごす日々が続きました。
きょうだいは手伝いに行けるのに、自分はできないというのが悔しかったです。そこで自分にもできることを探して、避難所内の掃除などを積極的にしていました。

被災体験と地域での活動


ーー避難所生活の中で困ったことや、気付いたことはありましたか?

支給していただく食べ物が当初はどうしても少なくて、ドーナツ半分とおにぎり半分で一食分、ということもありました。
だからこそ、食事のありがたみを実感しましたね。自宅に戻ってから食べたお味噌汁がとってもおいしくて。温かいごはんを食べられることは幸せだということに気付かされました。


ーー当たり前の生活のありがたみに気付く素朴な体験は貴重ですよね。
その後、市内の中学・高校に進学してからの生活はどんなことをして過ごしていましたか?


まちのボランティアは小学校の頃から継続して参加していました。お祭りの運営のお手伝いや、募金活動を呼びかけるメンバーとして活動することが多かったです。
他には、商店街のお手伝いボランティアなどに参加したり。実家が地元の商店街でお店をやっていることと、青年会議所のメンバーだった父の影響もあったので、地域の活動に参加することは自分にとって特別なことではなかったです。


【写真】宮古秋祭りに参加した時の1枚。

学校生活は、中学では合唱部に所属していて、その活動が忙しくあまり遊びにも行けなかった記憶があります。部活が終わってから遊ぼうとしても、お店閉まっちゃってるしなあ…という感じで(笑)
当時はやりたいことも特に見つかっていなかったので、普通科のある宮古高校に進学しました。

将来の夢が見つかった高校時代


自宅が近かったこともあり、高校の頃にみやっこハウスをしょっちゅう利用していて、部活の友達とゲームして過ごしたりしました。
みやっこベースの活動に初めて参加したのは、高校2年の時の「高校生サミット」です。実はみやっこベースの存在は中学生の頃から知っていて気になってはいたのですが、一人で参加するのはためらってしまっていて。友達に誘われて初めて、高校生サミットに参加した形です。
同じ時期に、現在は地域おこし協力隊として宮古で活躍中の吉浜知輝くんが立ち上げた高校生団体「SYM」のメンバーになりました。
SYMは、高校生が宮古に関するそれぞれの興味関心ごとにグループに分かれ、みやっこベースのサポートを受けながら活動していた団体です。
研究発表などを行うイベント「SYMフェス」を開催したり、その他にも商店街グループ、防災グループ、農業グループなど様々な班に分かれて活動しました。

みやっこベースやSYMの活動を通して自分が変わったなあと思うことは、人前に立つ時に声が震えたり、緊張しなくなったことです。サミットでの発表会などの機会で鍛えられたように思います。
また、みやっこベースで活動していなければ、その後の進学先となる東北芸術工科大学に出会うこともなかったですし、地元のことを真剣に考える友達との出会いもなかっただろうな、と思います。

【写真】みやっこハウス前にて、SYMの仲間たちと。

それから、進路選択をするにあたって、大きなターニングポイントになった映画と出会ったのも高校生の時です。
『トイレのピエタ』という映画なのですが、もともとRADWIMPSが好きで、ボーカルの野田洋次郎さんが主演ということで手に取ったんです。そのメイキング映像を見て、映像技術の素晴らしさに感銘を受けました。CGだと思っていたシーンがそうではなかったり…そこから映像について学びたいと考えるようになりました。

大学での学び


ーー学校生活はもちろん、課外活動もプライベートも充実していたことが伝わりました!
大学は山形県の東北芸術工科大学に進学されたということですが、どのようなことを学んでいましたか?


コミュニティデザイン学科で、主にまちづくりについて考えたり、ファシリテーションの技術を学んでいました。
山形県金山町で行った地域課題解決のフィールドワークでは、1年半かけて見つけた課題を、地域の方々と解決していきました。

私は野菜が苦手なんですが…金山でのフィールドワークの縁で野菜をいただくことが多くて(笑) でもそれがとても美味しかったので、それをきっかけに、野菜を克服できたのはいい思い出です!実家に帰った時にびっくりされました(笑)


【写真】地域に住む方向けのワークショップでの1枚。

まちづくりを学んだ集大成として、卒業制作では「関係人口」に着目して、みやっこベースとOBOGの繋がりの課題をまとめました。主な調査方法は、OBOGに対して、高校卒業後もメンバーと関わりがあるか、団体の活動に参加しているか、今後どのくらいの頻度で関わっていきたいかなどを質問するアンケートです。

調査をしていく中で、宮古に関わりたいけれど、地元を離れると現地の情報を知る術がなく、アクションを起こせない人が多いということに気付きました。
そこで私がたどり着いた結論は、みやっこベース側から情報発信をして、OBOGそれぞれのニーズに合わせた関わり方を提示していくことが重要、ということです。


【写真】卒業制作の展示。大学の恩師とともにパシャリ。

社会人になり、そしてこれから


ーーまちづくりを学ぶことを通して、広い意味で人との繋がりを見つめ直したのですね。
大学卒業後の現在、勤めている映像制作会社ではどのような仕事をされていますか?


テレビ番組向けの映像を編集したり、テロップ入れなどの業務をしています。番組のロゴを作成したりもしました!

実は今の会社に入るまでは、コンビニやウェディング関係など、色んな業種を視野に入れていました。人と関わる仕事、ということを軸に就職活動をしていたのですが、コロナ禍で選考が延期になった会社もあって…。大学で行われた合同説明会で今の会社の社長と出会い、もう一つの選択肢だった関東の会社ではなく、盛岡で就職することにしました。

県外の大学に進学しましたが、岩手に戻ってくるという気持ちはゼロではなかったです。大学の友達に地元志向の子が多かったので。
もっと先のことを言うと、宮古に戻る選択肢もあります。家業を継ぐ必要があるかもしれないので、そのときは地元で働くことになりますね。


ーー県外での生活、市外での生活を経験して、聡実さんの世界が広がったのではないでしょうか。
最後に、自分自身や、みやっこベースの未来について、今の気持ちを聞かせてください。


まず、みやっこベースについては、帰省した時などに、気軽にふらっと立ち寄れる場であってほしいと思っています。第二の実家のような居場所として在り続けてほしいです。

【写真】聡実さんとお父様のツーショット。家族愛を感じますね。

それから、仕事ではもっとステップアップしていきたいという目標もあります。今は映像の編集業務が多いので、そこから経験を積んでいきたいです。
今の仕事の魅力の一つは、色々な仕事や、生き方をされている方の人生に触れられることなので、自分でも「第二の人生」の歩み方を見つけていきたいと思います。

おわりに


クリエイティブな才能を活かし、活躍の幅を広げている聡実さん。
実は、インタビュアー清水は現役学生時代あまり面識がなく、宮古にどんな思いを抱いているのだろう?と、ワクワクとドキドキが半々だったのですが、全くの杞憂でした!
みやっこベースにとって、「いつでも帰ってこられる居場所づくり」が大切であることも再認識することができました。

様々な人との関わりを通じて視野を広げ、心を掴む「形」を創り続ける聡実さんに、これからも大注目です!

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