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下肢機能から考えるジャンプ動作
ジャンプという動作は身体を移動させるため手段として多くのスポーツの中で用いられることはご存知かと思われます。
ジャンプ(jump)とは
「自身の脚で床などを押して(蹴って)空中に飛び出すこと」
(chapman 2008)
とされています。
ジャンプに対する必要条件はスポーツによって異なりますが基本的に下肢の力を利用し床方向に伝達することによって離地し、身体を浮遊することを指します。
床方向に力を発揮するためには当然ながら下肢を構成する足関節、膝関節、股関節の機能を発揮することは重要になります。
関節構造の適合による関節の構造的安定性と、筋や神経機能による機能的安定性を有していることが適切なジャンプを行うには必要な要素となります。
ジャンプといっても目的に応じたジャンプの種類と動作を考えいきたいと思います。
今回のnoteは
バスケットボール、バレーボール、サッカーなどのジャンプを行う機会が多いスポーツに関わるセラピストやトレーナーの方々には読んでいただきたい内容となっています。
まずはジャンプ動作の動作分析とエラー動作のポイントを考察し、更に機能改善のためのトレーニングプログラムを紹介していきたいと思います。
ジャンプ動作分析
①Counter Ⅿovement Jump
ジャンプと一言にいっても高さを求めるのか、距離を求めるかによっても動作の目的は変化すると考えられます。
高さを求めるジャンプとして代表的なジャンプとしてCounter Ⅿovement Jump(以下CMJ)が挙げられます。
CMJは反動動作や腕の振込動作を利用したジャンプを垂直飛びや立ち幅跳びをイメージするとわかりやすいかと思われます。
Counter Ⅿovementとは反動動作を指し、身体重心を下降させることににより下肢の筋群に対する伸張反射を促すことが可能になるため下肢の筋群のよる爆発的な力を発揮することに適したジャンプとなります。
CMJについて以下にように解説されています。
両脚を静止させた状態での離地から最大跳躍高を達成することが目的のカウンタームーブメント・ジャンプを行う際にはカウンタームーブメントの最下点での両膝の位置と同一直線上にあるべきである。
引用|アスレティックムーブメントスキル
すまりCMJの目的として垂直方向に対して身体重心を垂直方向に移動(浮遊)させるジャンプとなります。
重心を垂直方向へ移動させるためには股関節屈曲、膝関節屈曲、足関節背屈により身体重心を一度下降することが求められます。
下降局面を経て下肢の筋群を伸張させることにより伸張反射を利用して爆発的な力の発揮が可能になり、身体重心を浮遊させることができます。
更にこのように述べられています。
体がまっすぐになると床面をできるだけ強く、長く押すことが可能となり垂直方向への力を最大限に発揮できる。
引用|アスレティックムーブメントスキル
このできるだけ強く、長くということはジャンプまでに時間的余裕があることが前提条件として考えることができます。
そのため相手選手やボールなどに予測をもとに反応する状況の多いスポーツにおいCMJを十分に発揮するには反動動作までの時間を短縮する必要があります。
実際のスポーツの場面で言えばあらかじめジャンプすることが予測できるバレーボールのスパイクなどにおいては有効なジャンプと捉えることができます。
しかし、バスケットボールのリバウンドやサッカーのヘディングなどの選手が密集し身体重心を下げることが困難かつ、時間的余裕がない状況下においては反動動作を十分に確保できない可能性があります。
そのため一概にCMJのみをジャンプの指標にしてしまうと全てのスポーツのパフォーマンスに直結しないということも考えることができるのではないでしょうか。
CMJは離地まで時間を要するため環境要因に左右されるジャンプとも捉えることができます。
陸上競技の跳躍系の競技などにおいては、天候など以外には動作を阻害される要因が少ないないた当てはめることが出来ますが、相手の選手やボールなどを操作するスポーツにおいては状況次第では適していないジャンプとも考えることが出来きます。
②Rebound Jump
ジャンプまでに時間を要するCMJに対してジャンプまでの時間を短縮したジャンプとしてRebound Jump(以下RJ)が挙げられます。
RJとCMJの異なる点として接地時間の短縮があり、RJでは目的として接地時間を最小限にするということがあります。
接地時間を短縮するためには下肢の関節の運動を小さくすることが求められます。そのため下肢の筋群には瞬間的に遠心性収縮がかかります。
RJでの下肢にかかる負荷について以下のように解説されています。
RJ中に中に発揮される片脚あたりの各関節トルクのピーク値は股関節が150Nm程度、膝関節200Nm程度、足関節が220Nm程度であり垂直跳びに比較して膝関節や足関節での発揮が大きく、股関節での発揮は小さい
(深代1990)
引用|怪我をさせないエクササイズの科学より
とされています。
つまりRJの着地において足関節の機能不全を有することは膝関節や股関節に対する代償動作を発生させる要因となります。
バスケットボールやサッカーなどにおいての足関節捻挫などの既往率は非常に高く、足関節機能不全を改善しない状態でのスポーツ復帰はジャンプ動作においても他関節への慢性的なストレスを増加させている可能性があります。
ではRJの動作を観察していきたいと思います。RJでは接地時の下腿の傾斜に注目します。
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