拒否権の封印 (vol 189)
意見の対立
日常茶飯事、どこにでも見られます。一つの組織の中でもチームメンバーの価値観が異なるために意見の相違が存在します。
異なる意見だからといって、対立や拒否、非協力が発生すれば組織が機能しなくなります。
議論の結果、全面的に「賛同」する必要はありません。ただし賛同しなくても「理解する」、「選択することを合意」して前進しなければなりません。組織としての意思決定後には全員の協力が求められます。
私の駐在するカナダは移民の国とも呼ばれ、異なる国の文化背景を持ったマネジャーが混在しています。このため、価値観も日本人の私が考えていた以上に多様です。真っ向対立、といった場合も少なくありません。
それでも、組織の行動としては一つを選択、全員がチームとして協力することが求められます。その時に「絶対に避けてほしい」のが「拒否権の行使」です。
「嫌です。できません」と言ってしまうと議論が先に進まないし、より良い選択を組織として選択できなくなるのです。
・意見の相違を「聴く」
・違いを「認識する」
・その上で「選択」したら、
・自分の価値観と異なっても「協力する」。
チームメンバー全員が肝に銘じて、組織を前に進める。
これを実現させるために必要なこと。
「対話」以外にはなかなか思いつきません。
ひとたび対立があっても、協力体制を強固なものに発展させにはお互いをより深く知る必要があります。お互いの価値観を「認知」するためにも対話が欠かせないでしょう。
In the international community, it is seen that opinions are not united due to the exercise of VETO power.
However, within a company, Veto should not be used and the company should be ONE TEAM.
How do you handle a conflict of opinion?
It is absolutely necessary to solve the problem through direct "dialogue," such as one-on-one or face-to-face.
As a result of the dialogue, the final agreement may be negative or rejected.
Even so, it is extremely important to engage in direct dialogue.
The Dialogue will help to create mutual understanding and sharing of values, which will be effective in the future.
国際社会では、拒否権の発動で意見がまとまらないことが見受けられます。
しかし、社内で拒否権の行使をしてはならないし、会社はONE TEAMでなければなりません。
意見の対立があった時、あなたはどの様に取り扱いますか?
1on1やface-to-faceといった、直接「対話」での解決が絶対に必要です。
対話の結果、最終的な合意が、否決や否定的なものになることもあるでしょう。 それでも直接対話を行うことが極めて重要です。
対話によって相互の価値観の理解や共有が生まれ、将来に有効に働くのです。
拒否権の行使をしてはダメ、と言いながら、私自身が拒否権を行使する場面もあります。ダメ出しです。特に「投資」に関わる内容です。
その時でも「対話」を忘れず、「何が『ダメ』の原因か」を必ず説明します。
拒否をするときほど慎重に相手の意見をしっかり聞き届けて、自分の考えも相手が理解できるまで説明する。
相手が納得したかどうかは、不安な面もあります。それでも、日常の対話や社内ツイート発信を通じて、チーム全員が「意見の相違を乗り越える」姿勢を肯定する価値観を育みたいと願っています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。