2022.08.18 ヒト・コト・トーク#1キックオフ@広電宮島口駅レポート
豊かな日常をつくりたい
「宮島線沿線で、皆さんと豊かな日常をつくりたい。」
そんな宣言が発表されたのは8月18日、「ヒト・コト・トーク」の冒頭でのことでした。
ヒト・コト・トークとは、宮島線沿線に関わる人が集い、これまでとこれからを語りあう場として広島電鉄が主催するイベント。
初回の8/18は、新しくなった広電宮島口のホームを出た屋外空間、観光客も地元の人も行き交うオープンスペースで開催されました。
司会は宮島口駅舎のリニューアルを担当した電車事業本部の松田さん。
入社して以来担当していた思い入れのある場所で、アーチ状の大屋根や温かな照明、改札口のないホームなど、工夫・苦労した点などを解説してくださいました。
続いて地域共創本部の末松さんから、「ヒト・コト・トーク」の趣旨説明。
宮島線の開業100年という節目の今、沿線の暮らしがあっての宮島線であること、沿線のより豊かな日常をつくることが次の100年の広島電鉄の使命であり、そのために沿線で活動する人たちとつながり、共創する場をつくりたいとの想いが力強く宣言されました。
大人がぼんやりできる場が商いにつながる
この宣言を受けて、ゲストトークにうつります。
この日のゲストは全国各地で「広場」をプロデュースする山下裕子さん。
広場あるいは広場的な場とは、「大人が堂々とぼんやりできる場」。実はそんな「ただ居ること」そのものを楽しめる場があることは賑わい・商いにつながるとのこと。
「通過」するだけではなく、「滞留」できるベンチや日陰などの設え、「滞在」するための屋台やマルシェなどの活動があることで、消費額も増える。そして広場は使い方が自由だからこそ「お試し」ができ、マーケティングの場としても機能する。
プチ鉄道マニア、と自称された山下さんは「ひろでん」にもたびたび乗車されているようで、電停や車内が交流の場になっていることに着目し、高齢化社会において求められる「出かけたくなる場」として可能性があるともアドバイスしてくれました。
「広場的な場」として電車・電停をとらえなおしていくことは、沿線の豊かな日常づくりのヒントになりそうな気がします。
憂鬱な月曜が楽しみになる場を、お試しで
だんだんと日も暮れてきて、ヒト・コト・トークの後半は参加者全員でぐるっと円になっての意見交換。
1つ目のテーマは「屋外空間での思い出」。広島や大阪など生まれ育った場所から、アメリカ、イタリア、フランス、台湾といった海外まで、様々なまちでの屋外空間の思い出が語られました。道端のベンチでゆったり本を読む人、芝生広場を思い思いに使う人、自分たちでルールを決めながら場を使いこなす人たちなど、聞いてるだけで世界中を旅した気分。
続いてのテーマは「宮島線でのこれからのアイデア」。世界中の思い出を胸に、宮島線でこれから実現したいアイデアをみんなで妄想しました。
次の電車の待ち時間を電停で過ごすための「電停でビール」からはじまり、各電停で違う種類のドリンクを用意する「電停はしご酒」、さらには宮島線を無料にして移動しやすいようにしてはどうか、「普段の憂鬱な月曜が楽しみになる仕掛け、広電ならできるはず」など、たくさんの意見・アイデアにワクワクしてきます。
ダーウィンは「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは変化できる者である」という言葉を残しているそうです。
コロナ禍で経験したように、私たちも変化が求められている時代、電車や電停を「広場」のように使うこと、沿線に関わる方々とともに「お試し」「実験」していくことで、豊かな日常につながるはず。
宮島線を舞台にした「実験」、楽しみにしていてください。
ヒト・コト・トークは、宮島線の沿線で場所を変えながら月に1回開催していく予定です。
次回は10/25(火)、広電西広島駅前のKOIPLACE(コイプレ)で。