【法律のスミを突っつくヒマあらばはじめにするはTELと金策】消費者金融時代の債権回収その2
こんにちは、みやもと けんいちです。
タイトルにいきなり短歌を。ここでのテーマを31文字に。
本部の「管理センター」で電話による督促をやっていたのですが、支店に異動となりました。
支店での業務は「訪問回収」でした。
はなむけの言葉
異動の際、先輩社員より「絶対相手(債務者)に背中を向けたらあかんよ」とはなむけの言葉が。
その先輩社員が以前いた消費者金融会社では、延滞金を回収後、背中を刺されたという事件が起こったとか。
「恐ろしいなあ」と思ったのはいうまでもありません。
貸金業法の裏読み
私自身、「中期」延滞の債務者を担当は以前にも書きました。
とにかく、自分の延滞は棚に上げ、少しの法律違反らしいことをこちらがすれば、「違反、違反」とわめく債務者もいました。
「あんたがきっちり払ってたらこんなことせんでええんやけど」といつも思ってました。(口には出しませんでいたがw)
貸金業法表読み、裏読み
消費者金融業者は、「貸金業法」を順守しなければなりません。
これを逆手に取って、延滞1ヶ月以上の債務者は、しっかり裏読みをしてきます。
ここからは、そんな事例です。
全く連絡のとれない債務者と連絡が取れた。その方法は?
本部にいた時から知っていた債務者の話。
住所が、ちょうど配属された支店の管轄エリア。
偶然、本部から「訪問して」との連絡があったので訪問することに。
通常、本部から訪問依頼がある場合、交渉履歴もつけて連絡するのが一般的。
「相変わらずやなあ」と。私が電話していた頃と交渉履歴に変化なし。
「携帯に連絡。不在。留守電入れる。」
「督促状送付。」
掟破りを決行
「仕方ないなあ、訪問するか・・・」
まずは、自宅へ。
呼鈴押しても出てこない。
想定内。督促状をポストに。
続いて、掟破り。実家訪問。
確信犯的な行動。本当はやってはいけないことは百も承知ですが。
(理由は後述)
やった、連絡が\(^o^)/
2日後、携帯に電話したり、督促状を送っても連絡してこない債務者からお電話をいただきました。
内容は、
「あなた、実家へ行かれましたね、(貸金業法)違反なんじゃないですか?」
内心、「そうこなくっちゃ!」
と思いつつ、
「ええ、伺いました」と私。
「何か悪いんですか?」と続ける。
「実家訪問って貸金業法違反でしょ?」
実際、貸金業法では、居宅以外の取り立て訪問が禁止されています。
ここで怯んではいけません。せっかく連絡がとれたんで。
「自宅を訪問しましたが、住んでいる気配がなく、やむにやまれず、失礼を承知の上、ご訪問致しました」
とご丁寧に回答。
間髪入れずに、
「大変失礼しました。ところで、ご連絡いただけたということは、お金の都合がついたと解釈させていただいてよろしいでしょうか」
文句言って、それを聞いておしまい、ということは認めません。
それなりのお土産がないと。
その債務者、すぐに電話を切ってしまいました。
今後の展開を期待した私にとってはガッカリな電話でした。
約2週間後・・・
2週間ほど後、本部より電話が。
「あの債務者、弁護士に頼みよった。受任通知が送られてきたわ」
弁護士等から受任通知が債権者あてに送付されると、債権者は督促等を止めなければなりません。おそらく自己破産でしょう。
「結局、金策できなかったんや。最後の悪あがきやったんや。せっかく連絡とれたのに残念やったなあ。」
さいごに
銀行員時代、信用組合時代もそうですが、受任通知が送られるたびに、自己破産する前に何とかならなかったのかなあ、って思います。
確かに、入金が遅れることは悪いこと。連絡もしたくない。わからなくはありません。しかし、放置していては、先には進みません。
延滞して、放置していくことで、自分を正当化する気持ちが芽生えてくるのかなあ、と思ったりします。
こんな取り立てをしている自分がいやになるし、カードローンそのものが嫌いになっていきます。
それが、個人的に執筆したくない理由にもつながっていくわけです。
カードローン使って、延滞することがあれば、まず連絡しましょう。
元消費者金融社員の切なる願いです。