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中学入試 国語読解法 その2 物語(小説)文の読解のしかた ④ ストーリーを読み取るマクロ的な読解

a 物語(小説文)にはストーリーがあります。

物語(小説文)の読解は、登場人物の気持ち(心)の動きを読み取ることが何よりも大事で、その動きを読み取るためのポイントについても前回まででお話ししてきました。作者というのは、そうした気持ち(心)の動きを直接表現せず、比喩表現を使ったり、会話の中で表現したり、周りの情景などさまざまな手法を使って表現します。そうすることで、読むものの想像力がかき立てられるからです。

さて、最後に登場人物の気持ち(心)の動きを読み取るための重要な視点についてもうひとつお話をしておきます。今までの視点はすべてミクロ的な見方です。登場人物の動作、表情、目に映ったものなど、部分読みで読み取ることができます。物語(小説文)にはマクロ的な観点からの読み取りも必要です。

それは、ストーリーです。物語(小説文)にはにはストーリーの流れがあります。その流れの中で登場人物の気持ち(心)の動きを読み取る問題もさまざまに出題されます。とはいっても、入試の問題文はそれほど長いものではありません。ある場面を切り取っての出題になります。また、登場人物の気持ち(心)の動きが変化する場面を切り取っての出題になることもあります。

b なにが起こったのかをしっかりととらえよう

物語(小説文)を読み始めたら、なにが起こったのか、なにが起こるのか、事件というか、できごとというか、そこに注目をしましょう。時に静かに、時に激しく、何かが起こるのです。そして、その何かが起こる場面を切り取って入試問題は出題されることが多いのです。

先ほどお話ししたように、こうしてストーリーを読んでいくのがマクロ的な視点です。物語(小説文)を空から眺めるような感覚です。その上で、登場人物の表情や会話などに注目していく。これがミクロ的な視点での物語(小説文)へのアプローチです。

c 何かが起こるとそれをきっかけに登場人物の気持ち(心)の動きが変化する

事件や出来事が起こると、それをきっかけに登場人物の気持ち(心)に変化が起こります。ちょうど、ゲームでボスキャラが登場してくることで、キャラクターたちが武器を準備したりするのと同じです。この「変化」をしっかりと読み取っていきましょう。

変化するぞ、と思いながら問題文を読み進めるのと、ただ何となく読み進めるのではまったく読み取りの深さが変わってきます。作者も、あるできごとをきっかけとして、登場人物たちを活き活きと動かしていくはずです。読む側もそれに合わせて、しっかりと、気持ち(心)の動きを表す語に注意したり、登場人物の表情に注目したり、と感覚を研ぎ澄ませて読んでいくのです。

d まとめ

  • 物語(小説文)にはストーリーがあり、必ず「何か」の事件やできごとが起こります。

  • その事件やできごとをきっかけにして、登場人物たちが一気に動き出します。そして、必ず気持ち(心)に変化が生じます。

  • こうしたマクロ的な読みと、今まで見てきたミクロ的な読みをしっかりとあわせて物語(小説文)を読み進めましょう。

物語(小説文)の読解についてはこの回で終わりです。次回からは「説明的文章」の読み取りになります。

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