「オンライン治療」の本質と可能性
コロナ禍によってにわかに一般化してきたオンライン◯◯
ミーティング、飲み会、旅行、フィットネス、マラソンなどなど。。。仕方なくオンライン化したものもあったかもしれませんが、案外抵抗なく受け入れられ、むしろこっちの方がいいんじゃね?ということで、この先も定着しそうなものもたくさんある気がします。
もちろん賛否両論・・・というかオンライン/オフラインそれぞれにそれぞれの良さがあるのはいうまでもありません。改めてその特性をしっかり踏まえた上で、必要に応じて使い分けるのが賢い活用方法なんじゃないかなと思います。
「オンライン治療」は果たして成立するのか?
では、「オンライン治療」はどうでしょうか?
ここでいうオンライン治療とは、運動器の痛みや辛さといったものに対しての「オンライン治療」です。
「筋肉や関節が痛い」
「肩や腰がこってツラい」
ってなると、やっぱり触って欲しいというニーズが強く出ます。”手当て”という言葉にもあるように、痛む場所に手を当てて診るというのは運動器トラブルの治療における基本中の基本ですから。
ただ、注意しなければいいけないなと改めた感じたのは、直接診ることができることで、治療が依存的になってしまうことです。
例えば、慢性的な肩こりや腰痛であれば、筋肉が硬くなって硬結部が発生していることが原因なだけでなく、筋力不足が原因になっていることは決して少なくありません。患者さんもうっすらとそれは分かっていても、辛いと「揉んでほしい」「触って欲しい」ってなりがちです。そして治療家としてもそうしてあげたくなる・・・
”手当て”は非常に大事な治療手段の一つです。これは間違いありません。でも根本的な改善を目指す場合に、自分の力で筋肉を動かして強化していくということ「も」必要になってきます。そう考えると、オンラインであれば”触れないこと”が良い意味で手段を制限するので、受けて(患者さん)は治療家の指示の下、自分で体を適切に動かして、その中で症状(痛み、張りなど)の緩和を目指していくことが必然的に求められます。
オンライン治療はそういった前提でスタートしていくので、そこが直接診療との大きな違いだと思います。「治してもらう」というマインドから「自分で治す」あるいは「治すためのヒントをもらう」にシフトします。これって結構大きなポイントじゃないですか?
オンライン治療は結構な可能性を秘めてるんです。
オンライン治療ではできないこと
もちろん、オンライン治療にも限界はあります。それは直接触らないとどうしようもできない怪我や痛みのケースです。
骨折した箇所をオンラインで自己整復するなんて流石に厳しい・・・いや不可能です。痛みの中には重大な疾患が隠れていることもあるので、それは詳細な検査をした上で適切な治療(投薬、手術など)を行う必要が出てくるものもあります。
オンライン治療を適切に成立させるためには、こう言った重要疾患・・・専門家がよく使う言葉を使うと「レッドフラッグ」をヒアリングの中で見つけ出したり、怪しいなという可能性を瞬時にパッと思い浮かべられる能力が必要になります。それはすなわち治療家の知識量に委ねられるってことですよね。
また、どんなに知識があっても、相手の想いを汲み取ったり、相手に話をさせたりするカウンセリング能力がなければこれもまたうまく成立しません。これは言うなれば治療家の人間力になってくると思います。
直接診療でももちろん求められることですが、治療院の空間、触ってもらったことによる満足感など、治療の中に様々な要素が加わるので、本質的なところが不十分だったとしても誤魔化せちゃうことがあるんですよね。それは徒手療法をメインに行う治療家は厳しく自己評価すべきポイントです。治療家と称する人たちは、オンライン治療によってふるいにかけられる可能性が高いんじゃないかな・・・
オンライン治療が治療家の質を根本的に高める
繰り返しになりますが、オンライン治療にも直接治療にもそれぞれの特徴があるので、どちらかだけが良いというわけではありません。
ただ、「揉んで(伸ばして)緩みを出すこと」を治療の第一選択としていた場合は、オンライン治療はなかなか成立しません。これって、治療院を見極める際の一つの目安になりますよね。
オンライン治療をやろうと思っていなくても、世の中の治療院は「果たして自分のやり方でオンライン治療が成り立つか」を一度考えてみると良いかもしれません。
やっていく中で洗練されていくものが結果的に直接の治療にも必ず良い影響を及ぼしてくれると思うので!
オンライン治療は治療業界の未来を変える!!