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スクワットの動作分析|足関節からの機能改善アプローチ
日々の臨床やスポーツ現場の中での腰痛や膝痛などの疾患に対し、トレーニングの必要性は感じているにも関わらず、徒手療法のみでアプローチが終了してしまう。
トレーニングの有効性は感じつつも、なかなか臨床に取り入れられないセラピストの方は多いのではないでしょうか?
トレーニングは疾患の問題となっている動作や機能を改善するために導入することが目的にあると思います。
そのためには動作を観察、分析し問題点を把握することがトレーニングを処方する際に重要な鍵を握っています。
セラピストこそ取り入れたいトレーニング
私は現在、メディカルフィットネスにて主に運動器疾患を抱える利用者の方を中心にコンディショニングやトレーニングを指導を行ってい、慢性腰痛や膝痛などを抱える利用者は多く、徒手療法のみでの改善は難しいと感じることが多くあります。
臨床現場のアプローチでは問題となる動作を分析することがスタートとなります。
各種動作を分析することにより全身の動きから局所の問題点を抽出し、評価を行い徒手療法、トレーニングを組み立てる必要があります。
トレーニングの動きの評価がイマイチわからない
トレーニングが重要性は認識しているが、組み立てができない
アプローチが徒手療法だけで終わってしまうことが多い
こういった悩みを抱えているセラピストやトレーナーの方に向けて各種動作の動作分析、各関節の評価に基づく徒手療法とトレーニングについての内容を発信し、日々の臨床やスポーツ現場での活動に活かすことに役立てていただきたいと思っています。
このnoteでは代表的なトレーニングであるスクワットに着目した動作分析と身体の支持基底面を形成する足関節の関係性に着目し、スクワット必要な足関節機能改善のためのアプローチについてお話していきたいと思います。
【note概要】
スクワットの動作分析と足関節機能が与える影響
足関節の評価からの徒手療法
足関節機能向上のためのトレーニング
ぜひ最後までご覧いただき、日々の臨床やトレーナー活動に活かしていただけたらと思います。
スクワットの重要性
スクワットは下肢の筋肉である大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋、大殿筋など下肢の筋肉の筋力はもちろん、重力下において全身の連動性により姿勢制御が必要になります。
しかし、スクワットを指導すると膝を曲げすぎない、腰を反らせないなど注意すべき点があるにも関わらず修正できないケースに遭遇することはないでしょうか?
スクワットは抗重力位での多関節運動であり、動作を遂行するためには体幹、股関節、膝関節、足関節など局所の動きが連動する必要があります。特に下肢の関節の運動制限は近接関節での代償を招くことが多くあります。
またスポーツ動作において構えの姿勢であるパワーポジションを獲得(力が入りやすいポジション)にも重要なトレーニングです。
スクワットを行うためには脊柱、骨盤帯、股関節、膝関節、足関節が構造的にも機能的にも安定した関節安定性が保たれていることによって全身の運動制御を円滑にすることが可能になります。
これらの部位の動きを踏まえて上半身質量中心と下半身質量中心の位置関係を観察することがポイントになります。
スクワットの異常動作としては膝関節屈曲優位、股関節屈曲優位になるパターンがあり、高重量を扱うほど現れやすい傾向があるように個人には感じます。
膝関節屈曲優位のスクワットでは下半身質量中心の前方化による膝関節伸展モーメントが大きくなります。
これは大腿四頭筋の遠心性収縮が強いられ、膝蓋大腿関節への圧縮や、膝蓋腱や膝蓋下脂肪体など膝関節伸展機構へのストレス増加につながる可能性があります。
一方、股関節屈曲優位でのスクワットは下半身質量中心の後方化に伴い、股関節伸展モーメントが大きくなり、脊柱起立筋など腰背部の筋肉への遠心性収縮により負担が増大し、腰痛を招く恐れがあります。
ではなぜこういった異常動作が生まれてしまうのでしょうか?
スクワットでは支持基底面の安定性が必要になります。足関節は地面と接地することで支持基底面を形成し、安定性が不足した状態では重心を維持することが困難になり、上半身、下半身どちらかの質量中心を偏位させることにより安定性を高めます。
足関節は地面に接地することで衝撃吸収や推進力を生むほか支持基底面を形成し身体重心の安定性を確保するためには非常に重要性の高い関節です。
その反面、足関節はスポーツにおいて足関節内反捻挫に代表されるように損傷の頻度が高い傾向があるにも関わらず、受傷時の応急処置、治療、リハビリテーションが不十分になることが多く、背屈可動域制限や腓骨筋群や後脛骨筋などの筋出力の低下など機能不全を抱えたまま復帰するケースは少なくありません。
足関節内反捻挫で最も損傷頻度が高い、前距腓骨靭帯損傷では距骨の前方偏位を招き、背屈制限に代表されるような足関節の構造的不安定性につながることは多々あります。
スクワットは足関節のほか、腰痛や膝関節疾患に対する運動療法としても導入しやすい一方、局所の関節が機能が不十分な場合にはフォームの定着が難しく、機能不全を隣接関節により代償を生む可能性があります。
逆を言えば、スクワットの動作分析することによって機能不全に陥っている部位を特定することが可能になり、スポーツ傷害に対するアプローチの道筋を立てることができます。
そのためには足関節が構造的安定性を獲得するために徒手療法によるアプローチ、機能的安定性を向上させるためのトレーニングにより運動制御を高めることが必要になります。
では実際にスクワットに対しどのような動作分析と評価、徒手療法とトレーニング必要なのかを解説していきたいと思います。
スクワットの動作分析
スクワットでは足関節前方の垂直線上に重心(バーベルスクワットあればバーは肩甲棘上に固定する)を維持する必要があります。
観察のポイントとしては、上半身質量中心と下半身質量中心が支持基底面である足関節前方の垂直線上に対し、前後方向でどちらに位置しているかを観察します。
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