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私が「金融ライター」と名乗りたくない理由

こんにちは、みやもとけんいちです。
ライター業界で「金融ライター」が増えています。
私自身、長年金融業界に身を置いていたので、知見を生かせて書ける記事は、金融記事です。
しかし、自身を「金融ライター」と名乗ることに少なからず抵抗があります。
そのあたりのことをずらずらと。


一般的な「金融ライター」とは?

当然のことですが、「金融ライター」とは、金融ジャンルについて執筆するライターをいいます。

執筆内容は主に以下のものがあります。

  • カードローン

  • クレジットカード

  • FX

  • 仮想通貨

  • NISA

  • iDeCo

最近、「金融ライター」が増加傾向にあるようです。
理由として、文字(記事)単価が高い点があります。

特に、執筆記事の多いものに「カードローン」「クレジットカード」があります。この「カードローン」、私自身にとって大きなトラウマです。そのため、未だに踏み出せずにいます。

金融ライターと名乗るのに抵抗のある理由

金融ライターと名乗るのに抵抗のあり、執筆するのに踏み出せない理由は、以下の3点です。

  • 銀行員時代のノルマ漬け

  • 消費者金融時代の取り立て

  • 信用組合時代の代弁請求

銀行員時代のノルマ漬け

銀行員時代、さまざまなノルマがありました。
定期預金の獲得からはじまり、一般融資、個人ローン、給与振込、年金振込、公共料金の自動振替etc.・・・
これらのノルマの中に「カードローン」「クレジットカード」がありました。

当時の私の営業スタイルは「お願いセールス」。コメツキバッタの如くペコペコ頭を下げまくり。

月末になると、
「今月足りませんねん」
「奥さんが(カードローン等に)入ってくれたら今月越せますねん」といった「泣き落とし戦術」に変更。
おじいちゃん、おばあちゃんには、年金の受け取り口座の変更依頼。やってることは同じでした。

ある日、カードローンの件数が足らず、お願いして入ってもらった方が、自己破産されました。
少し前から、返済日に遅れがちでした。数日後に入金されてましたが、自己破産したことを知り、ショックを受けました。

「自己責任だから気にしなくてもいいのでは」と思われる方もいるかもしれません。
確かに、カードローンのノルマに協力してくれたお客様がすべて自己破産したのか、といえは、もちろんそんなことはありません。大半の方は残高ゼロ。
気にしなくてもいいのはわかっているのですが、なぜか自分が背中を押したのでは、という感覚に・・・

消費者金融時代の取り立て

「カードローン」記事の多くは商品紹介。銀行カードローンだけでなく、消費者金融のカードローンも紹介します。

私は、消費者金融にも勤務していました。担当部署は「債権回収」。
いわゆる「取り立て」です。

在籍していた消費者金融会社の支店で債権回収担当を行っていました。
ここでも、ノルマがありました。
時には、支店に債権回収の応援にも行ってました。
1~2週間ホテルに泊まり込みも。

「なんでこんな遠いところへ取り立てに行かなあかんねん」
と思ったことは、1度や2度ではありませんでした。

信用組合時代の代弁請求

消費者金融に見切りをつけ、運よく信用組合に転職できました。融資担当の外回り、経理、内部監査といろいろ経験させていただき、最後の部署(退職したので)は、審査管理でした。

この部署では、本支店からあがってくる貸出稟議書のチェック等をメインに行っていました。
それ以外にも、信用組合全体の不良債権を算出する「自己査定」の取りまとめや、監督官庁である金融庁(信用組合の場合、財務局)との折衝も。

また、本店でのローンの代位弁済(代弁)請求を行っていました。
銀行をはじめとする金融機関は通常、ローンを実行する場合、保証会社の保証を必要とします。債務者が返済できない場合、金融機関は保証会社に代わりに払ってもらうためです。
債務者に代わって貸出金を支払ってもらうよう保証会社に請求することを「代位弁済(代弁)請求」といいます。

保証会社に請求する前には債務者あてに内容証明郵便を送付することもやってました。自身が獲得した(カード)ローンではないのですが、気が滅入る仕事であることは事実です。

地獄に突き落としそうな気分に・・・

以上のような経験があるため、私自身、「カードローン」に関する記事については気が乗りません。使いすぎは、利用者の自己責任なのですが、なんか背中を押して地獄に突き落としそうな気分になってしまうのです。

最近では、ライターもブロガーも「権威性」を高めるため、あるジャンルに特化する傾向にあります。

個人的には、「金融」に特化せず、今までの経験や知見から「資金調達」「銀行融資」に「超」特化することを目指しています。実際、金融機関行職員向けの通信講座教材も執筆していますし。

金融機関行職員のみならず、金融機関で資金調達を考えている事業者様に向けて有益な情報や記事執筆を提供していきたい考えています。

私の知見を必要とする機会があれば、これからも執筆したいと考えています。お仕事のご依頼はお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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